第1320話 期末試験が始まるのだ
朝なのでコリンナちゃんを追い回してランニングであるよ。
「期末試験初日なのに、ぜいはあ」
「関係無し」
「そうね、うふふ」
カロルも公認の追い回しである。
とはいえ、今日はグラウンドを一周はしたね。
偉い偉い。
距離は伸びている。
ひいひい言っているコリンナちゃんを連れて地下道に入り、蒼穹の覇者号に乗ってシャワータイム、そしてラウンジでお茶を飲むぜ。
よく考えたら、ここでダルシーに朝ご飯を作ってもらえば良い物だが、やっぱり女子寮の朝はポリッジでないとね。
「今日から期末かあ、初日は、国語、地理、魔物学だね」
「さくっと受けて、午後からまた勉強会だね」
「試験中はそんな感じね」
お茶を飲み終わったら女子寮に移動して食堂で朝ご飯である。
今日はナッツポリッジかな。
うん。
みなで朝食を食べた後、校舎へ登校する。
A組に入り、筆記用具を整え、試験に向けて気合いを入れた。
先生がくるまでマメちゃんをモフモフするのである。
モフモフ。
あー、心が安らぐねえ。
アンソニー先生が来て、短めのホームルームがあって、そのまま、試験用紙と解答用紙が配られる。
アンソニー先生は国語教師だからね。
さあて、試験開始じゃ。
カリカリカリカリ。
国語は得意教科だから良いね。
わりと良い感じに項目を埋められた。
二時限目の試験は地理だ。
カリカリカリカリ。
地勢と地方の産物、気候の問題が多いね。
最近飛空艇でうろつきまくっているので地理解像度が上がっているのだぜ。
カリカリカリカリ。
地理も良い感じにこなして、三時限目は魔物学であるな。
王都付近の魔物の分布や、生活に役立つ魔物産の産物の問題とかが出てた。
カリカリカリカリ。
最近王都の守護竜になった聖氷竜の名前を書きなさい。
という問題も出ていたぞ。
アダベルトとアダベルで迷ったが、守護竜としてはアダベルで統一しているのだな。
なかなかタイムリーな問題であった。
試験を三時限受けて、本日は終了である。
帰りのホームルームがあって、午後には復習をしましょうとの事であった。
「マコトどうだった」
「まあまあね、アダベルの問題が出て笑っちゃった」
「そうよねえ」
奴もだんだんとアップルトン王国に馴染んでいってるね。
カーチス兄ちゃんとかB組の子がどやどやと入って来た。
「昼はどうするよ、マコト、初日だからどっか繰り出すか?」
「試験中だからなあ、ひよこ堂にしない?」
「それもそうか」
ひよこ堂ランチという事になった。
階段を下りながら上級生を取り込んでひよこ堂に行く派閥員が増えていく。
というか、ちゃっかり王家主従も付いてきてるな。
ロイドちゃんも来てるが。
ひよこ堂で聖女パンとハム卵サンドとサイダーを買って亜麻布袋に入れて貰う。
カロルは聖女パンと野菜サンド、コリンナちゃんは、聖女パンとクリームコロネであった。
みんなで自然公園で敷布を引き、タープを張ってパンを食べる。
もう七月だから太陽が暑いね。
ミーシャさんがお茶を配っていた。
「え、守護竜はアダベルトであろう」
「教会で洗礼を受けて……、邪竜アダベルトは改名した、正式にアダベル……」
「しまった、引っかけ問題であったか」
お、ジェラルドはアダベル問題を間違えたか。
しめしめであるな。
聖女パンが美味いぜ。
「ロイドさまは試験どうでしたか?」
「僕はジュリエットの事を考えて頑張って試験を埋めたよ」
「まあ、嬉しい、私も頑張りましたわっ」
試験が悲喜交々だねえ。
ヒューイが空から飛来した。
というか、なんでヘビ三郎を首に掛けているのだ。
《配達》
「配達かあ、じゃあしょうがないなあ」
「ありがとうっ、ヒューイ君、あ、来た来た」
学園の方から、ヤギ次郎とライ一郎が走って来た。
お前達も勝手に厩舎から出てくるのかよ。
「大騒ぎにならないかね?」
「まあ、学園と自然公園はわりと近いから」
というか、学園内でライオンがうろうろしているのも不味いかもなあ。
コリンヌさんは、鼻歌を歌いながら、ライ一郎とヤギ次郎にブラシを掛けて、ヘビ三郎を布で磨いた。
一応セルフグルーミングではあるんだろうなあ。
ヒューイもダルシーがバスタオルでコシコシと拭いていた。
鱗だから磨くと光るね。
コリンナちゃんがライ一郎の背中に乗って寝転んだ。
「快適快適、ふわふわだ」
ライ一郎はコリンナちゃんの事も好きみたいで、ふわっとした幸福感が私にも伝わってきた。
ジュリエットさんはヤギ次郎がお気に入りっぽくて、背中をなでなでしていた。
「色々な従魔がいて楽しいですわね」
「私もなにかペットが欲しいですわねえ」
そういや、お洒落組は従魔持って無かったね。
鳥系とか居たら便利かもねえ。
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