36話 嬉しかった
「話が逸れたが、自分と如月は昔、どういう仲だったんだ?」
自分はそこが気になった。別にフレンドリーでもないし、自分から如月に寄ったりはしなかったはずだ。
如月は昔を懐かしむように答えた。
「まず私はね、小学校、中学校そろって転校することが多かったの。私人見知りだし、この髪の色のせいもあって友達ができなかったの。
奏くんと会ったのは小学四年生ときだったね。二カ月だけ奏くんの学校に転校したの。その時も相変わらず私は一人だったけど、ある日私が帰る道で転んじゃって。」
そこから嬉しそうな顔をしながら如月は言った。
「そこに偶然いた奏くんが心配してくれて、あの時は嬉しかったな〜、で、そこから奏くんと仲良くなれていっぱい遊んだりしたの。」
「…そうなのか。」
「まあ、そこから二カ月経って転校する事になった時に奏くんは言ってくれたの。「転校しても友達だ」って。」
そんなこと言ったのか自分。今じゃ考えられない。
如月は改めて言う。
「だからね、奏くん。やっと再会できたし、昔と同じように仲良くしてほしいな。」
こんなこと言われたら誰でもそうするだろう。
でも、如月が求めてるものは、自分にはもう失ってしまっている気がする。
「………自分で言うのもどうかと思うけど、昔と自分は変わったし、お前の知ってる…」
「そんなことない!」
大声で如月が叫んだので、口が止まってしまった。
「確かに私の知ってる奏くんとか変わったけど、けど、わ、私は…」
そこまで如月は言うと顔を真っ赤にして俯いてしまった。何を言うつもりなんだ?
「と、とにかく奏くんは奏くんなの!」
「は、はぁ…」
何か勢いで誤魔化された気がする。
「だから、仲良くして?」
「…分かった。」
「良かった〜。」
…なんなんだ、こいつは?そこまでして自分と仲良くしたいのか?自分に価値など無いし、自分と関わったところで何も得るものなど無いのに。
その理由は今の自分では理解出来なかった。
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「むふふ〜。」
私は自分の部屋の中で気持ち悪い笑い声をだしていた。でも、それくらい嬉しかった。また奏くんと一緒の学校に行けることが。
「奏くん〜。」
まさか同じ学校なんて思ってもみなかった。
奏くんは昔とは雰囲気や言葉遣いが変わっていたりもした。現に昔は『俺』だったのに『自分』になっていた。
でも、奏くんは優しい、そこは変わってなかった。まあその優しさがたまに傷なこともあるけど。
奏くんは私のことを覚えてなかった。それはショックだったけど、
「絶対思い出させる!」
私はそう決意した。奏くんに記憶を思い出さして、そうしたら、そうしたら………
「うぅ〜」
それを考えたら、頭が熱くなった。私って意外と乙女なのかな。
それにしても一つ気になったことがあった。奏くんの髪の毛で見えにくかったけれど、目が、私の知っている目じゃなかった様な気がする。なにか遠くをみる様な、ここにない様なものをみている、そんな感じがした。気のせいかな?
最近起きたらいつも12時ぐらいです。生活リズムがひどい。
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