1.プロローグ
------2050年------
◆地球
その日は後に11年も続いた戦争の幕開けの日だった。
今まで世界は全ての国が平和ごっこをして「仲良く暮らすこと」
を目標に生きていたはずだった。
____なのに
____争う事がない世界で俺は怯えて暮らしていたこの世界の表面がいつ崩れるか分かったもんじゃない。周りの奴らは俺を-臆病者-だと笑った。なんだって良いさ生きていられるならな。
____でも、そんな安泰があるはずがなかった。
現に戦争は起こってしまった。世界の覇権を握ろうとする2つの国によって。
それだけだったなら俺はただ怯えて暮らしていればよかったはずなんだ。
それだけだったなら......
2つの国がまず狙ったのが両国の間にある小さな島国だった。
両国は物資の中継点を得るために必死になって制圧を行った。
不幸にも俺の住んでいた島国を。
___そして
運の悪いことに少し制圧の遅れていた国が<取れないのなら潰してしまえ>と
その島国へ大型の爆弾を投下した。
それが大規模な戦争の始まりだった。
____さて、何が言いたいかと言うと。
俺は死んでしまったのだ、あれほど怯えて警戒していたはずなのに。
俺は爆弾を投下した国を恨みながら願った。
「死にたくない」と。
新作始まります。