79話 可愛い
「はぁ〜、これ動きにくいな。」
二日目、羽島が執事服をちゃんと着れているか聞いてきたので一通り見ていた。
「…ちゃんと着れてるぞ。」
「おう、さんきゅ。…お、紗羅も来たぞ。」
羽島がそう言い、足音が聞こえる方へ見るとメイドの服を着た紗羅が来た。
こちらに歩いて来る沙羅に何人かの男子と女子は見惚れていた。それほどに似合っていた。
「ど、どう?」
「え。…まあいいんじゃないか。」
「…そう。」
いきなり聞かれたのでとりあえず返すと紗羅は少ししょんぼりした様子になった。…なんで?
「ばっか奏。そこはもっと喜ぶようなこと言わないとダメだろ。」
「喜ぶこと?…あれじゃダメなのか。」
「当たり前だ。もっと『可愛い』とかそこら辺のこと言わないと。」
羽島は呆れたように言う。
それにしても何故そんなに紗羅は夏休みの時もそうだがそこまで自分の意見を求めて来るのだろう。『可愛い』なんて色んな人から言われているはずなのに。
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「さて、どこを回ろうか?」
「…適当に決めてくれ。」
文化祭の二日目が始まり、今日は担当ではないので自由に回っていいことになっている。今は平山とどこを回ろうか考えていた。
「あ、せっかくなら浦澤ちゃん達のとこ行こうよ。」
浦澤のクラスか。何をやるかは聞いていないが、代わりに荷物を持った時、ペンキや画用紙、カーテンなどがあった気がする。
歩いていると浦澤のクラスに着いた。教室には黒いカーテンがあり中が見えない。看板を見ると『お化け屋敷』とこれはまたシンプルなものがあった。
「あ、春祇先輩と平山先輩。」
「あれ、松川ちゃん。受付やってるの?」
「はい、私はあんまりお化け役とか苦手なので。」
教室の前には松川が受付をしていた。その松川も血のようなものが付いた黒いローブを着ていた。まさにお化け屋敷という雰囲気だ。
「二人とも、やっていきますか?」
「うん、こう言うの少し苦手だけど。」
と言うことで浦澤のクラスのお化け屋敷に自分たちは入っていった。




