第1302話 お風呂に入って晩餐を食べよう
みっちりお勉強をしてから、お風呂に入りに来た。
剣術部、お洒落組、あとカロルと私とコリンナちゃんだな、コリンヌさんとヒルダさんもいるぞ。
脱衣所で服を脱いで、浴室でかけ湯をして湯船に入る。
ふう、やっぱお風呂よね。
「なんだか、中間テストと期末テストで、去年一年分のお勉強量を超えた感じですわ」
「そうですわね、メリッサさま」
「意外とお洒落組は勉強しないのか」
「普通あれぐらいするみょんよ」
なんだか、剣術組のカトレアさんとコイシちゃんが勉強家なのが不思議よね。
「ヒルダさまはお勉強の方はどうなんですかっ」
「暗闘の家の子が成績が悪いと舐められるので、勉強はするよ、コリンヌ、君の方は?」
「私はー、メイドなのであんまりー、将来もメイドなので、家事は大事ですが、武術も学問もあまり必要ないんですよう」
コリンヌさんは結構後ろ向きだなあ。
夕方だから入っている生徒はだいたい聖女派閥だなあ。
マメちゃんが湯船で泳いでいる。
ヒューイは厩舎に戻した。
カロルがマメちゃんをとっ捕まえて洗い場に連行していった。
アンヌさんと一緒に洗ってくれるっぽいね。
私も洗い場に出てダルシーに洗って貰った。
メイドさんに体を洗って貰うのも少し慣れた感じだなあ。
ラクチンには人はすぐなれるね。
髪も洗って貰って、湯船に戻って暖まる。
「シルビアと戦ってどうよ」
「いやあ、強かったみょんな、試合になると気合い入るタイプっぽいなあ」
「げえ、現場に強いタイプかあ、キツいな、明日は勝って、エルザさまと同派閥決勝をしなければ」
「がんばるみょんな」
と、剣術組が噂をしていたら、シルビアさんが浴室に入ってきた。
「おーすっ、エルザはいねえのか」
「エルザ様は自室のお風呂に入るみょんな」
「ちえー、明日はカトレアと、その後エルザだな、楽しみ楽しみ」
「負けねえからなあ」
「きしし、倒してやんよー」
「中盤で使ったバックエッジは新開発みょんか?」
「おうよ、気が付いたか、良いセンスだなコイシ」
「こうこうこう、だみょんな」
コイシちゃんが手刀でシルビアさんに技を見せた。
湯船のお湯がチャプチャプ揺れる。
「いや、一歩引け、間合いが重要だからさ」
「ああ、なるほど、間合いだみょんか」
「まあ、蓬莱刀でもエストックでも使えない技だからな」
「使えなくてもいい技は好きだみょん」
「そうだな、良い技は工夫があるからなあ」
剣術趣味の人達は仲が良いなあ。
同じ趣味だから共通の話題があるんだよな。
洗い終わったマメちゃんが、カロルに抱かれて湯船に運ばれてきた。
コリンナちゃんがマメちゃんをなでなでした。
「やっぱりマメちゃんは癒やしだな」
「そうね、私もマメちゃん大好き」
「人気者だなあ」
私もマメちゃん大好きだけどな。
「ちょっと大きくなったかな」
「どんどん、大きくなっていくんでしょうね」
「ペスぐらい大きくなると良いなあ」
「「そんなに!」」
ペスぐらい大きいと戦闘力が上がるからね。
さて、マメちゃんを抱いて脱衣所に戻った。
ダルシーが私とマメちゃんにドライヤーを掛けてくれた。
ブイーンとね。
のんびり入浴していたら、結構遅い時間になっていた。
洗濯したての下着と制服を着てさっぱりして大浴場を出た。
カロルとコリンナちゃんと一緒にエレベーターで一階に上がると、派閥員が集まっていた。
しばらく待って、お風呂組を待ち、食堂に入る。
「今日のお献立は何、クララ」
「ポークチョップ、レンズ豆のスープ、タマネギサラダ、黒パンだよ」
「ポークチョップかあ」
ポークチョップとは、骨付きの豚肉の薄切りを味を付けて焼いた物だ。
トレイにお料理のお皿を取って行き、最後にケトルからカップにお茶を注いだ。
テーブルにお料理のトレイを持って行き、皆が揃うのを待った。
ああ、良い匂いだなあ。
皆が揃ったので食事のご挨拶。
「いただきます」
「「「「「日々の粮を女神に感謝します」」」」」
パクリ。
うんうん、焼きが良い感じでジューシーだなあ。
美味しいなあ。
レンズ豆のスープも美味しいなあ。
うまうま。
「明日で武術大会も終わりね」
「準決勝、決勝とあって、終わりだね」
「大会が終わったら土日を挟んで、期末試験だ」
派閥の皆が「うへえ」という顔をした。
女子の部の優勝は誰になるかな。
シルビアさんか、エルザさんか。
男子の部は、まあ、マイクーかなあ。
ゲームの方でも一年の頃は、私もカーチス兄ちゃんも優勝には届かなくて、二年からが最速優勝だったけどね。
『ヒカソラ』は、成長系の乙女ゲームだから、主人公も、相手役も、一年生の時点だとわりと負けるんだよね。
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