第1317話 午後は勉強したりお風呂に入ったりする
庭のベンチで食休みをした。
子供達は元気にお庭で暴れ回っているね。
ライ一郎に乗ってみたり、ヒューイに乗ってみたりで、やりたい放題だね。
ライ一郎も、ヒューイも、子供を乗せてゆっくり歩いたりしている。
アダベルはなんだか一休みもしないでバクバク食べているな。
チーズフォンデュを飲み干す勢いだなあ。
「美味い美味い」
「そろそろご馳走さましなさいよ、アダベル」
「まだ、腹八分目」
暴食ドラゴンだなあ。
アダベル専業でシャーリーさんがお肉を焼いているな。
一時になったので、ダイニングに戻って、お勉強再開である。
子供達は庭で遊び回っているね。
ちょとうるさいけど、まあ、しょうが無いね。
カリカリカリカリ。
ノートを見ながら復習を続けていく。
ガドラガに行っていた間の補習もほぼ完璧に終わったな。
よしよし。
「カロルもガドラガの期間の復習は終わったみたいね」
「ええ、大体終わったわよ」
「俺はまだまだ、取り返してない」
「カーチスは頑張れ」
「くそう」
「頑張るですよ、殿」
「教えてあげるみょんよー」
「ぐぬぬ」
頑張ってねカーチス。
勉強をしてお腹もこなれたので、女子の入浴を先にさせてもらう事にした。
「んじゃ、女子が先に入るね」
「おう、行ってこい」
「男子も後で入る……」
ガラス戸を開けて、子供達に声をかける。
「温泉入るよ~」
「「「「はーい」」」」
女の子達が家に入ってきた。
男子どもはまだ遊んでいるっぽいね。
女子全員でお風呂に行く。
「結構居るな、全員入れるか?」
「まあ、なんとかなるでしょう」
「ライイチローとかは? コリンヌおねえちゃん」
「ライイチローは男子と遊んでいるからねえ、ヤギジローは村の人に草を貰っているよ、ヘビサブローは……、テーブルの下だわ」
「あら大変」
私たちが浴場に着くと、廊下をヘビサブローが這ってきた。
コリンヌさんがヘビサブローを持ち上げて、マフラーのように肩にかけた。
「私もニャーリンと一緒に入るのよ」
「に゛ゃあ゛あ゛」
「わあ、ダミ声の猫ね」
「夜光猫だよ、夜に目が光るの」
「そうなんだ、よろしくね、ニャーリン」
「に゛ゃに゛ゃ」
よろしくなというようにニャーリンはダミ声で鳴いた。
みなで脱衣所に入り、ぱっぱと服を脱いで浴室に入る。
ああ、なんだか硫黄臭くて温泉って感じがするね。
真っ黒な御影石で出来た浴槽は湯の花をたたえて掛け流しであふれ出していた。
湯量が多いよねえ。
かけ湯をして湯船に入る。
派閥員と孤児とティルダ王女がどんどん浴槽に入って、ちょっと狭くなったが、まあ、意外に広かったようで、ぎゅうぎゅう詰めにはならなかった。
ふう、良い感じね。
「今度、地獄谷の方にも入りに行きたいですよっ」
「まだ、共同浴場ができてねえから、『ヌ』」
「そうなの、『ナ』」
「いま設計中、秋頃にはちゃんとした小屋の共同浴場が出来るそうだよ」
おお、それは朗報だな。
今のさしかけ小屋は大風が吹くと倒れるからな。
ラッキースケベ施設となっている。
「旅館とかは?」
「それも秋だね、とりあえず、夏の間に上下水道を作っておくんだよ」
「おお、下水も」
「インフラがちゃんとしていると、街を広げやすいからね」
「広がるかな?」
「さあ、ホルボス村は確実に大きくなるけど、地獄谷はどうかな。観光客は来るだろうけど、定住者はあまり増えないかも」
まあ、地獄谷は色々いわくがある人を匿う場所でもあるからなあ。
発展しなくても、硫黄運びのおっちゃんたちが居心地の良い場所ならいいやね。
温泉の水面をマメちゃんとヘビ三郎が泳いでいた。
ヘビって浮くのか。
ニャーリンはお湯が嫌いなようで、ちょっと入って、外に出ていってしまったな。
ちびっ子が悲しそうな顔をした。
アダベルが頭から、カエルのトトメスを取って、ちびっ子に渡した。
「あ、ありがとう……、トトメスも」
「ゲロゲロ」
トトメスは両生類なのに温泉平気みたいだね。
さすがアダベルの従魔だぜ。
洗い場に出て、ダルシーに洗って貰う。
私を洗った後は、孤児達とアダベル、ティルダ王女を洗ってダルシーは大車輪の活躍である。
また、湯船で暖まってから、脱衣所に出る。
ダルシーがバスタオルで私を拭いて、そのあとドライヤーを掛けてくれた。
「ダルシー、私も私も」
「はいはい、順番ですよ」
ダルシーは人気者だなあ。
コリンヌさんはヘビ三郎を拭いていた。
奴の楽しい楽しいという気分が伝わってきた。
楽しいならなにより。
さっぱりしてダイニングに戻ると、ジェシーさんたちが冷たいミルクを出してくれた。
ぷはあ、うまーっ。
「いいな、じゃあ、そろそろ行くか、エルマー」
「そうだな……」
あとは、オスカーとライアンと、村の三馬鹿と、トール王子だね。
ライ一郎も入るみたいで、トール王子を乗せたまま、のっそりのっそり歩いていた。
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