第1303話 金曜日は緩やかに明けていく
まあ、朝からコリンナちゃんとランニングではあるのですが。
曇り空でわりと走りやすい。
カロルと一緒にコリンナちゃんを追い越しまくって、終了である。
「毎朝、キツい」
「というか、コリンナちゃんが慣れるのが早いと思うぞ」
「ぐぬぬ」
地下道を通って蒼穹の覇者号へと行き、朝のシャワーを浴びた。
ふう、さっぱりさっぱり。
制服に着替えて、ラウンジでお茶を飲む。
ダルシーがマメちゃんに朝の煮こごりをあげているね。
「今日で武術大会が終わりかあ、だれが優勝するかな」
「女子の部はエルザさんが楽しみね。男子の部は……」
まあ、男子はマイクーであろうよ。
カーチス兄ちゃんは、来年ぐらいかね。
女子の部はエルザさんかシルビアさんか、まだ解らないね。
「午後が楽しみだね」
「そうだな」
お茶を飲み終わったので、地下道を通って女子寮へと向かう。
マメちゃんが脚にじゃれつくので抱きかかえて行く。
地階からエレベーターにのって一階まで上がると、派閥員がまっていて、そのまま食堂へ向かう。
さて、今日は塩ポリッジを頼んでテーブルに朝食を持って行った。
みなが集まった所でいただきますだ。
うん、今日の副菜はソーセージエッグで美味しい。
いつもながら良い味だね。
朝食を済ませて、みんなで登校する。
今日は曇りだから割と涼しそうだ。
階段を上がって行き、B組の子たちと別れて、A組に入った。
「コイシちゃん、残念でした、カトレアさん、今日はがんばってね」
秀才タイプの女の子がカトレアさんとコイシちゃんに声をかけた。
「まかせておいてくれ、シルビアなにするものぞ、だ」
「すてきっ」
同じA組だから応援しているのだろうなあ。
おっと、アンソニー先生がやってきた。
起立礼着席でホームルームである。
朝の告知は武術大会が今日で終わるが、すぐ期末試験なので気を抜かないで頑張りましょうという注意であった。
さて、午前中は普通に授業である。
金曜日の科目は、歴史、音楽、倫理、武術であるね。
サクサクと三教科をしのいでいく。
さすがに期末前なので、一学期の総括みたいな授業であったよ。
で、武術の時間である。
バッテン先生は昨日、惜しくもリンダさんに負けてしまったが、来年の再戦を目指して、なんだか元気だね。
コイシちゃんと一緒に、木小太刀でカンカンやって過ごした。
今日の午後に準決勝、決勝戦だから、みんな気合いが入ってるかんじね。
「わっしは負けたので、気合い抜けたみょんな」
「来年がんばりなさいよ」
「そうみょんな、来年は優勝みょん!」
そんな感じで武術の時間を終えて、私たちは着替えてA組に戻って来た。
「おーい、マコト、今日はどうする?」
「ひよこ堂かな?」
「そうするか、自然公園で食べるか」
いつものお昼ご飯だね。
階段を下りて、派閥員を吸収しながら校舎の外に出る。
学校を出て、ひよこ堂を目指す。
ひよこ堂ではクリフ兄ちゃんが列の整理をしていた。
「おお、マコト、ここの所、武術大会だろ、知り合いは勝ち抜いているか?」
「結構勝ち抜いてるよ」
「勝ち抜いているぞ、クリフよ」
「カーチス閣下も勝ち抜いていますか、今日も頑張ってくださいよ」
「まかせろ」
カーチス兄ちゃんは自信満々だな。
列が動いてお店に入れた。
今日は聖女パンと卵サンドかな。
ソーダを一緒に買って、亜麻布袋に入れてもらった。
みんな、思い思いのパンを買い込んで自然公園へと向かった。
カロルが収納袋から敷布を出して広げた。
その上にちんまり座ってパンを食べる。
良い風が吹いて気持ちが良いね。
雲が去って、日が出て来たけど、木陰を選んでいるので、わりと涼しい。
「ああ、午後から準決勝、決勝だなあ」
「がんばれ……、カーチス……」
「お、おう」
カーチス兄ちゃんはエルマーの激励にうなずいた。
「午後から楽しみでございますわね」
「派閥の皆様が出ていらっしゃるので、いつもより興味深く観戦できますわね」
「それは言えますわね、マリリン」
お洒落組はわりと暢気だな。
カトレアさんとエルザさんは緊張しているみたいだ。
まあ、負けてもいいけど、恥ずかしく無い試合をしてほしいね。
マメちゃんが私の影から出て来て、あちこち廻ってパンをもらっていた。
最後はダルシーが煮こごりをあげていた。
マメちゃんは育ち盛りだから良く食べるね。
良い事だ。
私たちの上空を水色のドラゴンが横切った。
お、アダベルたちもホルボス村かな。
私が手を振ると、アダベルも羽を振って答えた。
トール王子とティルダ王女によろしくね~。
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