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第1087話 学園に帰って暇になる

 エルマーの操縦する蒼穹の覇者号で学園に戻ってきたぞ。

 雨空の中、正確に発着台に下りて行き接地ギリギリで微速後退して格納庫に入れていく。

 なんとか、昼休み中には戻ってこれたな。

 まあ、これから各属性の教室に行くと、ちょっと遅刻だが、それくらいは大丈夫だろう。

 私は関係無いし。


【蒼穹の覇者号、タッチダウン】

「ふう……」

「エルマーお疲れ様」

「久しぶりにやると……、緊張する……」

「それにしては上手かったよ」

「うん、上手かったわ、エルマー」

「わんわんっ」


 マメちゃんにも褒められてエルマーはにっこり笑って彼の背中をモシャモシャと撫でた。


 皆が足早にメイン操縦室から移動していく。

 私は船長帽を椅子に引っかけて飛び降りた。

 マメちゃんが足にじゃれついて歩きにくい。


「わんわんっ」

「これこれ、マメちゃん」


 私はマメちゃんを抱き上げた。

 トットットと早い心臓の鼓動が聞こえて暖かい。

 

「じゃ、私も行くね、マコト」

「ほい、行ってらっしゃいカロル」

「また後でなー」


 カロルとコリンナちゃんが連れだってタラップを下りて行く。

 私は集会室で絵でも描くかな。

 武術倉庫口から行った方が近いな。


 図書館方向へと移動するみんなと別れて、マメちゃんを抱いて武術倉庫口へと向かう。


 武術倉庫から外を見ると雨が本降りだなあ。

 ここにも障壁回廊を作ろう、そうしよう。

 えいや。


 よし出来た。

 図書館の渡り廊下まで続く回廊だ。

 地面が濡れているのでマメちゃんを抱いたまま歩く。

 回廊を雨が叩く音がなんだか心地良いね。


 図書館の渡り廊下から集会棟までは回廊を張ってあるからそこを通っていく。

 キーンコーンカンコーンと始業の鐘がなる。

 みんなちゃんと属性教室に着けたかな。


 鍵を開けて集会室に入る。

 ちょっと椅子に座って一休み。

 ふう、農業試験場のランチは美味しかったけど量が多かったぜ。

 しばらくするとダルシーがケトルを持って入って来てお茶を入れてくれた。

 ありがとうありがとう。


 ああ、しまったな、キャンバスが無いから新しい絵が描けないな。

 標準の大きさのがあるから、誰か描こうか。

 アダベルか、メリッサさんか、コイシちゃんか、コリンナちゃんか。


「わんわんっ」

「おお、そうだ、マメちゃん、君を描こう、君はすぐ大きくなるからね、記念にめんこい所を残しておかねば」


 マメちゃんをうろうろさせて、めんこい所をノートにスケッチする。

 うっは、マメちゃんは可愛いな。

 四、五枚描いて一番元気で可愛いポーズを選んだ。

 これだよなあ。


 イーゼルにキャンバスを乗せて、木炭で描く描く描く。

 おお、モノクロなのにめんこい。

 なんという良いモデルなんだ。


「いいねえいいねえ」

「良いですね」


 いつの間にかダルシーが出て来ていて、絵をのぞき込んでいた。


「いいでしょー」

「はい、可愛いです」


 ダルシーはそう言うとダルシー特製の肉の煮こごりをお皿に入れてマメちゃんに出した。


「わおおんっ」


 マメちゃんはまっしぐらに肉の煮こごりにかぶりつき、わふわふと食べていた。

 一生懸命食べてる姿は可愛いなあ。


 私はパレットに豚の膀胱から絵の具を出して、色を作る。

 マメちゃんは影犬だから黒っぽいんだけど、濃淡があるんだよな。

 背景は、そうだね、今の時期の野外が良いかな。

 新緑の野外で跳ね回っているマメちゃんだ。


 ペタペタペタ。

 うんうん、躍動感躍動感。

 ペタペタペタ。

 こう、萌え上がるような春。

 うんうん。


 短い尻尾が可愛い感じ。

 こちらを見て笑ってる感じ。

 可愛いね可愛いね。


 夢中になって書いていたら予鈴が鳴った。

 おお、もうそんな時間か。

 描きかけの絵をイーゼルに立てかけて、私はスモックを脱いで立ち上がる。


「わんわんっ」


 マメちゃんが私の影に飛びこんだ。

 さて、A組に戻ろう。


 集会室を施錠して、回廊を繋いで校舎へと歩く。

 やっぱ濡れないのは良いね。

 将来的に渡り廊下で全部繋ぐと便利なのになあ。


 アンソニー先生が来る前にA組に入れた。

 カロルも戻って来た。


「マメちゃんは?」

「あ、寝てしまった」


 ご飯をいっぱい食べたからね。


「それは残念ね」


 アンソニー先生が来て、起立、礼、着席。

 しばらく雨が続くので体調に気を付けて過ごすようにとの事。

 気圧が低いと不調の人もいるかもなあ。


 起立、礼、着席で放課後である。

 んー、解放感。


 とはいえ、雨だしな。


「明日からガドラガね」

「そうね、楽しみだわ」


 カロルと一週間二人きりかあ。

 うっしっし。

 まあ、ダルシーもアンヌさんもいるし。

 カマ吉とゴブ蔵とヒューイとマメちゃんもいるがな。

 考えたら意外に大所帯だな。

 Hな事をしたらテイムしている従魔にばれそうである。

 うむむ。


「錬金の作り置きは終わった?」

「だいたい終わったわ。入浴剤を作っていかない?」

「ああ、新しいのを作って集会室の金庫に入れておきましょうか」


 無くなったら可哀想だしね。


「じゃあ作りましょう」

「わかった」


 カロルの錬金室に行くことになった。


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― 新着の感想 ―
[一言] マメちゃんの絵。 ガドラガから帰ってきたら成長を比較出来そう(*'▽'*) 命の危機があると子孫を残そう的なアレが強くなりますが そうゆう切羽詰まった即物的なのでなく、ムード作って ロンマ…
[一言] Hなことをしてもマメちゃんは気にしないっていってますよ(適当) だからするんだ! 抱けっ!抱けぇー!(その目は濁っていた
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