81話 木
あの後も何度か驚かされたりした。怖いというよりどちらかというといきなりなものが多く、自分はいちいち身構えてしまったりした。平山はというと『ひひぃぃ!!!』やら『うわぁぁ!!!』など悲鳴をあげてはしゃがみこんだりと、平山にびっくりする方が多かった気がする。
「はぁ、はぁ、凄かったね。」
「…お前がな。」
廊下を歩きながら喋っていると携帯のなる音がした。自分の携帯ではないな、と思っていると平山だったようで画面を見て焦っている様子だった。
「あ、ごめん奏!ちょっと用事があったんだ。それじゃあ!」
「あ、ああ。」
そういうと平山は走りながらどこか行ってしまった。
「………」
特に何もすることがないので適当に歩こう。ついでに頼まれた見回りでもするか。
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学校の外でも屋台などがあり、見た所なかなか賑わっていた。
蓮に頼まれた見回りも頼まれていたが当然、なにもない感じだ。自分は休憩に少しベンチに座っていた。
ぼーっと空を見上げる。…綺麗だ。このまま見ていたい気もするが、そうすることは不可能だ。
最近は、よくこんなことを考えたりしてしまう。自分はまだ全然変わってない。あいつのことも思い出してしまう。
……………。
あの頃に戻りたい。そしてあいつに…
「…い、おい、奏、聞こえてるか?」
「………」
不意に誰かに呼ばれた。前を見ると赤崎が立っていた。
「…赤崎か。」
「大丈夫か。暗い顔なんかして。」
「…これは元からだ。」
暗いのは元からだし別に今更言われても。
「それより何の用だ。」
「ああ、せっかく一人なら一緒に回らないか?」
「いやだ。」
「ストレートに言うね。どうせ目立つからとか言うんだろ。いいから行こうぜ。」
「…はぁ。」
自分は渋々立ち上がった。
どうせここにいてもずっと空を見ているだけだし。
そう思い立ちが上がり、赤崎について行こうとすると不意に袖を引っ張られた。
木に引っかかったと思い再び歩こうとしたが歩けない。
「どうした?」
「…なんか引っ張られて…」
「私だってば!奏くん!」
「…如月か。」
木じゃなかった。




