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第1038話 アダベルと別れて王都に帰還する

「アダベルあんたはこれからどうするの」

「ジャーキーを持ってホルボス村に行って夕方までトールとティルダと遊ぶ。ちょっと遅くなった」

「これからだと顔を見るぐらいね」

「しっぱいした、マコトが来るから」


 私のせいかよ。


「早めに帰ってらっしゃいね」

「わかった、みんな行くぞ」

「「「「「はーい」」」」」


 アダベルは変化して籠を背負った。

 ダシャ婆ちゃんは目を細めてそれを見ていた。

 子供達が籠に乗り込んで手を振る。

 アダベルも手を振って空に飛び上がる。


「それじゃ、お婆ちゃん、またくるからね」

「はい、いつでも来てくださいね。若旦那も、番頭さんも」

「必ず良いようにしますから吉報を待っていてくださいね」

「来週中には動きがあると思う、では」


 王家主従とコリンナちゃんは飛空艇に上がって行った。

 ダルシーが大きな荷物を担いで船内に運び入れている。


「ではね」

「はい、また」

「ローランさんもよろしくね」

「まかせといてくださいよ」


 大丈夫かね。

 まあ、信じるしかないか。

 私はタラップを上がり船内に入った。


 メイン操縦室に入る。

 中ではケビン王子とジェラルドがジャーキーをくっちゃくっちゃやっていた。

 あのジャーキーは癖になるからなあ。


「これは美味しいですな」

「すごく良いねえ、父上が好きそうな味だ」


《ここは良いな、また来たい》


 甲板のヒューイが話しかけてきた。


(また連れてきてあげるよ)

《うれしい》


 さて、王都に戻りますか。


 私は蒼穹の覇者号の出力を上げて離陸した。


 操舵輪をくるくる回して回頭し、王都を目指して一直線である。


 バッキューン。


 ホルボス村の方へ飛んで行くアダベルが小さく見えた。


「いやあ、キンボールさん、今日はありがとう、お土産もいっぱいで楽しかった」

「地獄谷の温泉も良いですな。施設が整ったらまた行きたいものです」

「いいよ、なんかあったらまた誘ってあげるよ」

「うれしいな、また守護竜牧場へ行きたい」

「早急に牧場を救う手立てを講じませんと、王宮で少し裁判例を調べて見ます」

「そうだね、あそこも王領だから、きっちりやってあげよう」


 よしよし、王家主従を連れて行って正解だったな。

 カメオ村の事は頼んだぞ。


 あと、夏に向けて守護竜牧場アイスクリームを開発しよう、そうしよう。

 夏はアイスだ!


 そんな事を考えながらバッキューンと王都に戻った。


「荷物があるから王城に着陸してくれるか」

「わかった」


 私は王城管制塔にコールサインを告げ、着陸許可を取った。

 ふわりと王城の飛空艇発着デッキに着陸する。


「ありがとう、キンボールさん」

「色々と勉強になった、ではまた明日」


 王家主従の荷物を持ってダルシーが二人の後をついていった。


 メイン操縦室はコリンナちゃんと二人になった。

 ちょと寂しいかな。


 外では下りてきた王家主従にディックさんが抗議していた。

 ああ、護衛をまいて来たのか。

 ディックさんに荷物を渡してダルシーは船に戻った。


「エイダさん、ハッチを閉めて」

【了解です】


 手を振る王家主従を見ながら、蒼穹の覇者号はまた空に舞い上がる。


 っても、ビアンカ邸基地の入り口はすぐそこだけどね。


 ひゅっと飛んで、シュワッと格納庫に飛空艇を入れた。

 ヒューイは途中で甲板から勝手に飛び立った。


《厩舎に戻る》

(ありがとう、ヒューイ)

《どういたしまして》


 今回の飛行では別にヒューイには乗らなかったが、まあ、彼は純朴なのでいると楽しいから良いのだ。


「エイダさんもありがとう」

【どういたしまして、マスターマコト】


「さて、行こう、コリンナちゃん」

「お、おう」


 まだギクシャクしてるなあ。

 くすぐってやれ。

 こしょこしょこしょ。


「ぎゃはは、やめろっ、マコトめっ」

「元気ねえから」

「解ったからやめろ、くすぐってえ」


 よし、元気でたな。


「あーもう、酷いねお前は」

「まあ、風呂にでも行こう」

「地獄谷で入りたかったなあ」

「いや、さすがに露天風呂と化していたからなあ。ロイヤル混浴もなんだし」

「そ、そうだな」


 こんど、男湯と女湯を作ってもらうかな。

 地獄谷でも自由に入りたいね。

 ホルボス村だったら邸宅で女子風呂ができるのだがなあ。


 地下通路を二人で歩いて、地下大浴場の脱衣所へ入る。

 夕方なのであんまり人はいないね。


 ぱっぱと服を脱ぎ籠に入れて浴室に入る。

 今日はお洒落組もヒルダさんも居ないね。

 しらない令嬢さんが二人入っているぐらいだ。


 かけ湯をして湯船に入る。

 はー、気持ちいいねえ。

 コリンナちゃんも隣に入ってきた。


「あー、だけど楽しかったなあ」

「そうかそうか」

「ニヤニヤすんなっ」


 ぎゃ、お湯を引っかけられましたよ。

 んもう。


 はあ、ドタバタとした荒事がないと平和だねえ。

 こんな時間が続くと良いのだけれど。


 まあ、直近はガドラガ大玄洞だなあ。

 そろそろ、ベロナ先輩のパーティと顔合わせしとかないと。

 私とカロルが入るから、防御力は完璧だな。

 あと、ダルシーとアンヌさんがいるから斥候系も大丈夫でしょう。


 逆にあまり出しゃばって手柄を取らないようにしないとね。

 ヒューイも連れて行くかな。


《いく》


 そうかそうか。

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― 新着の感想 ―
[良い点] いつもはアダちゃん推しなのだけど、今回のエピソードは初心なコリンナちゃんかわよでした。眼鏡してなかったらさぞかしエチ可愛かったことだろうな。 [気になる点] 気になると言うより心配なんです…
[一言] 直近イベントはガラドガの前にジーンの影迷宮じゃないかな?
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