第1296話 お風呂に入って晩餐だ
カポーンと女子寮地下の大浴場である。
水曜日なので、聖女の湯の素を入れてある。
マメちゃんも起き出してきて、お風呂で犬かきで泳いでいる。
剣術部の子たちも汗をかいたから全員来ているね。
バッテン先生も入って来たぞ。
「お、聖女派閥がそろい踏みだな」
「先生とリンダ師との試合はいつですか」
「明日だ、第二回戦の後、リンダ師とエキシビジョンマッチだ」
そう言って、バッテン先生は太く笑った。
おお、闘志を燃え上がらせているな。
明日のエキシビジョンマッチが楽しみだなあ。
「明日はシルビアしゃんと対決だみょん、気が重いみょんなあ」
「根性で勝て」
「が、がんばるみょん」
カトレアさんの無茶ぶりにコイシちゃんが答えていた。
「そういえばエルザは?」
バッテン先生が、剣術部の二人に聞いた。
「エルザさんは自室にお風呂があるみょんよ、あまり地下へは来ないみょんな」
「一度行ったが、良い部屋であった」
「うらやましいみょんな」
私は洗い場に出て、ダルシーに体と髪を洗ってもらった。
ついでにダルシーはマメちゃんも洗っていた。
今日はカロルも、コリンナちゃんも一緒にお風呂だね。
湯船に戻って、暖まる。
カロルが泳いで来たマメちゃんをとっ捕まえて抱いていた。
やっぱお風呂は良いね。
お風呂から上がって、ダルシーにドライヤーを掛けて貰う。
ああ、暖かくて良いね。
マメちゃんもドライヤーで乾かしてもらって、ふわふわモフモフとなった。
ダルシーの出してくれた下着と制服を身につける。
ああ、さっぱりした。
まだちょっと晩餐までは時間があるね。
エレベーターに乗り込んで、一階はロビーで座り込んでおしゃべりを楽しむ。
やっぱり学校行事がある日は盛りあがって良いね。
マメちゃんはコリンナちゃんの膝の上で可愛がられていた。
なんか、マメちゃんは一回りぐらい大きくなった感じがする。
成長期だからねえ、そのうち大型犬になるのかな。
影犬なんで、大きくなっても邪魔にはならなくて良いよね。
ペスぐらい大きくなったら良いなあ。
なでなで。
シルビアさんが、階段の方から来た。
「お、聖女さん達、良い匂いだな、ああ、聖女の湯の日か」
「そうそう、新作の湯の素だよ」
「そりゃいいな、後で入ろう」
「明日は当たるみょん、覚悟だみょんよっ」
「えへへ、コイシかあ、大分、動きを掴んだからなあ、蓬莱刀術は面白いからな」
「ぐぬぬ」
明日の対戦が楽しみね。
シルビアさんも応接セットに座った。
「あのハンマーの子は誰よ、シルビア」
「ハンマーか、マチルド・コワレ子爵令嬢だ、意外に強い」
「ハンマーは意外だったなあ」
「明日カトレアと当たるのか、鈍器は模擬も本物も関係無いからな」
カトレアさんの脳裏では、ハンマーとエストックの戦いが浮かんでいるのだろうなあ。
色々な対戦になるのが楽しいよね。
エレベーターホールに聖女派閥の構成員が集まってきた。
私たちも立ち上がり、合流して、食堂へと入る。
なんでかしらないがシルビアさんも一緒だな。
「クララ、今日のお献立は何?」
「今日の下級貴族食はタラのムニエル、アスパラサラダ、オニオンスープ、黒パンだよ」
おお、今日はお魚か。
北海の塩ダラを戻してムニエルかな。
私はお料理をトレイに取って行き、ケトルからお茶をカップに注いでテーブルに持っていった。
ああ、バターの良い匂いがするね。
みんなが揃った所で、お食事のご挨拶。
「いただきます」
「「「「「日々の粮を女神に感謝します」」」」」
パクリ。
ん~~、タラの淡泊な味わいが濃厚なバターソースに絡んで美味しいね。
うまうま。
アスパラサラダも美味しいね。
シルビアさんは剣術組のテーブルに座って、エルザさんと喋っていた。
なんか、聖女派閥にしれっと混ざりそうな予感がするなあ。
まあ、いいけどさ。
マリエットさんも子爵令嬢だから、こっちのブースで食事をしてるね。
シルビアさんとエルザさんが気になるのかチラチラ見ているね。
まあ、ポッティンジャー派とは来年の春まで直接戦闘は無さそうだから、交流もアリだろうね。
というか、デボラさんとか、諜報修行がまだ終わらないのかな。
最近見ないけど。
命令さんも最近大人しいし、レースでハゲを懲らしめたら、学園の厄介な連中は根絶できるかな。
いや、まあ、たぶん出来ないけどね。
アレな人は浜の真砂のように無くならない物だ。
阿呆なポンコツ魔導戦艦とか、総本山の人工聖女とか、懸念の事も多いしね。
そういや、人工聖女も名前がシルビアさんだな。
同名繋がりだが、やっぱり性格は違うだろうなあ。
少なくとも人工聖女は剣客ではあるまいよ。
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