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第1170話 グランデの滝を見に行く

 食事が終わり、まったりと休憩をしてから、再び移動する。

 赤道に入り、キメラの痕跡を探すけど、糞も足跡も見つからない。

 いやあ、思って居たより広くて複雑だわ、ガドラガ大玄洞。

 枝道や行き止まりの洞窟やら、隠れる所が一杯あるな。

 そりゃあ、ベルモントもレアキメラも見つけるのが大変な訳だ。


 ゲームだとこんなスケール感じゃなくて見下ろし2Dマップだったからなあ。

 ピコピコ歩いて魔物とエンカウントして倒す感じであった。

 リアルだと、なんだか異常なスケール感がある。

 一体型マップRPGのようだな。


 ベロナ先輩がフロッティに慣れて来たのか、動きが良くなってきた。

 聖剣だから切れ味が違うしね。

 パーティ全体での連携も良くなって来た。


 まだ、さほどの強敵は出ないので、カロルはチェーン君を展開してないし、私もダルシーを投入していない。

 聖女候補はヒューイにブレスを命令したり、ヒューイパンチを命令したりして動いている。


「赤道の深部に行ってる気がしやすね、どうしやすか、追います?」

「とりあえず、青道に戻ろうか、グランテの滝を見て、帰ろう」


 懐中時計を見ると、夕方近いね。

 グランテの滝を見ますか。


 我々は引き返して、橋状の岩を渡り返す。

 柵があって安全だな。

 障壁があれば、結構な難所も楽に行けるような気がする。


 ここは高台なので、眼下の道にランタンの火が揺れているのが遠くに見える。

 あそこの下には冒険者パーティが居るのだろうね。


 青道本道をたどって高度を下げていく。

 たまに宝箱もあるんだけど、大体は開けられているね。

 閉まっているのは大体ミミックだ。

 ベロナさんが叩き斬って、ダルシーが魔石を取り出す。


 良い感じだね。


「聖女さんが居るから明るくていいやね、ランタンだけだと、こう、どうにも暗くてねえ」

「照度が違いますものねえ」


 その替わり魔物が寄ってくるけどね。

 飛行敵なんかは灯りに引かれている奴も多々ある感じ。

 ヒルダさんが糸で落としてくれるが。


 洞窟に入って出て下へ下へと潜る。

 青道は道がややこしいね。


 五階分下がって、オークが釣りをしていた場所まで来た。

 巨大魚が怖いので、川沿いからは離れる。


「気をつけねと、道まで乗りだしてくる時が……」


 川から巨大な魚がグワーっと口を開けて跳ねてきた。

 なんという大きさかっ!!

 トラックぐらいあるぞっ!


 ガチャーン!!


 私がとっさに張った障壁にぶつかり、巨大魚は跳ね返り、びちびちしていた。


『カーチス!』

「おおよっ! ホウズ光臨!!」


 ホウズから光の刃が伸びて、若干大きくなった。

 カーチス兄ちゃんは雄々しく巨大魚に斬り掛かった。


 バシュ!!


 さすがに川岸でビチビチしている魚に避けるすべはなく、ホウズに腹を切り裂かれた。


 Gyoooooo!!


 カロルがチェーン君を展開、ヒューイも殴りかかった。


 いかん、でっかいので倒せないな。

 私は川岸に障壁を敷き詰め、さらに障壁を作り押した。

 重ーい!


「川に返すのか、倒そうぜっ」

「でかすぎて食べれないし、美味しくなさそう」

「それはそうだけど」


 チェーン君とオガ太郎が障壁を押して手伝ってくれた。


 ドッボーン!


 巨大魚は川に戻った。


「次来たら殺すかんなっ」


 びしゃっと水を跳ね上げ巨大魚は去っていった。

 ふう、コワイコワイ。


「いやあ、巨大魚に襲われて被害がなかったパーティは初めて見ましたぜ」

「あ、倒しておいた方が良かったかな」

「いえ、あいつら何匹もおりますんで。あと、倒してもあまりうま味がないんでさあ。肉も不味いですしなあ」


 なんという残念巨大魚なのか。


『マコトが我を使えば倒せた物を』

「たおしてもなあ」


 あの巨大魚の仲間はたまに川岸に跳んで冒険者を食べたり、川に戻れずに死んだりするらしい。

 馬鹿な魔物だなあ。


 ああ、びっくりした。


 気を取り直して本道を進むと木造の展望台があった。

 そこから縦穴をのぞき込むと、グランデの滝がどうどうと音を立てて底に向けて流れ落ちているのが見える。


「絶景だなあ」

「雄大ね、音も凄いわね」


 百クレイドぐらいの落差があって、激流は底に当たって、また川を成して洞窟の奥に消えて行く。


「凄いなあ、あの時も、僕たちはここを目指して降りて行ったんだよなあ」

「ボルヘとコリンヌにも、ここを見せたかったわ……」

「ああ、そうだなあ」


 ベロナ隊の三人は悲しそうな目をして滝を見つめていた。


「さて、戻りやしょう、集合時間に間に合いませんぜ」

「うん、帰ろう」


 ベロナ先輩は涙を拭った。


 帰りは障壁で階段を作った。

 光の透過率は半分ぐらい、ざらざらを作って滑りにくくした。

 適当に踊り場を作って折り返して昇って行く感じ。

 柵と手すりも付けておこう。


「なんとまあ」

「マコトと一緒だと楽だわね」

「助かります、領袖」


 本当はヒューイを飛ばせればすぐに五階まで行けるのだが、他の人を放って行くわけにはいかないし。


 惨劇のあった川岸まで上り、障壁橋を渡って滑落した崖へ取り付いた。


「階段を作ると時間が節約できまさあなあ」

「迷わなくて良いしね」


 滑落の崖にも階段を作って中の迷路を通らずに済んだら、十五分ぐらいで五階へと戻れた。


 楽々である。

 障壁の魔法はチートであるなあ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ヒカソラ、割と低予算ゲームだった雰囲気ちょくちょく出てるよね
[良い点] 聖女の障壁階段。 ますます職人技に磨きがかかるマコトちゃん。 エルマーくんが喜びそう。 グランデの滝・・・(-人-) [一言] カーチス兄ちゃんにホウズで腹を割かれた巨大魔魚。 手負のま…
[一言] 障壁魔法・・・チートぞなもし。 これ、今後魔力が増したら前後に障壁作って押しつぶせるようになるんじゃ? 透明な障壁だけに実にスプラッタァな光景になりそうですけどね。
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