80話 猫耳
「…なかなか雰囲気あるね。」
「そうだな。」
今は平山と二人でお化け屋敷に入っている。
中は予想よりも暗くほとんど見えなかった。平山はさっきから少し震えている。
「…怖いのか。」
「まあ、ちょっとね。」
そんなことを話していると不意に横に光が当たった。そこには井戸みたいなものがあり、中から何かがゴソゴソと動いている。
「な、何かいない?」
「…確かに。」
自分の後ろに隠れようとする平山。自分は何故か本能的に身構えてしまった。
そうして何か出て来るのを待って数十秒。何かがいても出て来る様子はない。安心したのか平山が前に出てきた。
「なんだぁ、何もでてこな…」
「うらめしやぁ!!!」
「うわぁぁぁ!!!!!」
「…………」
中から出てきたのは白装束を着た浦澤が驚かしに来た。そして頭には何故か黒の猫耳が付いていた。そんな浦澤に平山はビビリまくっていた。
「あれ、先輩じゃないですか。遊びに来たんですか?」
「…まあ、近くに来たからせっかくならって。」
「そうなんですかー。」
「…というかなんで猫耳なんだ。」
「あ、これですか。可愛いでしょー。」
「…そういう問題か?」
確かに似合ってるかもしれないが、お化け屋敷にそれはどうなんだ。
「にしても…平山さん、ビビりすぎでしょ。」
「だ、だっていきなり来たから。」
平山は今も足が震えていた。どれだけ怖かったんだよ。
「逆に先輩はビビらなさすぎでしょ。もしかして仁王なんですか。」
「なんだその例え。…明らかに何かいますって感じだったからな。」
「え〜、じゃあ次からはもう少し分かりにくくしよ。じゃあ二人とも、またです!」
そういって浦澤は再び井戸の中に戻った。
…ライトが当たる時点で分かりやすいもにくいもないと思うが。
「はぁ〜、怖かった。」
「…………」
あんな猫耳お化けにどれだけ驚いたんだよ。




