42話 恋なんて
結果的に当初の約二倍の人数が集まった。流石に多すぎたので、男子と女子で二手に分かれて店に座った。
「相変わらず奏ってなかなか面白いな。」
テーブルの席に座って早々に赤崎が言った。
「どういう意味だ?」
「今日集まったメンバーもほとんど奏繋がりだろ。なかなか隅に置けないと思って。」
考えてみればそうかもしれない。だけど隅に置けないという意味は分からなかった。
「そういえば赤崎くん、なんで水嶋さんと北見さんと一緒にいたの?」
「ああ、俺も気になっていた。」
平山が言ったことに柏木もそう言う。
「水嶋とは昔同じクラスで、廊下でたまたまあっただけだ。北見は水嶋についてきてただけ。」
そこで自分たちがたまたま通ったことでこんなことになったわけか。とんだものだ。
「北見で思い出したけど平山は北見と知り合いだったんだ?」
「うん、この前北見さんの荷物を運ぶことがあってね、それで仲良くなった。…ていうかいつまで和也は項垂れてるの。」
平山が言う様に羽島は机に向かって項垂れていた。
「だってさ、だってさ。せっかくあんな豪華な女の子たちと来たのになんで席別々にしたんだよ!」
理由がしょうもなく、自分と赤崎と平山は呆れてた。
「そうだよな、せっかくうちの美少女たちと仲良くなれると思ったのに!」
「「「…………」」」
お前もか、柏木。
「まあ、確かに凄いよな。これも奏のおかげか。」
「そうだよね〜。」
「…自分は何もしてないぞ。」
「またまた〜。」
そう、自分は何もしていない。何も、したくない。
そう思っていると、柏木はこんな事を言い出した。
「春祇て、誰か好きな人いないのか?」
「…なんだ急に。」
「あ、確かに少し気になる。」
「まああんなに紗羅とか如月さんとか水嶋さんとか浦澤とかいろいろいるんだし、なんかないのか。」
「………………」
………好きか。………ないな。
自分は自然に言った。
「そんなこと、あるわけないだろ。」
「えーー。」
「お前らこそどうなんだよ。」
自分は話しを変えた。
自分に恋なんてない。一度も、これからも。




