82話 嬉しくない
…目立つ。
流石にこの二人と歩いていると目立つ。
一方は学年一のイケメンと言われている人物。
もう一方は転校生であり美少女と言われている人物。そんなのと一緒に歩いている嫌でも視線が刺さる。おそらく自分は釣り合ってないな。
「お、射的なんてあるぞ。どうだ?」
「…良いんじゃないか。」
「射的かぁ。面白そうだね。」
三人で中に入る。一回百円と書いてあり、ルールを聞くと玉は5発あり、動く的にあてた回数によって景品が変わるらしい。
「誰からやる?」
「じゃあ私から!」
「………」
如月はすごいキラキラした目をして銃を持つ。すごい眩しい。目が。
「おりゃ!あれ?もう一度!」
一々リアクションを取る如月。それを見ながら赤崎が言う。
「確か如月と奏って幼馴染なんだよな。」
「そうらしい。覚えてないけど。」
「覚えてないって…薄情な奴だな。」
そんなこと言われても仕方ない、忘れてしまったものは。そう自分に言い聞かせる。
そう思っていると如月がしょんぼりした顔で戻ってきた。
「全然当たらなかったよ…」
「よし、じゃあ次は俺だ。」
次に赤崎が銃を持つ。
「あれなかなか難しいよ〜。奏くんでも無理かもね。」
「…さぁな。」
見た感じは銃はピストル程度の普通より短めだ。なかなか手ブレがありそうだ。肩の力なども抜けないと多分当たらないだろう。
「ふぅ。二発か。すごい難しいな。」
「赤崎くん当てれたんだ!景品はなんなの?」
「二発だから屋台の百円の割引き券だったよ。さて、奏はどうかな?」
「なんだその言い方。」
「いや、別に?」
なんか腹立つ言い方だな。
そんなことはどうでも良いとして、置いてある銃を持つ。意外と軽い。
「…ふぅ。」
ここで適当にやるのも金の無駄だし、真剣にやる。
集中力を高める。さっきの二人のプレーを見ていたところ、玉は放物線を描く。玉のスピード、そして彼我の距離。全てを計算する。
…久しぶりにこんなに集中したな。でも、嬉しくない、何も。
「………くそが。」
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「おお!凄いよ奏くん!」
「ああ、全部当てるなんて流石だな、奏。」
「…ほら。」
戻ってきた奏くんを褒めていると、私たちに何か渡してきた。券?
「なにこれ?」
「さっきの景品だ。全部当てたから、屋台の商品を一品無料で帰るらしい。3枚あるから。そんなにいらないし」
「サンキュー。」
「え、いいの?ありがとう!」
私は割引券と言うより奏くんが何かくれた事が嬉しくてつい抱きつこうとした。奏くんは軽々と躱す。
「そう言うのはいらん。」
「えぇー。」
「大胆なんだな、如月も。」
…大胆かな?昔はよくやっていたしなんとも思わなかったけど。
そう思ってしまうと急に顔が熱くなった。
「…どうした。」
「い、いや、なんでもない。」
その様子を見た奏くんが疑問そうに聞いてきて、私はごまかす。
今の奏くんの表情はいつも通りだ。だけどさっきの銃を持った時の表情は集中していたからなのかもしれないけど、なぜか別人に見えた。なんでだろ。
この度、この作品が10000ユニーク突破いたしました。これも皆さんのおかげです。
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