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第1202話 一週間ぶりに授業を受ける

 アンソニー先生がやってきてホームルームが始まった。

 なんだか先生の顔も懐かしい。

 朝のお話は、二年生が学園に帰って来ていつも通りになりました、期末試験も近づいて来ますので油断しないように生活しましょう。

 であった。

 ありがたやありがたや。


 さて、午前の授業は国語、社会、魔物学、美術であった。

 ああ、一週間分のノートをエルマーに見せて貰わないとなあ。

 そんなには進んで無いだろうけれど。


 久しぶりの授業で身が入るというものだねえ。

 楽しい。


 休み時間の時にエルマーの元に行く。


「あ、お帰りマコト……」

「ただいま、派閥の男子は変わり無かった?」

「特にない……」


 そういや、二年の男子とカーチス兄ちゃんがガドラガ行ってると、派閥の男子はエルマーとボリス先輩だけか、変事が起こる人数ではなかったな。


「一週間分のノートを貸してくれるかな」

「良いとも……、今日のガドラガへの飛行も行きたい……」

「助かるよ、操縦してくれる?」

「任せておけ……」


 よしよし、エルマーは頼りになるな。

 久々に操縦士組で蒼穹の覇者号を飛ばそうか。


 一週間分のノートを借りた。

 植物紙なので軽くて良いね。


「エルマーのノート綺麗ね」

「写しやすくて助かるよ」


 カロルと一緒にノートを書き写した。

 解りやすいね。


 美術の時間が終わるとお昼休みである。

 今日はどうしようか、雨降りだからなあ。


「おーう、今日はどうするよ」


 カーチス兄ちゃんたちがどやどやとA組にやってきた。


「雨だからねえ、晴れていればひよこ堂だけど」

「私、ご主人様のご実家のパン屋さん行きたいですっ」


 何故に二年生のコリンヌさんがやってきておるのだ。


「ひよこ堂でパンを買って、集会室で食べましょうか」

「今日はクララのパンワゴンは?」

「今日は無かったみたいよ、黒板に書いてなかったし」


 しょうがないな、雨だけどひよこ堂行って帰ってくるか。


「楽しみですよっ、ご主人様っ」


 なんかコリンヌさんはぐいぐい来るな。


「僕たちも……」

「ケビン王子さまとジェラルドは木曜日なので、ビビアン様をご接待してくださいね」

「「ぐぬぬ」」


 王家主従は隙あらば聖女派閥に混ざりたがるのだからなあ。


 廊下を歩き、階段を下りて派閥員を参加させながら我らは歩く。

 外は雨だけど、頭上に障壁傘を作ってみんなで歩く。

 ああ、日常に帰ってきたなあ。


「わ、パン屋さんです、ひよこ堂です、噂だけは聞いてましたけど、ベロナさまとかは来ない人だったので憧れのお店だったのですっ」

「それはありがとうね」


 店頭のクリフ兄ちゃんがにっこり笑ってコリンヌさんに返した。


「イケメンの店員のお兄さんっ」

「実兄のクリフ兄ちゃんです」

「クリフですこんにちは」

「こここ、こんにちは、マコトさまのシモベのコリンヌです、幾久しくよろしくおねがいしますっ」


 コリンヌさんはテンションが変だよなあ。


「新しいマコトのお友達かな、よろしくね」

「はいですっ!」


 雨の日なのであまり混んでないね。

 ああ、久しぶりの実家の匂いだ。


「何買おう何買おう」

「マヨコーンだ、コリンヌさん……」

「マ、マヨコーンが美味しいですか、クレイトンのぼっちゃまっ」

「派閥員だからエルマーと呼んでいいよ……」

「エルマーさまっ、光栄でありますっ!」


 コリンヌさんは、エルマーに勧められるまま、マヨコーンと聖女パンを買った。


「まいどありっ」

「ははは、パン屋で買い物は初めてですよっ」

「そうなんだ、今後ともよろしくっ」

「はい、ご主人様のお父さんっ」


 あちこちでご主人様呼びをして、聞いた人を変な顔にさせるのはやめて欲しいのだが。


 私は、聖女パンと卵サンドを買った。

 カロルはクリームコロネと聖女パンであった。

 甘い物とは珍しいね。


 みんなそれぞれパンを買い込んだので、学園に戻る。

 雨の日は独特な匂いがして良いね。


 校門をくぐり、障壁回廊を延長して、校舎まで繋げる。


「便利ですわねえ」

「雨に濡れなくて済むのが素敵ですわ」


 一度校舎に入り、職員室前を通って裏口へ。

 裏口からは渡り廊下なので屋根がある。

 集会棟への道で、また障壁回廊を行く。


「ここが聖女派閥の集会室ですか!」

「そうよ、放課後暇な時は誰か居るわよ」

「それは楽しいですねっ」


 みなで集会室に入って席に着く。

 ダルシーとシャーリーさんがケトルを持って来てお茶を入れてくれた。


 コリンヌさんは部屋の隅のイーゼルに掛けてあったダルシーの絵の前で硬直している。


「この絵はどなたが? 凄い綺麗ですっ」

「マコトさまが私を描いてくださいました」

「えー、いいなあいいなあ、私も描いて欲しいですっ」

「みんな描いて欲しい……、から、順番……」

「わあ、待ち遠しいです~!」

「次は誰を描くの?」

「ん? アダベルと村の子供とトール王子とティルダ王女」

「大型の絵ね、楽しみだわ」


 カロルの絵は展覧会に出してるからなあ。

 結果が出るのは夏休み中かな。

 賞とかとれたら嬉しいなあ。


「ぎゃあ、なんですか、聖女パン、めっちゃ美味しいですよっ!」


 うーん、コリンヌさんは騒がしいなあ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 賑やかな子だw
[一言] 王家主従ブレないなぁーw
[良い点] 日常・・・ありがたや(-人-) [一言] コリンヌさん、ご家族に説明回は放課後かな?
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