表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1061/1529

第1058話 意外に早く終わったので皇都に向かって飛行する

 私らは影空間の中を上昇して、洞窟の入り口に落ちた。


「くそー、私の目的がー」


 まだ影犬をゲットしてないじゃんよ。

 これからまた潜ろうって言っても駄目だよなあ。

 ヒルダさんはキューちゃんに夢中だし。

 ペペロンは居るし。


「わんわんっ」


 おろ?

 私の影から超めんこい黒い豆柴が現れて吠えた。


「あ、おかあさんからのご褒美っぽい」


 ふわああ、可愛いなあ、可愛いなあ。


「うちの子になる?」

「わんわんっ」


 そうかそうか。

 私は豆柴の頭に手を置いた。

 パスを繋いで。


「君の名前はマメちゃんだっ!!」

「わわわんっ!!」


 命名すると、マメちゃんは一回り大きくなり、さらにめんこくなった。

 うひー、可愛い。


《マメ、よろしく》

「わんわんっ!」


 ヒューイの挨拶にマメちゃんは元気に挨拶をした。


「子犬ですね、足が大きいから大きくなりそうです」

「中型犬だけど、可愛いからいいや」


 ペスとジョンとポチが寄ってきてマメに挨拶をした。

 そうかそうか、末っ子になるんだな。

 今は小さいけど、大きくなったら色々と便利に使えそうだな。

 メリッサさんとかの護衛にもなるぞ。


 結局みんなの狩りの結果は、大体影獣を捕まえた感じだ。

 兵隊さんが二人、当たらなかった人がいるけど、なんか今度来て再戦するとの事。

 県軍に影犬ブームが起こりそうだな。


「私はショーミーが居るから満足だ。おー、よちよち」

「にゃーん」


「狩りは大成功ですね。帰りましょうか」

「まだ時間があるから、ペペロンをジーン皇国の宮廷に頼んでくるよ」

「もうですか?」

「あれ、聖女さまが人間界を案内してくれるんじゃないの?」

「こういうもんはなあ、いきなり現場に飛びこんで、体当たりで覚えていくものなのよ」

「そうなんだっ、がんばるよっ」

「まあ、テイム入ってるから、何かあったら念話で連絡してきなさいよ」


 テイムの念話、距離はどんなもんかな。

 影犬たちはサーチの最大範囲だったけど、竜のパス太いからな。

 長距離でも行けそうなんだが。

 アダベルのパスらしい物で試したいが、まあ、やめておこう。

 現実を直視したくない。


「ぬ、皇宮に行くのか」

「ギュンターも来るか。ペペロンをディーマーに紹介して、気に入るようだったら世話を頼むんだ」

「ペペロン姫の世話は是非、この私に」

「駄目だ、あんたに任せると、皇国で内戦始まっちゃうし。あんたも後ろ盾無くなったんだから、皇帝とか夢を見なさんな。大人しくしてないと暗殺されるよ」

「い、いや、だが、私はずっと皇帝になるように育てられていて」

「それで大変な目に遭ったのが皇弟さんだろ、ああいう風に変に政治力があると、大変だよ」

「私に皇帝を諦めろと……、いうのか」

「皇帝になっても良い事なんかねえだろっ、誰かに吹き込まれた嘘で夢みてんじゃねえよっ!! ディーマーを支えてれば、ほどほどに良い事もあるだろうよ、それじゃ駄目なのかい?」


 ギュンターはしょんぼりしてしまった。

 腕の中のショーミーがナーオと鳴いてギュンターの頬を舐めた。

 まあ、ずっと子供の頃から皇帝になれと育てられたんだから、なかなか諦めも付かないだろうな。

 だけど、あんまり有能さを出すと、野望を持つ貴族に神輿として担ぎ上げられかねないからな。

 こいつも色々大変だが、まあ、聖女の知った事では無い。

 自分で悩め、だ。


「では、私も皇都へ行こう、隊長たちは県都に戻れ」

「いえ、護衛として、私だけでも」

「そうか、うむ、では隊長だけ残れ、あとの者は県都へ」

「「「「「はっ!」」」」」


 兵隊さんは気合いをいれて敬礼したが、懐から影犬たちが出てたりでしまらないな。


「そういや、マヌエルには影獣当たらなかったな」

「まあ、騎獣は居なかったようだからしょうがない」


 影の馬とかは居ないっぽいね。

 森系の動物が多いのかな。

 騎獣は草原系が多いしね。


 森の道を通って蒼穹の覇者号まで歩く。

 私の後をマメちゃんがちょこちょこ歩くのが可愛いな。

 ヒューイがマメちゃんをくわえて鞍の上に乗せた。


「わんわんっ」


 マメちゃん、嬉しそうだなあ。


 ペペロンはヒューイを撫でてみたり、あちこちをキョロキョロしたりしていた。


「あまり外にでなかったの?」

「そう、ずっと洞窟の中だったよ。外は綺麗だねー」


 ペペロンはにっこり微笑んだ。


 蒼穹の覇者号に着いた。


 私がマメちゃんを抱えてタラップを上がると、ヒューイがふわりと飛んで甲板に上がった。

 ギュンターと隊長さんも船に入って来た。


「な、なんと豪華な内装か」

「これは凄いですねえ」

「まあ、すぐ着くから後ろのベンチで座ってなよ」

「わ、解った」

「ほわー、機械が一杯、いじっていい?」

「だめよ、ペペロンも後ろで大人しくしていてね」

「わかったー」


 ペペロンはアダベルよりも少しお姉さんっぽいな。

 おとなしめで助かる。


 私は艇長席によじ登り、船長帽をかぶった。


 クヌートとマヌエルがマメちゃんを撫でている。

 ヒルダさんはキューちゃんを抱いてうっとりしているな。


「さて、目標ジーン皇国皇宮、蒼穹の覇者号離陸します」

【了解しました、蒼穹の覇者号離陸シーケンスに入ります】


 私は出力レバーを押し上げた。



よろしかったら、ブックマークとか、感想とか、レビューとかをいただけたら嬉しいです。

また、下の[☆☆☆☆☆]で評価していただくと励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] マコト影犬貰えてよかったじゃん! まめしばー。 [一言] ギュンター君は皇帝って者が何なのかよく考えてみたほうがいいかなあ。周囲の教育のせいもあるし、子供の頃にありがちな「僕、王様になりた…
[良い点] > 私の影から超めんこい黒い豆柴が現れて吠えた。 よかったねマコト♪
[良い点] 黒豆柴・・・可愛いよ、マメちゃん。 よかったねマコトちゃん。 [一言] ディーマー皇子とグレーテ王女は自らの竜人の血と竜人に親しみを覚えるタイプだし、ペペロン姫と相性が良いといいね。 ※…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ