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第1002話 お昼ご飯を食べに街に繰り出そう

「おう、マコト、今日はどうする?」


 カーチス兄ちゃんのお昼の第一声はいつも同じだな。

 

「ツバメ食堂にでも行く?」

「ああ、駄目ですわ、なんだか観光名所みたいになって大層混んでいるそうですわ」


 さすがメリッサさんは王都の流行物に詳しいね。


 カロルがニコニコしながら手を上げた。


「薬膳料理は却下」

「ええ~~、体に良いのよ」


 体に良いかもしれんが、美味しく無い物は食べたく無いのじゃ。

 そのうち行ってあげねばとは思うけど、今日では無いな。


 ざっと派閥員を見渡すと大体の人の領地料理は食べた感じかね。

 ゆりゆり先輩の領のお店は行ってないが、あそこは穀倉地だからなあ。

 粉はあるが独自料理は無いと思った。


「コリンナちゃんはお店しらない?」

「ケーベロス家は外食をしない」


 ああ、そうですか。

 下級役人の家のお台所は火の車なのね。


「そういえば、ワイエス領の卵料理店が広場沿いに開いたらしいな」


 ジェラルドがそう言ってきた。

 あんたとケビン王子を連れていくとは言っていませんよっ。

 しかし、デボラさんちの卵料理か。

 広場で配っていたゆで卵はたしかに美味しかった。


「ワイエス領の卵は名産だからね、気になるね」

「敵対派閥の人の領のお店だけど、卵に罪は無いかな」

「んじゃ行こうぜ、卵かあ、肉はねえのかな」

「行ってみないと解りませんわ」

「それもそうだ」


 みんなで行ってみる事となった。


 どどどと皆で階段を下り、二年生と合流、玄関に出て三年生と合流して学園を出て歩く。

 当然のように王家主従が付いてくるな。

 まあ、良いけどね。


 王都中央通りを北上して中央広場まで歩く。


 ワイエス卵料理店は広場の横に開いていた。

 出来たばかりだからか結構空いてるね。


 今日のランチは、Aがポークピカタと卵のスープ、Bがチキンと卵ポリッジ、どちらもゆで卵付きだね。


 店の前でメニューを睨んでいたら、中からマイルズさんがでてきた。


「これはこれは聖女さま、よくいらっしゃって下さいました」

「あ、マイルズさん、家令さんはやめて店長さんになったの?」

「はい、広場でのゆで卵配布が思いのほか効果的で、ランディさまにお店を出してはどうかと言われ、立候補いたしました」


 まあ、マイルズさんは政治的な仕事は向いてないと思うから良いかもしれないね。


「お席を作ります、ささどうぞどうぞ」

「ありがとう、十七人ね」

「かしこまりました、ささ、こちらへ」


 奧の大きい個室に案内された。

 サービス良いなあ。


「私はAランチね」

「じゃあ、私はBで」


 みな思い思いに注文をしている。


「ワイエスワインをボトルで」

「赤と白がございますぞ」

「卵だから白かな」

「かしこまりました」

「私はお茶ね~」

「私も、お茶をお願いします」

「かしこまりました」


 なんか地方の料理店に行くと、カーチス兄ちゃんは地酒を頼むなあ。

 飲み助め。


 冷たい緑茶が出てきた。

 かぷかぷ。

 ああ、美味しいね。


「ワイエス領でお茶を作っているのかしら、美味しいわね」

「隣の領のお茶でございますよ、オルブライト様」

「おいしいですね、これ」

「はい、みなさまそうおっしゃいますよ」


 どこのお茶かな、売店に売っていたら帰りに買おう。


 Aランチが運ばれてきた。

 結構厚いポークの切り身に卵の衣がついているピカタととろりとした卵のスープ、それに白パンにミニサラダだね。

 良い匂い。


 Bランチも配膳された。

 さて。


「いただきます」

「「「「「日々の粮を女神に感謝します」」」」」


 ピカタを切って、パクリ。

 おー、卵が濃厚だから豚肉の味と良い勝負してるね。

 美味しい美味しい。


 卵スープはコンソメベースかな、味が深くて溶き卵の味わいが良いね。


「卵料理店とは新しいですわね」

「どの卵も美味しいわ」


 ほんとゆで卵でさえ味が濃くて良いね。


「あら、チキンも美味しい」

「脂がのっている感じね」


 鶏全般の質が良いのかな。

 美味しいね。


「あーピカタにこの白はよく合う」

「あまり……、飲み過ぎない……」

「わかってるよ、エルマー」


 まあ、カーチス兄ちゃんは何時もの事だな。

 あとで『ヒール』でも掛けてやろう。


「ワイエスの卵は普通の卵とひと味違いますな」

「本当だね、色んな領で色んな特産物があるんだなあ」


 ケビン王子は将来の統治に、色んな領の特産物を実際に知っていると良いね。


 さて、ランチ完食。

 おいしかった、と思ったら、卵アイスとコーヒーが出てきた。


「聖女さまにはお世話になりましたので、サービスでございます」

「ありがとうマイルズさん。美味しかったわ、ここは流行りそうね」

「繁盛するとよろしいのですが」


 大丈夫だよ、ワイエス卵だし。


「デボラさんはまだ領にいるの?」

「はい、ランディさまが手ずから諜報の初歩からお教えしていらっしゃるようで、復学は二学期になろうかと申しておりました」


 ちょっと諜報の基礎を覚えて貰わないと何するか解らなくて逆に怖いからね。

 諜報は上手く行くと最小のコストで最大の効果を得られるけど、失敗するとジーン皇国の皇弟さんみたいにえらい事になる。

 扱いが難しいのよねえ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 養命酒の出してる薬膳鍋とか旨いからオルブライト料理も食わず嫌いの可能性も
[一言] タマゴか、ちょうど昼だし焼くかな。
[良い点] 敵対派閥の領地飯屋でも隔意なくランチする聖女派閥。 そして、ついてくる王家主従。 [一言] 思いの【他】→外? 薬膳料理も気になります。
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