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《ワールドアナウンス》

《ユニーククエストに接触したプレイヤーが現れました》

《これより情報を一部解禁します》


─────

称号を与えられました。


称号《初めてのユニーク》

初めてユニーククエストを発生させた者に与えられる

効果:なし


称号:《個性的な人物》

世界で最初にユニークを発生させた者に与えられる

効果:ユニーククエストを発生させやすくなる

─────


情報が多いわ。まずユニーククエストの存在は前のゲームからあった、だからみつけようとする人もいると思うんだがまさかの俺が最初か。しかもアナウンス……


次に殺し屋の条件を一部クリアか。これは……何がトリガーだ?分からない、殺し屋志望なんて言ったのは初めてだが……検証案件だな。後で調べよう。


そして称号。これは今回からの追加要素かな。それで《初めてのユニーク》は文字通りただの称号なのだが、《個性的な人物》の効果はなかなかやばいのでは?ユニーククエストなんてそうポンポン見つかるわけじゃないはずだが……いや、有利になるならそれでいいか。うん、メリットだけなら気にしない。


「どうしたの?」

「いや、考え込んでいただけだ。それより暗殺ギルドは?」

「まずは試験をクリアしてからじゃないと入れないよ。着いてきて」

「おう」


試験、ねぇ。どんなことをするんだろうか。内容を知りたいな。ユニーククエストには試験場と合ったから何かしらがあるのだろう。


「んーと、ヒフミは殺し屋志望でいいんだよね?」

「そうだな、主に対人戦を考慮したい」

「なら──」

「俺ってことだな、コーネ」

「そうだよ、アルナ」


着いた場所には一人の男がいた。その男は言うなれば世紀末ヒャッハーである。モヒカン野郎だ……こんな奴が暗殺ギルドに居るのか、証拠を残さないとかはどうしたよ、出来んのかこいつ。


「証拠残さずに仕事できるのかって顔してんな、無論出来なければ暗殺ギルドに所属してないぞ」

「ならいいや。んで試験と言われて連れてかれたのが……空き地かよ」

「まぁ、彼と殺り合ってもらうだけだからね。最初は対人戦の試験だよ!」


なるほど、先程の発言から試験内容を変えたのか、それとも元々こういう試験だったのかわからんが、確かに暗殺ギルドという名なら対人技能は必要だよな。


「分かった。受けて立とう」

「おう、お手柔らかにな。俺はアルナ、格闘家だ」

「俺はヒフミ、剣士だ。殺し屋志望のな」

「ほー……面白いの狙ってんな。細菌殺し屋になりたいやつが居なくて困ってたんだよ」

「仕事が滞ってんのか?」

「そうだ、こっちも客商売だからな、お前みたいなやつが入ってくれると嬉しいわ」


そう言ってニカッと笑ったスキンヘッド。正直怖い。さて、こいつの装備はなんだろうか……メリケンサック?あんまり対人戦では使わない物だがなんか効果があるのだろうか。


「第一の試験のクリア条件はアルナに一撃入れてね」

「分かった、思ったより単純だな」

「いいから始めんぞ……一撃で沈むなよ?」


そして俺とアルナは同時に構える。アルナのポーズは見かけによらずボクシングポーズだな。俺は両手を緩く握って左腕を前に右拳を顔の近くに。いわゆる半身と言われるポージング、これなら格闘家と言えど……簡単に対処出来んだろ。


「いいね、なかなかやり慣れているな……だが剣は抜かないのか?」

「壊れてんだ、柄しかない。遠慮すんなよ」

「ほう……なら遠慮なく」


速い、たった1歩のすり足だが伸びたように思える。これはスキルかな。そのままアルナは右拳でジャブを放ってくるので弾いて腹に拳を叩き込む。

その寸前で体を捻って躱したアルナは反対の手でさらにジャブを放つがこちらは顔を逸らして躱し、蹴りあげるもそれを掴まれるので絡まって腕をつかみにいく。


「うおっ!なかなかアグレッシブだなおい」

「そのまま投げ飛ばすとかどんな筋力だよ!」

「レベルは高いからなっ!」


アルナは腕を振るって俺を弾き飛ばすので獣のように着地、からの低い姿勢で脚を狩りに行く。脚を引いて避けたカルナは踏みつけてこようとするので逆さになって両足揃えて顎を蹴ってみる。

踏みつけるのを中止して体を後ろに反らせて避けたカルナから離れて構え直す。


「思ったよりやるな……レベル差がなけりゃやられてたかもな」

「綺麗に避けやがって、よく当たんねぇなオイ」

「見えてんだから避けるだろうが。ギア上げてくぞ」


その言葉と同時にアルナの姿が消えたのでしゃがむ。頭上を拳が通り過ぎさったのを確認し、そのまま後ろに向かって足払い、しようとしたら腹に激痛が走る。


「うごっ……」

「なんつー腹筋。硬ぇな」


後ろに吹っ飛ぶも手を使い速度を殺して周りから襲い来る攻撃に回転しながら対処。ここから先は……


「何が起きてんのかわかんねぇ!」

「……どうやって対処してるかと思ったら勘かよ!」


もう無我の境地よ、なんで初っ端からこんな激闘してんだろうな。反射神経で正しいと思う、正しいと感じたことを行う。


上から来るかかと落としを逸らし、横から来る拳に絡んで投げ飛ばして、下から来る蹴りを踏んで上に飛びーの!


「ガラ空きだオラァ!」

「空いとらんわアホがァ!」


落ちるのに合わせて迎え撃つように来る拳に両手を合わせてハンマー!オラァ!!!!


「うおぉっ!」


しめた!腕が弾かれて仰け反ってやがる!


「てめぇの方がガラ空きだ!」

「まず──あっぶ!?」

「当たれよおらオラオラ!」

「舐めてんのかオラァ!」


そして始まる両者の拳のド突き合い。正直こっちの拳が壊れそうだ、これはVITに大きな差があるな。こいつ一体何レベだよ。


「そろそろ決めにかかるぞオラァ!」

「簡単に攻撃に当たるとでも!?」

「当てんだよ馬鹿野郎!」


軽く踏み込み、やつの拳の内側に入って……フェイント、からの寸勁!


「なに!?」

「一撃……いれさせてもらったぞ」

「かぁー……1本取られたねぇ、ほれ試験合格だ」


吹っ飛んで膝を着いていたアルナが取り出してこちらに投げてきたものは……コイン?


「こいつはうちの試験に使う専用のコインでな、こいつがなけりゃ次の試験場にはいけないんだ」


そういいとても爽やかな笑顔浮かべてこう言い放った。


「クリア……できるといいな?」


その目はとてもとても面白そうにこちらを見ていた。





ヒフミの戦闘スタイルは獣のように襲いかかること。

ありとあらゆる殺人技術を学んだのは別の人だったりする。え?説明詐欺だって?別にヒフミの事って言ってないし……(ボソッ)



《ユニーククエスト:暗殺ギルド加入試験》

適正レベル:15

主人公レベル(凡そ):8


結構やばかったり

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