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自分は静かに過ごしたい  作者: SO/N
7章・Chapter『Sleet』 救えない者
96/129

92話 最低

3キロ程度進んだ後、後ろから紗羅が追いついてきた。


「ペース、だいぶ遅いね。」

「……ああ。」


そう言って紗羅は自分たちとペースを合わしてくる。恐らく一緒に走るつもりなのだろうか。


「紗羅は本気でやらないのか。」

「別に景品が出るわけじゃないし。」

「…考えてることは一緒なんだな。」

「い、一緒…ふ、ふふ。」


なぜか紗羅は急に笑い出した。…どうした?


「お〜い紗羅さん、嬉しいのはわかるけど戻ってきて〜。」


笑い出したさらに呼びかける平山。

……意味がわからない。どういうことだ?














ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

















5キロ地点を通過し、折り返しになる。だいぶ人と人との距離も離れていき、周りには誰もいない。自分たちはかなり遅めに走っているので順位的には下の方だろう。


「はぁ、はぁ、やっと、中間地点なの?」

「疲れすぎじゃない?」

「だ、だって、運動は苦手、だし。」

「………」


二人の会話を横に自分は空を見上げる。曇っている、これは…

そう思っていると、雪が、降ってきた。雨も、少し混ざっている。

…冷たい。


「あ、雪だ。雨も混ざってない?」

「…本当だ。珍しい。」

「…………」


霙、だ。

冷たい。雪は冷たい。雨も、冷たい。あの日も、そうだ。

また、思い出してしまう。苦しむのは、責任だ。感じないと いけない けど けど

いや 何様 なんだ 自分は 勝手に投げ出すのは

許されない 最低すぎる

そうだ。

そうなんだ…





「…あ、あれって、浦澤ちゃん?松川ちゃんと、一緒じゃ、なかった?」

「…足引きずってる?」


ふたりのこえにひきもどされた。まえをみるとうらさわがあしをひきずりながらあるいていた。みたところまつかわはいない。

じぶんたちはうらさわにちかづく。


「どうしたの、浦澤ちゃん?」

「あ、先輩たち。ちょっと捻っちゃいまして…」

「……大丈夫か。」


浦澤の足首は赤く腫れていた。この状態でどこまで歩いたのか。


「松川は?」

「由奈には先に行ってもらったんです。ところで…そろそろ限界なんで春祇〜先輩。」

「……なんだ。」

「肩貸してくださ〜い。」

「…はぁ、分かった。」

「ありがとうございま〜す。」


そういうと浦澤は自分の肩を掴む。…紗羅から物凄い視線を感じる。まあ、そんなことより、


「浦澤。」

「なんで〜すか。」

「…あまり無理するなよ。」

「…あ、ありがとう、ございます。」


浦澤は少し驚いた顔をしたが、すぐまたニコニコと笑顔を()()()

…自分で言った言葉なのに、何故か言葉が胸に突き刺さった。無理はしていないのに。




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「二度も親を失った俺は今日も最強を目指す」もよろしくお願いします。

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