表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/13

7




さて、暗殺ギルドとは一体どこにあるのか。という疑問だが率直に言おう。冒険者ギルドの裏の顔である、これを聞いた時驚いた。

だがよくよく考えると理にかなってるなって思った。表の顔が冒険者ギルドなのは分かりやすく手駒を増やすためであり、表で入手できる情報が最速で手に入る場所でもあるから。そこに裏の顔である暗殺ギルドを加えると表と裏、その両方の情報をすぐに入手でき、表でも裏でも国からの依頼に答えることが出来る。国からするとなんでもやってくれる捨て駒という認識らしい。


「それを踏まえて国は私たちを重宝するしかないんだよね〜」

「他国にも根付いてるってのが決定打なんだろうなぁ……んで、現場はここ……と」


なぜそんな話をしてるかと言うとここ、ファーストと呼ばれる街にある冒険者ギルドでとある問題が起きたのだ。

その問題とはプレイヤー、夢人による現地人殺害が起きてたのだ。


え?スラム街の住人を殺した俺もダメだろって?いやいや、あいつらは税も払わない奴らだし、不法占拠してるし、犯罪者だし。別に殺されても文句は言われない。ただ一般人からの印象が悪くなるだけで、しかもそれは暗殺ギルドに所属してる時点でデメリットにすらならない。つまり無問題だ。


おっと、それで、だ。冒険者ギルドでなぜ殺人が起こったことが悪いのか。それは単に現地の人同士なら問題なかったんだが、プレイヤーがそこに介入したのがいけなかった。俺らプレイヤーは初ログインする時の国を選ぶことが出来るせいかこの国の人から印象が悪く、そういった人間が現地で問題を起こすと排斥運動が起こってしまう可能性があるのだ。俺は関係ないが。

要約すると現地人とプレイヤーによる喧嘩を抑えないとこの街の冒険者ギルドの発言力が下がるから、裏の顔で潰してくれって要望が俺らに来た。いや、新入社員みたいな俺にやらせることではなくない?夢人だからってそれ理由になってねぇだろって思った。


「それで?問題起こしたのがお前か……ってシアフェンじゃねぇか」

「あ、ヒフミではありませんか。如何しました?」

「いや、お前が現地人(NPC)を殺害したから問題解決のために裏から潰すって話が出てたんだが……これならやめた方がいいな」


シアフェン。この女はサタン・ゲームの熱狂な信者の1人であり、俺の仲間である。んで、俺の戦闘面における天敵である。何故かって?負傷を厭わない突撃が苦手なのです、そのせいか首折っても体力が残ってたら普通に襲ってくるからやりにく言ったらありゃしない。


「裏……あぁ、裏ギルド。たしか暗殺ギルドでしたか」

「そうだな……おっと」

「あひ──」


コーネがいつの間にかシアフェンの後ろにいて、尚且つ首を切ったのだ。いきなりのことで俺は反応できなかったがシアフェンは既に反撃に出ている。


いや待て。いきなり殺し合い始めてんじゃねぇ。


「待てコーネ。そいつ殺そうとしても無意味だ、むしろ喜ぶぞ」

「喜ぶ……?」

「ぁぁぁあ……はい、回復しました。程よい痛みでしたねー」


こいつの特徴、それは被虐願望があることだ。故にこいつは自身を遠慮なく壊してくれる悪魔を好む。


反撃の体制からすぐにストレージからアイテムを取り出す動作をし、ポーションで回復したシアフェンはとても心地よさそうな笑みを浮かべたが、少し不満そうだった。


「でもなぜ止めるんですか?私としてはあのまま首をへし折って欲しかったのですが……」

「これだからドMは……ここにはあそこ並みの悪魔はまだ居ないって、暫くまともにしとけよ」

「えぇ……いえ、分かりました。これも一種のプレイだと判断すれば……あぁ……サタン様はこの世界におられるのでしょうか……」


そしてこいつがゲームをやる目的はひとつ、サタンと呼ばれるサタン・ゲームの頂点に再び永劫の痛みを与えられることだ。こいつ、確かVRシステムを加速させて1秒が一時間とかいう人間の限界を超える処理速度を出した上で、拷問を受けたことがあるんだよな。それを思い出してこいつはサタンを探しているのだが……正直なんでこいつが仲間なのか未だにわからん。


「とりあえず……何の要件ですか?」

「お前が住人を殺したことに関することだよ」

「……?殺してませんが……」

「なに?」

「いえ、住人に絡まれたのは事実ですが身ぐるみを剥いでスラムに放り投げた覚えはあるんですよ?」


えっと……つまり?


「誤報ですねこれは〜……ちょっと上に聞かないと行けませんね」

「誤報なんてあんの?杜撰すぎね?」

「たまにありますよ、気にしないことです」


左様でか……はぁ……


「スラムで死んだ人間なんていちいち気にしてられないというのにこれは……まぁ明らかにあの人のでしょうね。ヒフミさん、お灸をあの人に据えてやってくださいよ」

「誰だよあの人って」

「暗殺ギルドの支部マスター、つまり冒険者支部ギルドマスターですよ」

「無理だろ」

「がんばれー」


棒読みだなぁ。





夢人

プレイヤーのことを主に指す言葉。ちなみにプレイヤーじゃなくて本当に異世界から来たという設定を持つ人物もいる。そいつももちろんリスポんするせいか見分けがほぼほぼ不可能という。



プレイヤーの初期リス

幾つかある国のうち1つを選んで、その国の偉い人が指定した場所にリスポンする。そのせいかとある国ではレベルが50あるモンスターが跋扈する場所にリスポンするようになってたりする。なお現在はかくれんぼ状態になっており隠密系を目指すプレイヤーが数多く存在する。それ以外のプレイヤーはどうしたって?勿論データを作成し直ししてます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ