第1314話 朝ご飯を食べてから学園に行ってホルボス村へGO!
「おはようございま~す」
起き出して洗面用足しをしてから朝食のテーブルに付く。
キンボール家ではダルシーも一緒に食事をしてくれるから良いよね。
ダルシーは、いつも食事をどうしてるのかと不思議だったのだが、ここでは家族のように一緒であるな。
本人はあんまり居心地が良くなさそうだけどね。
ああ、お養母様の朝ご飯は美味しいなあ。
お義姉様もパクパク食べてらっしゃる。
「また、すぐ学園に戻って仕舞うの、マコトちゃん」
「今日は朝からホルボス村の邸宅に行って勉強会ですので」
「あら良いわね」
「一緒に行きますか、お義姉様」
「温泉も魅力的だけど、色々用事があるのよねえ」
それは残念だなあ。
朝食を食べ終え、キンボール家を後にする。
やっぱり第二の実家のキンボール家は良いなあ。
なんだか、ほっとするよ。
馬屋から馬丁さんがヒューイを引いてきてくれた。
「ヒューイもお世話してもらった?」
《なかなか快適だった》
それは何よりだね。
「それでは、また来週の土曜日に」
「いってらっしゃい、マコトちゃん」
「まっているからね、マコト」
「行ってらっしゃいっ」
キンボール家の人達に見送られながら、庭からひらりと空中へと舞い上がる。
収納袋からゴーグルを出してはめる。
まあ、キンボール家から学園までの短い飛行である。
さくっと校門前で地面に降りるな。
したしたとヒューイを校内を歩かせて集会所を目指す。
今日も良い天気で良いね。
ヒューイから下りて集会所のドアを開けると、派閥員が揃っていて口々に挨拶をしてくれた。
おはようおはよう。
みんなで武術場口から地下を目指す。
コリンヌカルテットもいるな。
《私は?》
「ヒューイは飛空艇の出口あたりで蒼穹の覇者号に乗り込んで」
《解った》
ヒューイはバサリと飛んで行った。
手間いらずの騎獣さんで助かるよ。
皆で地下道を歩いて蒼穹の覇者号に乗り込む。
「今日は私が操縦するわ」
「わかったよ、エイダさん、副艇長席に操縦権を移譲」
【かしこまりました、マスターマコト】
副艇長席のカロルが出力レバーを押し上げ、プロペラの回転数を上げた。
蒼穹の覇者号はふわりと浮いて微速前進した。
発進ゲートの向こうの岩場でヒューイが待っていて、バサリと甲板に飛び乗った。
マメちゃんが影から出て来て、袖机で前を監視してくれている。
カロルは流れるように蒼穹の覇者号を離陸させた。
で、ホルボス村まで、ピューッと移動である。
渓谷のホルボス基地入り口から蒼穹の覇者号を入れて着陸した。
「やっぱり飛空艇は速いな」
「まだ、アダベルしゃんたちは来てないみょんな」
「もうちょっと後でしょう」
みんなで船を下りて、邸宅への通路を行く。
《私は飛んでくる》
(いってらっしゃい)
ヒューイは飛空艇の出入り口の所から空に舞い上がった。
ホルボス山上空をうろうろするっぽいな。
「あらあら、マコトさま、お帰りなさいませ」
「今日は邸宅で勉強会するから」
「かしこまりました、トール王子さま、ティルダ王女さまもお喜びになられましょう」
地下礼拝堂あたりでジェシーさんがお出迎えである。
邸宅に入ると、トール王子とティルダ王女がドドドと駆けてきた。
「聖女さまっ!」
「聖女さまっ、どうしたのどうしたの」
「試験前だから、今日は邸宅でみんなでお勉強よ」
「わあ、大変だ」
「静かにしないと、お兄ちゃん」
「アダちゃんが来るとうるさいよ」
「奴らが来たら、お昼ご飯の買い出しに、守護竜牧場へ向かってもらいますよ」
「守護竜牧場!!」
「ダシャお婆ちゃんに会える!!」
二人は大喜びであった。
梅雨でなかなか行けなかったらしいね。
どやどやとダイニングに入り、勉強道具を出して勉強を始める。
カリカリカリカリ。
カリカリカリカリ。
……。
まあ、場所が変わっても勉強に変わりは無いのだけけどね。
トール王子とティルダ王女も大人しく絵本を読んでいるね。
「絵本はどうしたの?」
「みんなが大神殿で借りて来てくれるのっ、読み終わったら返してくれるのよっ」
「それは良いわね」
なにげに大神殿孤児院は絵本とか充実しているんだよね。
ライ一郎がトール王子の横でちんまり座った。
ティルダ王女の横はヤギ次郎だ。
ヘビ三郎はテーブルの下でのたりと横たわっているな。
ヒューイが地獄谷の熱々温泉に飛びこんでいる映像が伝わってきた。
《熱い! だが、気持ちが良い》
ヒューイはご機嫌であるな。
「あ、アダちゃん達来た」
窓の向こうで着陸しようとしている古竜状態のアダベルが見えた。
そうか、村の広場に着陸するときは、ここから見えるのね。
しばらく待っていると、アダベルと孤児達、そして村の三馬鹿がドヤドヤと入ってきた。
「お、おお? これは何事?」
「試験の前だから勉強会よ、静かにしてね」
「そ、そうか、それは大変だ」
「静かにしないとマコねえちゃんが怒るね」
「うむ、マコトは心が狭いからな」
失敬な邪竜め。
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