2.目を開けたら神の前
「死にたくない、死にたくない」
やけに自分の声が響く
「ふぉっふぉっ、そうかそうか、死にとうないか?」
そばから優しげな老人の声がする、ああ、それにしても死にたくない
「死にたくない、死にたくない、死にたくない」
「そうか、そうか....」
「死にたくない、死にたくない、死にたくない」
「そ、そろそろ反応してもいいんじゃぞ?というか、
おぬし、もう死んどるんじゃがな♪」
「死にたくない、死にたく.....は?」
確かに俺は、爆弾を投下されて吹き飛んだ、はずだ。
でも現に俺はここで老人を相手に喋っているんだから、
死んでいるはずがない
「ん、んなわけねーじゃん?俺喋ってんじゃん!?」
しかし、それを確かめることもできないので恐る恐る目を開ける。
目に前には、白い髭を長く伸ばし、
それと対照的に頭の毛が薄くなった老人が立っていた。
「ふぉっふぉっ、そうじゃのぉ、いまは、おぬしはワシの前でしっかりと
喋っておる。しかしな、ここがもしおぬしらの言う天界じゃとしたら?
そもそもおぬしは一度吹き飛んどるんじゃから生きていると思うかの?」
「ま、まってくれ、状況が飲み込めない、というかあんたは誰なんだ?
確かに俺は死んだ、ならここで起こされる必要なんて無いんじゃないか?」
「うむ、理解出来なくて当然の状況じゃのぉ、ではまず1つ目の質問の答えからじゃ」
「ここは天界じゃと言ったな、よってワシはさしずめ、神、といったところかのぉ。
そして2つ目への答えじゃ、おぬしは選ばれたのじゃよワシら神に、そして次の世界に。」
「は?いや、わかんねぇよ!?神だってのが本当だとして、なんで俺が選ばれるんだよ?」
そう、これはいわゆる異世界転生前の神様との面会、とかいうイベントなのだろう。
「ふ~む、何故、と問うか、理由を上げるならば、おぬしが、死にたくない、と願ったから、かのぉ、
まぁ、そうじゃなかったとしてもおぬしが死ぬ前から決まっておったことじゃしのぉ。」
「そんなことで俺が、はいはい、とその世界とやらにいって救って来るとでも!?
俺は、そこら辺のメルヘン主人公じゃねぇ!!俺はここに居座るぞ!!
と、いうか、住むからな!」
____でも、だ、そうだとして俺になんの特がある?ここが天界であるのならこれ以上の死はないはず、
なら、ここに住んだほうが絶対的に安全!!
「うむ、全く当然じゃ、おぬしが選ばれたのはただの偶然じゃしの、拒否したくもなるじゃろう。」
うむ、この老人ハゲ神も話が分かるじゃないか、これで俺にも永遠の安全と安心が訪れるのだ。
「だろう?だったらすぐに俺に家と不自由なく暮らせる家をく.....」
「じゃがな!!お前に拒否権なんてねぇんだよ、クズが!!
お前さっきから聞いてりゃぁ救う気がないだ、主人公じゃないだ、挙げ句の果てにはここに
住みたいだと!?調子に乗るんじゃねぇぞ?お前は元の世界でも役に立たねぇクズだったんだろうが?
だったらせっかくもう一回チャンスをやるんだよ、ほらよ、死にたくないお前に力をやるよ、
どうせ役に立たねぇ脇役ならこのぐらいで頑張れや。じゃぁな、行ってきな、ははははっっっっっ!」
突然老人の様子が変わった、というより明らかにさっきの人と別人なですけど!!?
ほんとに神!!!????
「え、あ、う.......」
「そうじゃ、黙って行け。」
俺があっけにとられていると、老人の持っていた杖の一振りで俺は意識が遠のいた。
「まったく、こういう奴もいるんじゃのぉ、ワシじゃってこんなところに居りたいわけじゃないんじゃがなぁ、ここは今でも.....まぁ、あやつには関係の無いことか.....」
大崎優真が異世界へと送られた後優真のもといた位置には1人りの老神がたっていた。
老神はたった1つの命を救ったばかりだった。
背中に深々と刺さった剣の傷を少年に悟られないように隠しながら。
ここは天界、送られた魂は1つとして残すことは出来ない。
何故なら。ここもまた神々による大きな戦争の時代へと入っていたから。
老神はその魂に1つの<力>を託した。いつかこの天界をも救ってくれることを願って。
そうして、神がまた1人命を落とし、二度と戻らぬ黄泉へと消えた。
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---異世界:フェルニア---
◆とある村
その日その村には2つの新たな命が生まれた。
そう、新しい子供が生まれたのだ。
1人は元気な女の子であった。
生まれたのは、村で唯一の剣士ザッコ夫婦の家であった、
夫のザッコ・リチャードは生まれてくる子供に自分の職を継がせることを夢に見た。
妻のザッコ・フレニーは夫の反対を押しきってでもこの村にとどまらせ、一生安全に暮らさせる
つもりであった。
____しかし
生まれてきた子供を村に1人しかいない<天職>医者が診た途端にこの2つの期待を裏切った。
医者とは生まれてくる子供に一度だけ能力の値すなわちステータスを見ることが許されていた
医者の放った最初の言葉は
「ザッッッッコ」
だった。
ザッコ・マリー
<天職>勇者
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HP 5
SP 10
攻撃力 400 防御力 10
魔力 30 精神力 9999999[MAX]
素早さ 1000 神力 0
<スキル>
「守られるもの」「最弱の逆転」「希望の灯火」
<称号>
「魔王の敵」「世界を救うもの」「最弱の勇者」
「重装備兵の友達」「守護されるべき者」
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____それと時を近くして村にもう1人の男の子が生まれた
どこにでもいる夫婦の、少しだけ臆病な者たちの間に生まれた。
その名をオッサキ・メタル・ユーマ
と、名付けられた。
その日も村の医者は生まれてきた子供を診た。
先日に生まれた子供があまりのできであったために少し怯えている様子であった。
(頼む!!今度こそ雑魚なんてやめてくれよっ!!)
そう願いながら子供のステータスを覗き見る
____しかし、医者は何も夫婦に告げずにこやかに笑って帰って行った。
残された夫婦は不思議に思いながらも人並みのステータスであればそれで良いと願っていた。
オッサキ・メタル・ユーマ
<天職>重装備兵
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HP 6000
SP 5000
攻撃力 8000 防御力 9999999[MAX]
魔力 50000 精神力 10
素早さ 8000 神力 9999999[MAX]
<スキル>
「永久回復」「絶壁」「無限の壁」「絶対的な壁」
「最後の一撃」「毒の壁」「HP吸収」
<称号>
「臆病者」「転生者」「守護せし者」「壁の王」
「神の希望」「勇者の友達」「死ねない呪い」
「安泰をの追求者」「無慈悲な重装備兵」
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けれど、生まれた子供にはその世界で一般的といわれるステータスの数百倍の力が与えられていた。医師はこの事に驚き、喜び<スキル>と<称号>を見ることを忘れた。
今後一度も知られることのない力がそこに書かれていたことも知らずに。
それは神が与えた力であった、あの老神が最後の命を燃やしてまで若い人間に託した想い、「神の希望」その1つの称号は少年の、いや、オッサキ・メタル・ユーマのまたは同時に生まれた女の子への力となり、いずれ世界をも動かす者となるだろう。ユーマの臆病さは世界の役に立つだろう。魔王の力が増幅仕切ってしまう前に、その老神の願いが通じるならば......
ステータスの一般数値が分かりにくいと思うのでここに載せておきます。
無名
<天職>一般市民
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HP 60
SP 60
攻撃力 50 防御力 50
魔力 0 精神力 20
素早さ 30 神力 0
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が一般的です。
文章の改行の仕方などがおかしな点がありますが不馴れなもので申し訳ないです。
更新ペースは1~2週間に1度程度だと思っていてください。
1週間でなければ次の週にあると思って待っててください。