53話 松川蓮
…眠い。
自分は学校までの道のりで、そう思った。
今日から二学期だ。まあ二学期と言っても特別なことがあるわけでもなく、いつも通りに歩いていた。
その時、後ろから肩を叩かれ後ろを向くと如月がいた。
「おはよ!奏くん。」
「…ああ。」
相変わらずテンションが高い。どうしてこんな朝から元気なのだろうか。
「眠たそうだね。夜更かししてない?」
「十時間は寝たぞ。」
「結構寝てるね。じゃあなんでそんなに眠たそうなの?」
「いや、学校に行くのがめんどくさい。」
本当にめんどくさい。家に帰ってごろごろしたい。
「もう〜そんなこと言っちゃダメだよ。学校にはちゃんと勉強しに行かないと。」
「…夏休みの宿題を三日前まで忘れてた人に言われたくない。」
「いや〜、その節はありがとう〜。」
そう言って如月は軽く頭を下げる。
今は二人で学校まで歩いているのだが、やはり学校の有名人で人気の高い如月がいるせいなのか、少し目立つ。まあ、綺麗な金髪や顔なので、当たり前と言えばそうなのだろうか。
目立ちたくない自分としては、あまりいい気分ではない。そう思っていると今度は前から声をかけられた。
「あ、春祇先輩、如月先輩。」
「…松川か。」
「久しぶり〜松川ちゃん。」
前に松川がいた。そしてその隣には知らない人物がいた。
「…お前が春祇奏か。由那が世話になってるな。」
「…誰だ?」
「私の兄です。」
「え、松川ちゃんのお兄さんって…」
如月が驚く。
「俺は松川蓮だ。三年で生徒会長をしている。」
「私は如月美優です。よろしくお願いします!」
「…春祇奏です。よろしくお願いします。」
「ああ、よろしく。」
松川の兄、蓮は眼鏡をかけており、身長も高く美少年でまさに生徒会長という雰囲気を出している。
「じゃあそろそろ行くぞ、由那。」
「うん、二人も行きましょう。」
「そうだね。」
「…ああ。」
なぜか松川兄妹も加わって登校する。如月と松川は二人で喋ったりしており、自分と生徒会長はあまり喋らず淡々と歩いていた。
不意に生徒会長が自分に話しかけてきた。
「球技大会で観てたぞ、春祇。」
「そうなんですか。」
「サッカーも凄かったがテニスは普通じゃないくらいだったが何かやってたのか?」
「…たまたまですよ。テニスは少しやってましたけど。」
「………どうだか。」
生徒会長は少し引っかかるような言い方をした。何か知ってるのだろうか。少し聞きたい衝動に駆られたが、ここはあえて突っ込まないようにした。めんどくさそうだからだ。
五章が始まりました。と言うことで生徒会長の登場です。いつ出そうか少し迷いましたが、ちゃんと出番が取れてよかったです。
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