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第1229話 お風呂の後に図書館で孤島探し

 カポーンと日課の大浴場で入浴である。

 やっぱお風呂は魂の洗濯だしね。


 夕方で空いていたので、マメちゃんも湯船で泳いでいる。

 メリッサさんとマリリンが楽しそうにかまっていて何より。


「蒼穹の覇者号で無人島ビーチだなんて胸がときめきますわ」

「どこかちょうど良い島を見つけませんと」

「食事も宿泊もできる飛空艇は素晴らしいですわあ」


 夏のバカンスにおしゃれ組の心は奪われまくっているようだなあ。

 私も楽しみだけど。

 孤児たちや、アダベル、トール王子、ティルダ王女も一緒だから大所帯になりそうだけどね。

 テントも持って行った方が良いかもね。


 暖まったので、浴槽を出て洗い場でダルシーに洗ってもらう。


「そうだ、ダルシーとアンヌさんの水着も作らないとね」

「い、いえ、お気遣いなく」

「だめよ、せっかくの海だからね」

「は、はい」


 ダルシーは意外にボインなのでパレオ付きビキニと行きますか、うしし。

 大人の女性だから問題は無いだろう。


 髪を洗われてうっとりする。

 ああ、やっぱり気持ちが良いなあ。


 髪をまとめて、再度湯船につかり、暖まってからマメちゃんを抱えて出た。

 脱衣所で一緒にダルシーにドライヤーで乾かしてもらう。


 ふう、さっぱりした。


 新しい下着と制服に着替えて大浴場を後にする。


 まだ、ちょっと晩餐まで時間があるな。

 図書館で孤島を探してみるか。


「どちらに行かれますの?」

「ん、図書館で孤島を探そうかと」

「まあ、ご一緒しますわ」

「そうですわそうですわ」


 おしゃれ組がバカンス計画に燃えているなあ。

 じゃあ、一緒に行こうか。


 我々は地下道を通って図書館地下を目指した。

 地下書庫かららせん階段を上がって一階へ、そして中央階段を上がって二階のカウンターに行く。


「お、マコトっち、どうしたい?」


 ルカっちが読んでいた本から目を離してこちらを見た。


「砂浜のある孤島を調べたいのだ」

「……、夏のバカンスか、そうか飛空艇があるからいけるのだな、ふむふむ、それは素敵だね。南岸のリシュエール諸島の地理書をあたりたまえ、大きい島、小さい島、沢山の島があるから、砂浜のある素敵な孤島もあるだろう。大きい島には村もあって漁業をやっているから、魚を手に入れる事ができるぞ」


 一言質問すると、たちどころに答えが出てくるな。

 さすがはルカっちだ。


「ありがとう、調べてみるよ」

「そうか、今年も夏が来るのだなあ」

「ルカっちはどこか行かないの」

「行かない、暑いから」


 まったく本の虫だなあ、こいつは。


 メリッサさん、マリリンと手分けをして、リシュエール諸島についての本を集めて検討した。

 マメちゃんも本にじゃれついている。

 これ、噛んではいかん。


「まあ、大小さまざまな五十もの島ですって」

「リゾート地として、大きな島にはホテルやコテージがありますわよ」

「孤島に勝手に停泊して良いのだろうか」


 とはいえ、ルカっちがお勧めするだけあって、ロマンチックで良い場所のようだ。

 ホテルがあるなら、ディナーを食べに行ってもいいなあ。

 挿絵を見ると、きれいな砂浜のビーチもあるっぽい。


 誰かの領地だったら、一言ことわって、王領だったらケビン王子とかにことわれば良いね。

 ええと、ハウエル子爵領か……。

 どっかで聞いたような家名だか。

 あれ、思い出せないな。


「新鮮なお魚市場とか、あるらしいですわ」

「素敵な場所ですわあ」


 地図を見てみると、アップルトンの南岸のちょっと行った所っぽい。

 王都からだと、三時間ぐらいかな。

 対岸は偽アフリカだなあ。


 魚釣り、焼き魚、楽しそうだなあ。


「ああ、水竜の目撃例もある、聖女としてマコトっちが懲らしめてくればいいよ」


 ルカっちがカウンターからそんな事を言った。

 げえ、竜が居るのか、やだなあ。

 これ以上竜の知り合いは増やしたく無いなあ。


「参考になったわ、ありがとうルカっち」

「気にすんな」


 ルカっちはいつものように無愛想に言って、本をめくった。


 良い時間なので、おしゃれ組と一緒にまた地下に潜って女子寮へと移動する。

 地下道があるから移動が楽で良いね。


「エイダさん、あのポンコツの戦艦はどこに沈んでるの?」

【マスタービアンカの情報では魔導駆逐戦艦ジャックポッドの想定沈船場所はアライドの北東の深海ですので、リシュエール諸島に現れる事は無いでしょう】


 北海にいるのか、あのポンコツは。

 なら安心だな。

 不安要素は水竜だけか。

 というか、アダベルは氷竜だから属性かぶって無いか?

 アダベルの子分ができるのかもしれないな。


 階段を上がって女子寮の一階まで上がる。

 上ったり下りたりで意外に疲れるな。


 エレベーターホールに行くと派閥員が集まっていた。

 ヒルダさんも居たぞ。


「あ、ヒルダさんお帰りなさい、どこに行ってたの」

「タウンハウスに水着の生地の見本を取りに行ってましたわ、食後にお見せしましょう」


 おお、陰謀で暗躍していたのではなくて、水着の生地の見本を取りに行ってくれてたのか。

 それはありがたい。

 食後に確認してみよう。

 楽しみ楽しみ。



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― 新着の感想 ―
[良い点] >これ以上竜の知り合いは増やしたくない なんかフラグっぽいなぁ(笑) とはいえ頭がイカれた野郎の激ヤバ戦艦との戦いが控えてますし、戦力になるなら竜でも何でも仲間にしときたいですよね。
[良い点] ルカっちのOPAC機能。 [一言] ハウエル子爵・・・第六章 遠足と武道大会 第1226話 剣豪女子シルビア・ハウエル のシルビアさんの親戚かな? 海鮮バーベキューとか障壁コテージとか。…
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