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自分は静かに過ごしたい  作者: SO/N
7章・Chapter『Sleet』 救えない者
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94話 戻りたい

マラソンも残り僅かとなった。


「はぁはぁ、やっと、見えて、きた。」


平山は既に体力が限界なようだった。比べて紗羅は平山程ではないもの、息が切れかけていた。

そしてゴールした。…特に言うことないな。

二人が息を整えているのをまっていると、先にゴールしていた羽島が来た。


「お、お前らやっと来たか。のんびりだな。」

「…まあ、な。」

「へ、へっくしゅ!!…寒い。」


羽島が震えながら言う。みぞれも降って来て、気温もどんどん下がってきた。

羽島に続き、水嶋と如月もこちらにきた。


「春祇くんたちやっと来たね〜。」

「水嶋さん、たちも、とっくに、ゴール、してたんだ。」

「そうなんだよ〜俺も抜かされたし。」

「足には自信があるしね。」

「そっか〜俺も自信あったんだけどな。それにしても如月さんもめっちゃ速いな。な、奏。」


そこで何故か羽島はこちらに振ったきた。

まあ、如月がある程度足が速いのは体育大会で見たが、体力もあるとは。


「そうだな。」

「えへへ〜ありがとう。」


自分がそう返すと如月は嬉しそうに返してきた。

………そんな顔をされ、自分は下を向きそうになった。












ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー













「あの、春祇先輩。」

「……松川か。浦澤なら先生がいたから大丈夫だ。」


全員がゴールするまでの間、松川がこちらに来た。


「そうですか。…神奈、こけて足ひねったのに私は大丈夫、なんて言ってて。」

「松川ちゃんに心配させなくなかったんじゃない?」

「でも………」


平山がフォローするが、松川はあまりいい気分じゃなさそうだ。


「………松川と走りたかったんだろ。」

「え?」

「心配させたくないってのもあるだろうけど、浦澤は、ただお前と走りたかったから、それだけだろ。」

「…そうかもですね。神奈のことですから。」


松川は自身の言葉で嬉しそうに笑う。

浦澤は相手の事よりも、自分自身のことを優先して動く。それはあの屋上の時でもそうだった。嫌だと言っているのに味見係を頼ませる。そういうやつだ。例え、相手のために、相手を心配させても。


「……………」


その友情が、自分には眩しい。

(もど)りたい。












ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





















































あの後、浦澤は無事戻ってき、そのまま一日が終わると思っていた。終わって欲しいとその時は思っていた。

早く帰って

雪から、

雨から、

霙から、

逃げようと。






なのに、

さらに、

自分を、

苦しめる…





















一つの下駄箱に入った誰からか知らない手紙によって。


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