第1335話 集会室に行くとみんなお風呂に行った後だった
集会室のドアを開けると、中にはカーチス兄ちゃんとエルマーしか居なかった。
「みんなは?」
「風呂に行ったよ、マコトも行けば」
「帰りに邸宅寄ってひとっ風呂浴びてきたよ」
「そうか、ヒルムガルドはどうだったか?」
「領主はまあハゲだけど意外に良い街だったよ、綺麗で面白かった」
「それは良い……」
「竜馬で遠乗りかあ、良いなあ、俺らだと軍馬でホルボスに行くのが精一杯か」
「乗馬は疲れる……」
二人とも貴族の息子だから乗馬はできるんだよね。
「エルザさんも乗馬は上手いかな?」
「ああ、エルザも上手いぞ、というか、ブロウライト近辺の人間はもれなく乗馬ができるよ」
前世の田舎の乗用車みたいなもんで、乗馬できないとやっていけないんだろうなあ。
「今度、騎獣をテイムしにダンジョンに行こうぜ、なんか凄い奴」
「ふんわりしてやがるなあ」
「本当は竜馬が良いんだが、滅多に居ないからなあ、ペガサスとか、スレイプニルとかさ」
「僕も、なにか欲しい……」
「騎獣狩りかあ、あと、収納袋も派閥員全員に欲しいんだよ」
「お、良いな、産地まで飛べば安いし、カロルなら自作も出来るんじゃないか?」
「魔導具は……、錬金術師の縄張り……」
そうか、材料さえ取れば、カロルが作ってくれるのか。
とりあえず産地には行ってみたいね。
「秋頃に行ってみようぜ。夏は予定が一杯だからな」
「バカンスは楽しみ……」
たしか、収納袋は食人樹の胃袋から作られるんだよね。
取れる迷宮は二箇所、近い方に行ってみたいな。
男衆と話すのは滅多に無いが、まあ、しょうが無いので集会室を出て、図書館に行くことにした。
またカウンターの向こうでルカッちが本を読んでるな。
読み終わった本を収納袋から出して返却処理をルカッちにしてもらった。
さて、次は何を借りようかな。
「リシュエール諸島のガイドブックはあるかな?」
「三番の棚に旅行記がある、地理系の本なら六番だな」
旅行記だな。
地理を調べてもあまりなあ。
三番の棚はアップルトン南部の地理と旅行記だな。
リシュエール諸島の本は二冊あった。
お、南洋諸島ダンジョンガイドか。
これも借りて行こう。
ルカッちに本の貸し出し処理をして貰った。
「いつもありがとうね」
「きにすんな」
ホルボス村の夏祭りで邸宅で一泊、その後リシュエール諸島に飛んで二泊三日のバカンスだね。
楽しみ楽しみ。
また守護竜牧場に行って、婆っちゃのお肉と牛乳を仕入れなくては。
あと、チーズね。
「ルカッちもバカンス行かない? リシュエール諸島でキャンプだよ」
「夏休みはずっと図書館だ」
「ずっとかよっ」
「それが良い図書館員というものだよ」
なんだかドヤ顔をされたぞ。
まあ良いか、あまり大人数になると泊まる場所が無くなるし。
今でも、男衆は浜辺でテント予定だしな。
おっと、テントはカーチス兄ちゃんが用意してくれるのかな。
一応聞いておかなくては。
まあ、女子は船で泊まるから、あまり関係がないけどね。
ビリケムさんの祠に両手を合わせてから、女子寮に入った。
玄関ロビーでわくわくしながらリシュエール諸島のガイドブックを見ていたら、良い時間になっていた
エレベーターホールに行ったら、みんな居るね。
さあ、晩餐を取ろう取ろう。
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