第1282話 午後も勉強漬けなのだ
自然公園でパンランチを取り、また集会室へ戻って来ました。
カロルも錬金作業が終わったのか、教科書とノートを出して私の隣で勉強を始めたね。
マメちゃんがテーブルの上のペンにじゃれついて邪魔じゃ。
カロルがとろけるような顔で笑って抱きかかえてなでなでしていた。
ダルシーが煮こごりのお皿を出してきてマメちゃんはワシワシと食べる。
私はお勉強である。
カリカリカリカリ。
良い若い衆が二十人近くも集まって黙々と勉強しているのは妙な雰囲気であるな。
まあ、試験前だから仕方が無いのだけれど。
ジュリエットさんがエルザさんに解らない所を聞いている。
エルザさんはしっかりしていそうだしね。
難しい所になるとコリンナちゃんに振っていた。
コリンナちゃんはお勉強大魔神だからな。
頼りになる。
A組だとやっぱりエルマーだよなあ。
私とカロルは今回ガドラガ行きで穴が開いたのでアテにはならない。
カトレアさんとコイシちゃんはカーチス兄ちゃんに構うのに飽きて自分の勉強をし始めて、エルマーに疑問点を聞いたりしてるね。
やっぱり聖女派閥内で勉強を教えたり教わったりできるので良いね。
二年生もまとまって勉強をしている。
ヒルダさんが成績トップで、コリンヌさんが最下位だな。
オスカーがまあまあ、ライアンはコリンヌさん寄りだね。
この調子で二年生になる頃には、みんなでA組に行ければいいだんけどなあ。
お勉強が苦手な人も努力してA組に行こう、は良く無いのかなあ。
とはいえ、勉強出来なさそうでB組にいるのはカーチス兄ちゃんだけだしな。
コリンナちゃんは別格として、ジュリエットさんもお利口そうだしな。
問題はお洒落部か、運の良い事に剣術部コンビはA組だしね。
なんで、カトレアさんが勉強が出来るのか、超謎ですけれども。
どう考えても彼女は落第ギリギリで毎回「ひーん」と泣くタイプだろうに。
「ひーん、落第してしまうーっ」
二年生のできんぼ枠はコリンヌさんだけどな。
ライアンが慰めながら一緒に勉強をしている。
面倒見は良いね、ライアン。
マメちゃんがテーブルの上をとっとっとと走って行き、ヒルダさんの手元のキューちゃんにちょっかいを出した。
キューちゃんは嫌がって影に隠れた。
マメちゃんも影に半分潜って顔を出している。
ヒルダさんが笑ってマメちゃんの頭を撫でた。
「マメちゃんは癒やしですわあ」
「本当にほっこりしますわねえ」
メリッサさんがマメちゃんを捕まえてなでなでと撫でた。
マリリンも目を細めて撫でている。
カリカリカリカリ。
カリカリカリカリ。
休日を潰すと結構捗るな。
復習が半分ぐらい進んだぞ。
ふうと一息付くと、ダルシーとアンヌさん、ミーシャさんのメイド軍団が三時のお茶を持って入って来た。
お茶うけはひよこ堂クッキーである。
カリカリと美味い。
マメちゃんが戻ってきて私の膝の上でくつろいだ。
うい奴め、なでなでなで~。
お茶も美味しいな。
「四時頃上がってお風呂に行こうかな」
「そうね」
お、カロルも一緒か、いいぞいいぞ。
「ああ、勉強で日曜日がつぶれてしまったよ、お芝居に行きたかったなあ」
「試験が終わってからにしなさいよ、ロイドちゃん」
「テスト期間に行くのが背徳的で良いんじゃ無いか」
一人で行ってろよう。
「試験と武術大会が重なって大変ね」
「学生は武術も大事だが、勉強もまた大事だからな」
「真面目に勉強しておけば良いんだみょんよ」
ほんと、剣術組は見かけによらず勉強家だよなあ。
四時までカリカリと勉強をして、お風呂に入るために中断した。
続きは明日だな。
「みんなで勉強するのも楽しいわね」
「うん、試験頑張らないとね」
さて、女子は大部分がお風呂に行くようだ。
男子は少し残って勉強したり雑談したりするっぽい。
「じゃあ、カーチス、戸締まりお願いね」
「まかせとけ」
戸締まりをカーチス兄ちゃんに頼んで私たちは集会室を出た。
地下道を通って女子寮の地下大浴場へと向かおう。
武術場口から地下に下りて通路を歩く。
「聖女派閥だけ近道できるのはいいですわね」
「まあ、格納庫への通路だからね、一般公開は出来ないのだ」
図書館地下とかにも行けて地下道は色々と便利だけど、不特定多数に解放するとなんか物騒だからね。
閉鎖して特権的に使うのが良いのだ。
ふふふふ。
ぞろぞろと派閥員を引き連れて大浴場へと入る。
脱衣所で服をぱっぱと脱ぐぜ。
ヒルダさんはシャーリーさんにキューちゃんを渡して服を脱いだ。
やっぱり美人でスタイルが良いからいいよなあ。
浴室に入るとまあまあの入りであった。
夕方だからね。
かけ湯をして湯船に浸かる。
ああ、良いお湯だねえ。
カロルとコリンナちゃんもしずしずと浴槽に入ってきた。
大きいお風呂は良いよねえ。
お腹が空いたな、今日の晩餐は何だろうか。
楽しみだなあ。
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