47話 鈍感系主人公
「う〜ん紗羅さんはどれがいいかな?」
「…百恵、これとかどう?」
「あ、これとかも似合うと思う!」
水嶋たちは今、紗羅に似合いそうな服を探している。自分はそれには参加せず、普通に夏服を見ていた。紗羅は嫌そうな顔をしながらなんだかんだ言って水嶋たちに協力している。本当に嫌なら紗羅は付き合わないはずなので、満更でもないのかもしれない。顔は嫌そうだけど。
「よし、じゃあ紗羅さん、これ着てきて!」
「…はぁ。」
水嶋に言われ、渋々試着室に入って行く。
「ねぇ春祇くん、春祇くんの服も探そっか?」
「いらん。」
「えぇ〜勿体無い。春祇くん素材はいいのに。もっとオシャレすればいいと思うけど。ねぇ如月さん。」
「え、いや、でもその服もいいと思うよ。」
素材が良くてもそれを生かせないのなら、自分は大した奴ではないと思う。と言うかさらっと水嶋にダサいと言われたような気がするが。
「まあこの服もいいと思うけど、何かもうちょっと欲しいよね〜。…あ、紗羅さん出てきた。」
水嶋につられて紗羅を見た。紗羅はさっきまでとは違い、上は白の半袖のブラウスを着て、下は黒のスカートと、色合い的にはあまり変わってないが、かなりオシャレな感じになっていた。
「……………どう?」
紗羅は出てきてこちらを見てそう言うとなぜか見つめてきた。なんだ?
「ほら春祇くん、紗羅さんが感想待ってるよ。」
「…そうなのか。」
「ほらほら、早く。」
水嶋に急かされたので、感想を言う。
「可愛くなったと思うぞ。紗羅の雰囲気に似合っている。」
「…………そう、ありがと。」
自分は思ったことを言うと紗羅は照れたのか下を向いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ねぇ春祇くん。」
「なんだ。」
紗羅さんのかなりいい感じの姿を見た後、紗羅さんが着替え直してる時、私は春祇くんに思ったことを言った。てか紗羅さん本当に似合ってたな。嫉妬しそう。
「春祇くんって恥ずかしげもなくあんなこと言えるんだね。」
「…なんのことだ。」
「ほら、紗羅さんのこと可愛いって言ってたけど羽島くんとかだったら多分あんなさらっと言えないと思うけど。」
春祇くんは鈍感だし仕方のないのかもしれないけど、それにしても平然とそんなこと言えるなんて。
まあそんなところに紗羅さんや如月さんは惹かれたんだと思うけど。
「別に恥ずかしいことじゃないだろ。」
「そうかな。…まさか言い慣れてるとか?」
まさか彼女とかいたりして!…まあそれはないか。
でもあの感じは言い慣れてそうだな。
「……可愛いに言い慣れるも慣れないもないだろ。」
「ま、それもそうだね〜。」
やっぱりただの鈍感系主人公なんだと、その時の私は思った。
ちなみに春祇は鈍感系主人公でも難聴系主人公でもありません。
感想や評価、ブックマークなどお願いします。




