4.門出は魔王の祝福と
希望の育成者
≫称号:魔王の敵を所有する勇者を育成することのみのために尽くすべき者。育成者はこの事を他の人間に悟られてはいけない。
____名も無い村が廃墟と化して18年がたった。村は魔族に襲撃されたのち王都の調査員たちによって調査されたが、その村では生存者が1名も居ないことが発表されていた。
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◆王都南西の森
「さてと....おい、マリー!こんなもんで良いか?」
森には1人の青年がいた、茶色の瞳に黒い髪端正な顔立ちの青年はこの世界においては目立つことが無いような一般的な姿をしていた、彼の名をオーサキ・メタル・ユーマ、彼は今日使う分の薪を割り近くの木の切り株に座る少女に確認している途中であった。
「んー、良いんじゃない?っていうか私に聞いてもわかんないよー?私やったことないもん」
切り株に座る少女の容姿は一際目立つものであった。青い瞳に金色のロングヘアー、小さい顔に対して体は人一倍に美しく、手足はスラリと伸びていた。俗に言う美少女であった。彼女の名前をザッコ・マリー。
「まぁ、そうだな、もう8年も俺が面倒見てるようなもんだからなぁ....たまには料理くらいしたらどうなんだよ、マリーさんよぉ。」
「ムーリ!私、怪我したら死ぬし。」
そして彼女は自らは<天職>として勇者を授かったもののおのれのHPが[5]しか無いとういうハンデを背負っていた。
マリーとユーマは今年18になったばかりであった、ユーマとマリーの親はここにはもういない。
____名もない村が魔族に襲われた後に生き残った、オーサキ夫婦とユーマ、マリーは人の寄り付かない森で静かに暮らしていた。しかしオーサキ夫婦の<天職>のこともあり二人の子供たちは順調に能力を開花させていきステータスも大幅に上がっていた。しかし、どうしたことか子供たちが10才になった頃に夫婦は忽然と姿を消してしまった。1つの置き手紙を書き置いて。
その時ユーマには前世の記憶が有ったために、慌てて森の中を探した、しかしどこにも夫婦の姿は見つからず、痕跡さえも見つけることはできなかった。そのためその後の8年間はユーマとマリーが協力して生きるはずだった。
____のだが、マリーには危険なことが絶対にできないために今までユーマが全ての家事を担ってきたのである。
「ううむ....マリーのHPの低さをカバーするなにか貰えねぇかなぁ...」
「まぁ良いじゃん!!明後日にはやっと王都に出れるんだよ!?きっとそういうアイテムもあるって!」
二人はこの森から出たことが一度もなかった、
夫婦の手紙には1つの呪いがかけられていた。どんなに強力な解呪師でも解けない、それこそ人の命を削ってかけたような。
「不可の森」
≫呪い:この呪いは命を代価とする。
この呪いは紙に付与しその紙を見た者の<時><魂><位置>をその森に固定し固定された時点での森の中での行動をする代わりに森から出ることを<8>年間不可とする。※この効果は術者のみに理解可能。
この術は国では禁術とされていたものであった。誰にでも使える術であるが、術者には1年森に固定することに代価としてHPの上限の100を払わなければいけないため危険な術であるとされていた。
____この世界においてはHPが消えた者はただちに存在を消され、その原型をどとめることができなくなってしまう。
この呪いはユーマとマリーにかけられているが2人ともその効果、または代価を知ることはなかった。
今、この<世界>は名もない村が消滅してから<10>年が経っていた。
魔王の力が半分程度まで戻り魔族と人間達によって永遠と繰り返される戦争各地へと広がっていた。
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オーサキ・メタル・ユーマ
<天職>重装備兵
年齢18 Lv999
HP 9999999[MAX]
SP 9999999[MAX]
装備
<防具>簡素な服
<武器>父の斧
攻撃力 700000 防御力 9999999[MAX]
魔力 800000 精神力 10000
素早さ 800000 神力 9999999[MAX]
<スキル>
「永久回復」「絶壁」「無限の壁」
「永久的な壁」「毒の壁」「HP吸収」
「最後の一撃」「表裏一体」「MP吸収」
(「料理」「掃除」「薪割り」)
<称号>
「臆病者」「転生者」「守護せし者」
「壁の神」「神の希望」「勇者の友達」
「無慈悲な重装備兵」「安泰の追求者」「森の住人」
「勇者の家族」
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ザッコ・マリー
<天職>勇者
年齢18 Lv500
HP 5
SP 600000
装備
<防具> 簡素な服
<武器> ユーマ
攻撃力 50000(+9999999) 防御力 5000
魔力 300000 精神力 9999999
素早さ 500000 神力 1000
<スキル>
「守られる者」「最弱の逆転」「希望の灯火」
「奴隷化」「操術」
<称号>
「魔王の敵」「世界を救う者」「最弱の勇者」
「重装備兵の友達」「守護されるべき者」「森の住人」
「惨殺からの守護」
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ユーマとマリーのステータスは森で訓練をした結果、大幅に上がったもののなぜかマリーのHPだけは増えなかったのであった。
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◆%”#(+;(%!,(#?))
「カハッ、やっとあらわれよったか、最後の勇者よ。いつになったら俺様を倒せるようになるかな....?」
____王座には1人の男が座っていた。
「所詮は何人といる勇者の中の1人....すぐ殺して楽にしてやろう....」
全く光のささないその土地には人など住まわない。土地も育たず緑も無い。その奥地には無数の屍があった。そのどれもが金の鎧であったり、煌めくような剣を腕に持ったまま息絶えていた。
____そう、ここは魔王の城。
世界中に400人いたはずの勇者はのこり5人となった。
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今回の部分は少し長くなるので2話です。次話はまた再来週です。
誤字脱字あればお教えください。