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第121話 放課後はリンダさんがやってくるぞ

 頭をなでられる感触で目を覚ました。

 ふわああ。

 お昼を食べて寝ていたようだ。

 目を開けると、カロルが上に見えた。


「そろそろ予鈴よ」


 ぬお、カロルに膝枕されていたようだ。

 良い匂い。

 体を反転させて、くんくんと太ももの匂いを嗅ぐ。


「やめてっ」


 ちえ、膝枕を外されてしまった。

 カロルのケチ~。


 ジェラルドが汚物を見る目で私を見ておる。

 うむむ。

 ちょっと照れくさい。


「さて、学園に戻ろうか」

「そうね」


「今日も……、魔術実験室で、父が……、まっているだろう」

「そうだねー、あー早く月曜日が来ないかなあ」


 錬金の授業を受けたいよ。


 みんなでぞろぞろと学園に戻る。

 しかし、聖女派閥の人間が増えたなあ。

 グループが十人ぐらいになると、三つぐらいに小集団に分かれるからなあ。

 最初の頃の密着具合とは変わってしまうのだ。

 昔が懐かしいぜって、まあ、一週間もたってないけどね。


 A組に戻り、それぞれの属性で教室移動していくクラスメートに手を振って、エルマーといっしょに魔術実験室へ。

 ジョンおじさんはニコニコしながら待っていた。


「こんにちわー、ジョンおじさんは魔法省で仕事は無いんですか?」

「こんにちは、マコトくん、仕事は机で山をなすほどあるね、でも、今は光魔法だよ」

「最近……、父さんの帰りが遅い……ので、母さんが……不機嫌」

「む、いかんね、お花でも贈ろうかね」

「それが……いい」


 エルマーのおうちも家族仲よさそうだよねえ。

 専門業種の貴族は平和でいいよな。


「そういえば、キャンベル家の死霊術ってどんなですか?」

「アレかい、うむむ」


 ジョンおじさんの顔が曇った。

 ふむ、ジュリエット嬢の実家の魔法は魔法省として歓迎してないのか。


「死霊術……は、土属性の……亜種……、アンデットや……、不死術を……研究」


 土属性は亜種多いなあ。

 重力と死霊かあ。

 火の方の亜種はなんだっけか、爆発と温度変化だったけかな。

 こんな風に、属性魔術でも亜種属性があったりするんだな。


「そうなんだ、死霊術とか研究して良いの?」

「教会から、毎年抗議が来るが、まあ、宿った属性は仕方が無いからね、滅ぼす訳にもいかないし」

「エイブラハム教授……は、……一代で……、死霊術を……打ち立てた。……偉大な……魔術師だ」

「ジュリエット嬢は死霊属性じゃないの?」

「彼女はなんだったかな、水だったような」


 本人は死霊術を使えないのか、ふむむ。

 まあ、対応は、ジュリエット嬢と会ってからだなあ。

 めんどうくさいなあ。


 さて、今日も光魔法を実験されるのであるよ。

 ヒールとか、ライトとか、キュアとか、障壁とかだね。


 六時間目終わりまできっちり実験されて結構疲れた。

 魔力的には半分も減ってないけどね。

 私は生まれつき魔力量が膨大だそうな。

 エクストラヒールをバンバン掛けても大丈夫だぜい。


 エルマーと一緒にA組に戻る。


 アンソニー先生がやってきてホームルームである。

 二年生が一週間居ないからといってあまり騒がないようにという通達であったよ。

 部活とかは直上の先輩がいなくなるので大分楽よね。


 ラクロス三勇士先輩も迷宮に行ってるのかな。

 怪我とかしないと良いなあ。


 起立して礼。


 放課後であるなー。


「カロルは錬金?」

「そうよ、マコトはどうするの?」

「やること無いなあ、部活でも探すかなあ」

「そうねえ、マコトは何が好きなの?」


 BL漫画だけど、当該部活は無いなあ。

 美術部もなあ。

 何かしたいのだけど、何もやりたいことが無い。

 うむむむ。


 かといって、校内を散歩するとまた何か事件が起こるかもだしなあ。


「まだ、わからないなあ」

「早くマコトの好きな事がわかるといいわね」


 まったくだ。

 BL漫画が読みたい書きたい。

 植物紙が早く安くならないかねえ。


 カロルが教室を出て行って、私も席を立つ。

 そして、リンダさんが入ってくる。


「こんにちは」

「大神殿にお帰り下さい」

「つれないですなあ。ビアンカさまの神殿の清掃が終わりましたよ」

「ああ、ありがとうございます、ではお疲れ様」

「一緒に見に行って、さらに隠し部屋を見せてくださいよ」

「どこでそれをー」

「ダルシーが報告しましたよ」

「しまった、口止めするの忘れた」


 ダルシーが現れた。


「もうしわけありません、報告してしまいました」

「もう、二度と大神殿に私の報告をしないように」

「はい」

「だめですよ、お給金払ってるのは大神殿ですよ」

「ちっ」


「それがビアンカさまの小太刀ですか?」

「そう、子狐丸」


 私は机の上に子狐丸を置いた。


「ほう、これは凄い刀ですね、抜いても」

「良いですよ」


 リンダさんがすらりと子狐丸を抜く。

 キラキラキラと光の粉が刃先を滑って立ち上る。


「これは凄い、光魔法専用の伝導体でもありますね」

「治療効果を高める機能もあるっぽい」

「素晴らしい、ビアンカ様が蓬莱の王に貰った大小の刀の内の小刀のようですね」

「太刀もあるの?」

「総本山にあったと思いますよ」


 おお、総本山に親狐丸があるのかあ。

 まあ、私は、体がちっちゃいから子狐丸が今のところジャストフィットだけどね。

 総本山に行く事があったら、見せてもらおうかな。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 作者さん、また投稿、誠にありがとうございます! カロルさんの膝枕!百合百合イチャイチャは素敵です〜 私個人はあまり仕事の月曜日が来て欲しくないですねw それにしても、乙女ゲーム背景のせいか…
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