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第1153話 午後はカロルと一緒に食糧調達

「なんかまあまあだったね」

「無難な味だったわ」

「あそこがガドラガでは良い方なのかしら」

「まあまあだったあ」


 まあまあ食堂を後にして私たちは、まあまあを連発しながらガドラガの街を歩く。


「でも冒険者の街らしく庶民的でごみごみしてますわね」

「山の上だから、あまり贅沢品は上がってこないみたい、金持ちになったら王都に移住しちゃうらしいし」

「出稼ぎの街のような感じなのですわねえ」


 迷宮の門前街ができるぐらい流行っているとも言えるね。

 普通の迷宮に街は出来ないから。

 平地に大迷宮があると都市まで発展するらしいんだけど、山の上は色々と条件が厳しいらしい。


「そろそろ『跳躍』できるよ、グレーテ」

「帰りましょうか、きっと凄く怒られるわ」

「やだなあ」

「あんまり行方不明になると、暗殺を疑われて武力衝突が起きかねないよ」

「まずいですわっ」

「帰ろう帰ろう」


 私たちはアーケードを歩いて駐機場に向かった。

 ヒューイはとことことメインストリートを付いてくる。

 カロルはマメちゃんを抱いてモフモフしながら歩いている。


「『跳躍』は広い場所が要るの?」

「いらないよ、その場で跳べるよう」

「便利ね」

「往復できるぐらい魔力消費が減れば良いんだけど、まだ慣れないからね~」


 あちこちワープ出来ると便利だなあ。

 運び屋ペペロンになれるよ。


 ペペロンは広い場所に出て竜に変わった。

 いつ見てもスマートで綺麗な竜だなあ。

 鱗が黒曜石みたいにピカピカしている。

 グレーテがよっこいしょとペペロンの背中に乗った。


「とても楽しゅうございましたわ、聖女様、今度は王都にまいりますわ」

「いつでもおいで、泊まる所は女子寮があるし」

「また女子寮でイルダさんのお料理を食べたいですわね」

『私も食べたい~』

「ペペロンはもう少しテーブルマナーを覚えてからですわ」

『マナー難しいよう』


 私たちは笑った。


「じゃあ、またね」

「良い旅を、お二人とも」

「ありがとうございます、聖女様、オルブライト様」

『また来るよ~、じゃあねえ~』


 そう言うとペペロンは羽ばたいて宙に飛び、一瞬で姿を消した。


「凄いね『跳躍』、アダベルもできるようになるのかな」

「アダベルが出来るようになると、便利だね」


 アダベル超特急だ。

 夢がひろがりんぐ。


「カロル、午後はどうするの?」

「商会支店に行ってもいいんだけど、マコトは何か計画があるの」


 私たちは蒼穹の覇者号へと歩いた。

 

「いやあ、カロルと一緒にガドラガを楽しもうと思って、昨日うろうろしたんだけど、あんまり名所とか無いのよね、ここ」

「あら、ありがとう。そうね、ガドラガの名所は迷宮の中が多いわね」

「迷宮温泉に行きたいけど、深度的に一泊掛かるらしいし、敵が強くなるらしいわね」

「迷宮の奥の温泉は惹かれるわね」


 ヒューイは勝手にとことこ後部ハッチの方に歩き、これまた何も言わないのにエイダさんがハッチを開いたので、中に入った。

 手間いらずだな。

 と、思ったら、ダルシーが走りよって鞍を外してあげていた。


 私たちはタラップを上がって船内に入った。

 何となく、メイン操縦室に入り、艇長席、副艇長席に座り、船長帽をかぶる。


「食糧が無くなってきたから調達に行きましょうか」

「そうね、そろそろ無くなるかな、アンヌ?」


 アンヌさんが姿を現した。


「お肉はあと一食分、牛乳と野菜類はあまり使ってませんのでまだ余裕があります。パンも心許ないですね」


 パンとお肉を買いに行こうか。


「麓の村に行く?」

「歩荷の食品を品薄にするのは心苦しいわね、マルコアス修道院の近所の町に行きましょうか」

「晩は修道院でご馳走になるのはどうかしら」

「そうね、向こうのご都合を確かめますか」


 せっかくだからベルモント捕まえ隊の人達も一緒につれて行こうかな。


 私はオガ太郎にパスをつないだ。


(オガ太郎、首尾はどう?)

《これは聖女さま、ベルモントはまだ捕まえておりませぬ》


 オガ太郎の視界では、ジャンが炎の魔剣で樹の魔物をばっさばっさと切り倒していた。

 やっぱ強いなミスリル冒険者。


(みんなに、晩ご飯はマルコアス修道院で取らないかって提案してるってつたえて)

《わかりました。「聖女さまがマルコアス修道院で晩ご飯を取らないかと提案なされております」》

『うおおお、それは美味そうだ、行こう行こう』


 カーチス兄ちゃんが吠えた。

 うむ、奴はガドラガと飛空艇のまあまあご飯でストレスが溜まっていたな。


『参りますと伝えてくれ、オガ太郎』


 リンダさんも微笑んで言った。


《皆さん乗り気です》

(解ったわ、夕方になったら蒼穹の覇者号まで来てね)

《伝えておきます》


 私はパスを外した。


「リンダさんたち来るって」

「……テイムって便利ね」

「オガ太郎とのパスは太いからね、あとペペロンも竜種だから太いので、ジーンまで念話が届くわよ」

「聖女って凄い存在よね」


 そういやそうだな。

 ドラゴンで連絡網作れば世界中通信し放題だな。

 ドラゴンネットだ。


 さて、食糧調達に飛びますか。


「エイダさん、離陸します」

【了解しました、蒼穹の覇者号、離陸シーケンスを開始します】


 蒼穹の覇者号テイクオフだ。


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― 新着の感想 ―
[良い点] どこにベルモントの関係者がいるかわからないし、一旦、外で作戦会議も必要ですね。 あと、気分転換と美味しいごはん。 [一言] パスの太さはテイムされた側のレベルの高さも関係する?と・・・めも…
[一言] オガ太郎とばかり念話するのは格が一番高くてパスが太いからか。ドラゴンをテイムして各地に守護竜として貸し出すシステムを構築するためにドラゴン狩ってこないとなあ。
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