第1071話 火曜日は激しく雨模様
「わんわんっ」
ベッドの中でマメちゃんが暴れまくって起こしてくれる。
ふわあああ。
ありゃ、雨音。
ベッドのカーテンを開けると雨が降っていた。
結構本降りだな。
「おっしゃーっ」
下のベッドでコリンナ二等兵がガッツポーズを取っていた。
くそう。
ハシゴを降りて、洗顔したり、用足しをしたりした。
マメちゃんは私にじゃれついたり、コリンナちゃんに飛びついたりして暴れていた。
子犬だから運動量が半端ないなあ。
「子犬は大暴れだな」
「小さいのは暴れるのが仕事だ」
ダルシーがやってきて、私たちにお茶を入れてくれた。
マメちゃんにもダルシースペシャル肉煮こごりをあげている。
わっしわっし食べるね。
おトイレは影に入って外に出てやってくれるので楽でいいね。
「今日の予定は?」
「食糧の買い付けと、リンダさんに告げ口に行く」
「そうか、頑張れ、私は主に勉強だ」
コリンナちゃんの日常の変化の無さよ。
カロルもあんまり変化無いけどね。
時間になったので鞄を持って廊下に出る。
「マメちゃん、影にお入り」
「わんわんっ」
マメちゃんを影に入れて施錠して階段を下りた。
エレベーターホールでは派閥のみんなが待っていた。
挨拶を交わして食堂に入る。
今日は甘々ポリッジを食べるかな。
みんなでテーブルに付いて朝ご飯である。
甘々ポリッジは甘々だ。
食べおわったので登校である。
玄関から見ると雨は本降りだなあ。
「障壁かけるから、みんな一塊になって」
「え、私たちも、いいんですか?」
「いーよいーよ、ついでだし」
「ありがとうございますっ」
アップルトンには傘をさす文化がないから、濡れ鼠になっちゃうんだよね。
さすがに体に悪いので、大きい障壁を頭の上に張る。
……。
そういや、障壁には時間制限とか無いんだから、通路みたいにして張ろうか。
ささーっと、渡り廊下みたいに障壁を張った。
校舎まで濡れないで行けるぜ。
「「「わあああっ!」」」
濡れないで校舎まで行けるので、大変好評であった。
しばらく置いとくかな。
「いいわね、マコト、ガラスの回廊みたいよ」
「ロマンチックですわあ」
うひひ、なんだか幻想的な雰囲気になったな。
濡れずに校舎まで渡っていく。
玄関に入ると、みんなが拍手してくれた。
そんな大げさな。
ジェラルドが玄関から顔を出して回廊を見ていた。
「あれは、女子寮から続くのか」
「そうだよ、雨に濡れなくて大好評だ」
ジェラルドの制服の肩は濡れていないな。
こいつはケビン王子と共に王宮から馬車通学だからな。
雨に当たる場所も無いのか。
「男子寮の方にも作れないか?」
「作っても良いけど、雨上がりに消すの?」
「そうか、ずっとあるのか」
「というか、渡り廊下作れよう」
「馬車などの通行がな、奧には厩舎があるし」
まあ、今日はちょっと本降りなので、男子寮まで伸ばしてもいいな。
ジェラルドと一緒に障壁を張って行って男子寮まで着いた。
玄関じゃなくて、通用口に繋げれば短かったんじゃないか?
まあ良いけど。
男子寮前では雨が弱くなるまで待っている生徒がいて、私たちが障壁を張りながら近づくと歓声が上がった。
「おう、マコト助かった」
「障壁の……、回廊……、綺麗だな……」
カーチス兄ちゃんとエルマーが居た。
「まあ、今日だけな」
「今日は降りが強いからな」
「助かる……」
男衆と歩いて玄関まで戻る。
玄関に入るとさらに大きな拍手が起こった。
大した事はしてないちゅーのっ。
「この回廊はずっとあるのか?」
「私が解除しないかぎりあるよ」
「梅雨の間だけでも設置しておくか」
「学園長と協議しなさいよ」
「それもそうだ、ありがとうキンボール」
「「「「聖女さまありがとうっ」」」」
うるさいっ。
褒め讃えるんじゃあないっ。
頬が緩むだろっ。
さて、A組に向かおう。
机に付いて、マメちゃんを遊ばせていたら、カロルやら、カトレアさんやら、コイシちゃんやら、エルマーやら、ケビン王子やら、ジェラルドやらが集まって大変うっとおしい。
「マメちゃんは今日も可愛いなあ」
「そうですな、王子」
真面目な顔でマメちゃんへのレビューすんなジェラルドめ。
外の雨脚は強くなっているな。
梅雨に入ったかなあ。
火曜日の午前中は、 歴史、国語、数学、魔術理論である。
意外と好きな科目が多い曜日だね。
諸君、私は歴史が好きだ、あと国語も好きだ。
数学はまあまあだ、魔術理論は好きだ。
するするっと、午前の授業は完了。
しかし、雨が強いなあ。
「あんたたちはビビアン様とご会食しなさいよね」
「お、覚えていたか」
「くそう、キンボールめ」
王家主従は肩を落として教室を出て行った。
ちゃんと接待しなさいよね。
カーチス兄ちゃんを筆頭にB組の派閥員がA組にやってきた。
「雨止まないな」
「外に出れないね」
「今日はクララのパンワゴン有ったかな?」
「どうだろう」
ダルシーが出て来た。
「本日はパンワゴン出ております、マコト様の回廊の中で販売中です」
そしてぺこりと頭を下げて消えていった。
「パンワゴンでパンを買って、集会室で食べるか?」
「そうするかなあ」
パンワゴン用に屋根を拡張してあげても良いしね。
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