表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1121/1530

第1118話 司祭が逃げたので後始末

 オガ太郎の火傷をハイヒールで治してやった。


「主よ感謝いたします」

「気にしない気にしない」


 ベルモント司祭は横穴に入って逃げてしまった。

 サーチで奧を探ったが、どうやらガドラガ大玄洞に繋がっているらしい。


「迷宮に逃げられましたね、捜索しますか?」

「迷宮内は危険だから、一度ガドラガ教会を制圧してからにしましょう。横穴は塞いでおいて」

「了解しましたマコトさま」


 ヒルダさんが何かを培養槽の奧から引っ張って来た。

 眼には見えないけど、糸で拘束しているっぽい。


「離せっ、離せいっ!」

「領袖、この者が実験施設に隠れておりました」


 メガネを掛けたゴブリンのオヤジだな。


「何者なの?」

「ははは、聞いて驚け、魔王軍の元開発本部長パットミル博士だっ、人間どもめっ!」

「知らない、というか、ゴブリンなのに博士なの?」

「そうだ、貴様、ワシのカワイイデスワーム十五号をよくも殺しおったなっ!!」

「魔物の改造博士?」

「そうじゃ、魔王軍の魔物改造の第一人者じゃっ、今すぐ離せっ」

「魔王軍がガドラガで何をやってたの? 侵攻準備?」

「い、いや、その、別に」


 パットミル博士は汗をかいてそっぽを向きおった。


「まあ、いいや、リンダさん、お持ち帰りして尋問して」

「はっ、拷問しますっ」


 うーん言葉が通じて無い気がするが。


 パットミル博士を連行して一階にあがった。

 聖騎士団が右往左往しているから、教会は制圧できたようだね。


 教皇様が一階で自ら陣頭指揮をとられていた。


「おお、聖女マコト、どうでしたかベルモント司祭は」

「地下にガドラガ大玄洞に繋がるトンネルがあって逃げられました。教会の制圧が終わって、一晩明けたら聖騎士団で捜索をお願いします」

「すぐにやったほうが良いのではないですか?」

「教会の制圧を先にしませんと、まだ良いポーションが入って無いので、怪我をした冒険者をすぐ治療できなくなります」

「それもそうですね、その魔物は?」

「魔王軍の研究者のようです、地下でガドラガ産の魔物を改造していました」

「くそ、怨敵教皇か! ハイオーガー四号! 今すぐ暴れ教皇を聖女を殺せいっ!!」


 パットミル博士はオガ太郎に命令を下した。

 オガ太郎はお前は何を言っているんだという眼で博士を見た。


「俺が忠誠を誓うのは聖女さま只一人だ、お前は何を言っているんだ」

「ぐううっ!! 聖女も魔王様と同じ【支配】を持つのかっ!! はっ!! 聖女、貴様、このワシの卓抜な頭脳を狙って【支配】するつもりではあるまいなっ!!」

「え、やだ」


 あ、博士はなんか傷ついたような、ほっとしたような、複雑な顔をしおった。

 しかしメガネ爺ゴブリンをテイムしてもなあ。


 そこへゴブ蔵とカマ吉がやってきた。


「わが主よ、何か御用はございませぬか」


 そういや、この二人を連れて行けば良かったな。

 わすれていたよ。


「きっさまーっ!! 誇り高きゴブリン一族だというのに敵に屈するとは、何事だっ!!」


 博士がゴブ蔵を見てカンカンに怒りだした。


「何を言っているのですか、私は聖女さまのシモベとして永遠の忠誠を誓っているのですよ」

「それは聖女の【支配】の能力だ、貴様は騙されているっ、氏族の誇りは無いのかっ!」

「ああ、私はガドラガ産なので、ゴブリン一族の誇りとかは知らないですよ」

「なんとっ!! 迷宮の複製体かっ!! くそ、どいつもこいつもっ!」

「あんたも迷宮産の魔物を支配しようと研究してたんじゃないの?」

「そうじゃ、複製体を動員できれば魔王軍の戦力は倍増するからのう、深い所にはドラゴンまでおる、なんとか出来ぬかと研究中じゃったのだ」


 ……、この爺、研究者だから口が軽いな。


「あんたは魔王さまの【支配】下に無いの?」

「バカモン! 魔王様が【支配】なさるのは選ばれた優れた魔族だけじゃ、だが、迷宮産の魔物をコントロールするすべさえワシが開発すれば、魔王様もワシに……、いや、じゃが、寝ておられるしのう……」

「寝てる?」

「ああ、魔国の権力闘争に巻き込まれ毒を受けて何年も寝ておる、治療法を今懸命にさがして……」

「「「「ほうほう」」」」

「……、と、という嘘八百を並べ立てて、お前ら人類を混乱させてやろうと思ったのじゃ、どうだ、信じたか愚か者どもめっ!!」

「「「「ほうほう」」」」

「ぎゃーっ!! ウソじゃと言っておろうっ!! なんだその生温かい眼はっ!!」


 パットミル博士は逆上して暴れ出した。

 が、そんな事で緩むヒルダさんの糸では無かった。


「この爺から魔国の情報が沢山引き出せそうですね、マコト様」

「連れて行って尋問してね、尋問。拷問禁止」

「ちっ」


 舌打ちしたな今。


「マコト、こいつをテイムしちまえば話は早いんじゃないか?」

「は?」

「いや、このゴブリンをテイムしちゃえば」

「何言ってんだ、カーチス。暴れる魔族とか、瓶の中に入ってる魔族だったらテイムできるけど、人格を持っている存在をテイムするのは洗脳だぞ」

「え? えーと、ま、不味いのか?」

「自由意志を持ってる魔族をテイムしたく無いよ、非常識だぞ、カーチス」

「え、え? なんか違うの?」

「大違いだ」


 まったくカーチスは解って無いな。

 ゴブ蔵とかは襲いかかってきたからテイムしたし、オガ太郎も瓶の中だったからテイムしたけど、べらべら喋る爺さんゴブリンはテイムできねえぞ。

 それは洗脳というもんだ。


 回りの反応を見ると、全員の顔に「なんで?」という表情が浮かんでいた。

 なんででもだよっ、もう、中世の人は野蛮で嫌だなっ!!

よろしかったら、ブックマークとか、感想とか、レビューとかをいただけたら嬉しいです。

また、下の[☆☆☆☆☆]で評価していただくと励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] でも、この人アダベルを……
[一言] 魔王の話題来たか。これは完全に対魔族編に突入するのか。そして癒せぬ毒は訪問フラグか、拉致フラグなのか。ポッテンジャー、絡んでこれますかね?
[良い点] 脳筋リンダさんすき
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ