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「それで修行をするわけなんだけど」
「どういうことだよ」
「まずは魔法を扱う……いや、そういえばヒフミって殺し屋志望だっけ。だったら鍛錬の方かな」
「聞いてんの?」
「だったらまずは、うん。修行フェーズだ!」
聞いてないなこいつ。何が修行フェーズだ。ここらにそんなところないって俺は知ってるからな、情報集めたから知ってるからな?そんなことより俺はそろそろログイン可能時間を過ぎるんだけど……?
「おい」
「まずはこの街の外にある森に──」
「そろそろ俺は落ちないといけないんだが?」
「……そういえば夢人は時間制限あったね。わかった。この話はヒフミが目覚めた時にするね」
「おう、じゃーな」
ここは安全地帯のギルドの職員室だからな、ログアウト可能な場所だ。
っと、この意識を失う感覚はあんまり好きじゃない。
ふぅ……だいたい4時間、か。それでおおよそ3日ほど。なんか加速度が安定してないような……
「それより飯だ。時間帯的に昼飯かね。なんかあったか……?」
冷蔵庫、には何も無い。やばいな、後で買い出しに行くか。軽くジョギングしながら行くか。さすがに体動かさなきゃだるいからな。
「掲示板も後で覗いとくか……検証したいこともあるからな」
だいたいリアル志向とゲーム志向での差を知りたいし、他にも色々と調べたい。
「今日は少し忙しいぞ」
ふむ、なんか……いいな。