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整理と考察

私は田中先生の話と生徒の話と現状の違いをまとめてみることにした。


まずは性格。


性格に関しては私から見た場合大人しめに見える。いじめのせいもあるかもしれないとは思う。


生徒によると大人しめで一人で本を読むような生徒。


これに関してはほぼほぼ一致しており違和感もない。


そして問題は白井君の母校にいた田中先生から聞いた話。いつも明るくクラスの中心的存在で友達も多いとのこと。


これが前の2つと明らかに違うのである。


もはや別人である。


小学校から持ち上がりで中学校に来ているようなので内弁慶で強く振る舞えたと考えることもできる。


それならおかしい点がある。


教師からの評価が変わるはずである。内弁慶なら教師側からそういう話でもありそうなものだ。中学1年生の頃は先生に対して弱気だったという話もない。


そもそも内弁慶の人がクラスの中心的存在になるなんてかなり難しい事だろう。


どこかでボロが出て人気者かどうかはともかく中心になるのは厳しいのではないかと思う。


だからこそ少し違和感を感じるのだ。私たちの高校において何かを意図的に隠しているのではないかとも思えた。


次に友達だ。転校先とここで友達は少なそうな感じだった。これに関しては転校先にいた期間の短さとここではいじめがあっているのが原因なのだろう。


とは言ってもあの中学で友達がやたらいるのは少しおかしい気がする。もっと言えばいじめている5人と異常に仲が良いのはありえないのだ。


普通仲が良かった人間をいじめるなんてありえない。


何かしらいじめをするきっかけというものがあったかもしれない。もしかすると転校前に喧嘩別れでもしたのか。そこに関しては白井君達にしか分からない。


そして最後に成績だ。実はここが1番疑問に思っているところだ。


数学に関しては私が担当しているために分かるのだが、あまり良い方というわけではない。


入学直後に行ったテストによる判断のため、いじめによる成績の低下というわけでもない。


しかし田中先生によると成績は良いのだという。


まあ成績に関しては春休みの課題をサボったせいなのかもしれない。


しかしそもそも田中先生の話の通り好成績なのであればこの高校に来るはずがない。


別に進学校というわけでもなく住んでいる場所的にはもう少し近くて偏差値の高い高校があるのだ。


この県の高校に詳しくないため評判は分からないが、わざわざ遠くに偏差値低めのところを選ぶ必要はないだろう。


私立だったら落ちたとも取れるが公立だからそもそもここを第一志望として受けているのだ。


ここを選ぶ何かがあったのだろうか。


しかし彼は元々ここを選んでなどいなかったようだった。県内トップクラスの高校を目指していたはずなのだ。どうしてここを選んだのだろうか。


ここには彼が選ぶ何かがあるのかもしれない。


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