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自分は静かに過ごしたい  作者: SO/N
五章 目立ちたくない存在(じぶん)
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66話 勝手にしてくれ

「…怪我?」

「うん、羽島くんが棒倒しの時に足を捻っちゃったみたいで今は保健室にいるよ。それで代わりに春祇くんに出て欲しいの。」

「なんで自分?」


そこが疑問だ。記録では自分よりも速い男子はいるはずだ。


「春祇くんは対応力があると思って。」

「対応力?」

「他の男子だったら練習もしてないし、動揺したりしてうまく動けないと思って、春祇くんならいろんなことにすぐ対応できるし適任だと思うんだ。」

「…クラスメイトは反対しなかったのか?」

「まあ、疑問に思っていた人はいたけど説明したらみんな賛成したよ。無理とは言わないけどどうかな?」

「……………」


自分は目立ちたくない。リレーなんて出るだけで注目を浴びるだろう。悪いが断ろうと思い、口に出そうとした時、柏木や自分のクラスメイトがこちらに駆け寄って来た。


「頼む春祇!和也の代わりに出てくれ!」

「せっかく水嶋さんの推薦までもらったんだから頑張れよ!」

「春祇くんなら行けるよ!」

「………………………」


……………………………………。


「…分かった、やる。」

「本当!?じゃあ早く準備しに行かないと、行くよ春祇くん!」


水嶋が準備場所に歩き出し、自分もついて行く。

目立ちたくない。注目を浴びたくない。頼られたくない。なのにいつも何故望んでない方向に行ってしまう。何故頼られてしまう。なんで。


自分は、自分の行動に苛立ちを覚えた。
















ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー














リレーが始まり、二番目の走者が走り出した。

自分は羽島が出るはずだったアンカーを何故か任された。そんな大事な役目を何故自分に頼んだのか、分からないが。

全部で十二人なので、自分は十二番目だ。時間も少しはあり、状況を見ていた。

六走者目では赤と白と黄が一位争いをしていた。


「まさかお前がアンカーか?」

「…またあなたですか。」


横からまた生徒会長が出て来た。まあ足は速そうだし出ていてもおかしくはないが。


「俺もアンカーだ。また勝負になるな。」

「…そんなに足速くないですよ、自分。」

「へぇ。」


八走者目が出た。

生徒会長はまた何か引っかかるような言い方をしてきた。

この生徒会長はいつも何か言い回しが変な感じだ。それに自分はつっこんでみた。


「…なんですか、その言い方。」

「さぁな。」


十走者目。

肯定とも否定とも捉えにくい言い方だ。


「…………」

「…………」


十一走者目。黄が少し一位争いから外れてしまい、赤と白の勝負になっていた。

すると途中で赤ブロックの走者がつまづいてしまい、白とかなり差が開いた。

白の十一走者目の水嶋がバトンを渡す準備をしてきた。それに合わせて自分も準備を始め、走り出す瞬間、横から声が聞こえた。


「勝負だ。」


「春祇くん、頼んだよ!」


バトンを受け取り、走り出す。

勝負?勝手にしてくれ。自分はただ走るだけだ。

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