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自分は静かに過ごしたい  作者: SO/N
五章 目立ちたくない存在(じぶん)
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67話 無限ループ

自分はいつものように走り出す。赤ブロックはつまづいた人がいて、四位にまで下がっていた。このペースでいけば一位はいける。普通は。

後ろを見るとちょうどアンカーの生徒会長にバトンが渡っていた。

すると瞬間、とてつもないスピードで生徒会長が追い上げてきた。三位、二位を抜かして行く。


「…まあ、良くやったな。」


自分はそう呟く。

このままくれば、最後の5メートル付近で抜かされるだろう。ぎりぎりで。

だが、それでいい。さすがに生徒会長には勝てなかったと、そう見ている人たちは判断するはずだ。目立つこともないし、何もおかしいことはない。今までもそれでやり過ごしてきたんだ。それで良いんだ。何も迷うことはないんだ。

走る距離は半分を過ぎた。


生徒会長はもう後ろ5メートルぐらいまでにきていた。これで部活をやっていないのか、才能ってやつは凄いな。


残り少し。もうゴールは目の前というところで生徒会長に抜かれた。


自分は横を見た。生徒会長が走る姿を。

その時、頭の中で何か聞こえた。昔聞いた声。隠れ鬼の時にも浮かんだ言葉。



(「わたし以外に勝負で負けちゃダメだよ。」)



まただ。なんで。隠れ鬼とは違う。ここでやってしまっては本当に目立ってしまうんだ。やめてくれ。だけど、『あいつ』を裏切りたくない。裏切ってしまっては自分は本当に生きる意味が無くなる。


「…ぁぁ。」


口から零れた。あいつ、との、約束は、守らない、と。

自分は一瞬、足の回転数を最大まで上げ、生徒会長を抜かし、少し差を開けた。


「な!?」


後ろから驚きの声が聞こえた。

もういい。生徒会長にくらいバレても、観客にバレてないはずだから。

生徒会長は自分が開けた差を縮めようとしたが間に合わず、自分は一位でゴールしてしまった。


「ゴーーール!!一位は赤ブロック!!!」


実況のマイクからそう叫び声が聞こえた。自分は手を膝につけて疲れたふりをする。

やってしまったのかもしれない。結局これでは自分のやったことが無限にループするだけじゃないか。何がしたいのか分からない。

自分はその場でしばらく頭の中を混ぜて考えたが、答えはでなかった。

ギリギリになってしまいました。すみません。あとお腹が空きました。

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