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自分は静かに過ごしたい  作者: SO/N
2章 球技大会
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30話 勉強会

球技大会が終わった。けれど周りの雰囲気はあまり浮いたりはしていない。それも、来週は中間テストだからだ。


「なあ奏、勉強出来てるか?」


平山と勉強していると羽島がこちらに暇そうにしてきた。


「羽島こそどうなんだ。」

「俺は大丈夫だ。週末に詰め込むから。」

「とか言っていつも低いじゃん〜。」

「うるせ、今度こそいける。赤城こそどうなんだ?」

「僕は毎日勉強してるよ。」


羽島はいつも赤点ギリギリなことが多い。逆に平山はいつも家で勉強しているらしいので、いつも上位に組み込んでいる。


「で、奏は?」

「大丈夫だ、英語以外は。」

「また英語かよ〜。」

「奏はいっつもそうだよね。」


自分はあまり勉強出来る方ではないが、ちゃんと勉強すればそこそこは出来る、英語以外は。

何故か英語だけはいくら勉強してもなかなか出来ない。理由は自分自身でもよく分からない。


「どうするんだ?英語。」

「まあ、自分でなんとかする。」


結局今まで赤点は逃れたからなんとかなるだろう。そう思いながら今日を過ごした。









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー










金曜日の夜、家で少しだけ勉強していると、携帯が鳴った。紗羅からだった。


『もしもし。』

『奏、勉強できてる?』

『まあ。』


今は10時だ。こんな時間に何の用だろう。


『英語、大丈夫なの?』

『多分大丈夫だ。』


というか幾ら何でもみんな自分の英語のこと心配しすぎだろ。なんかしたか?


『ほんと?』

『ああ。』

『ほんとのほんと?』

『....ああ。』

『ふ〜ん。』


なんだその反応。どんだけ信用無いんだ。


『やっぱり心配だから、明日うちにきて。』

『え、いやそこまでしなくても....』

『昼くらいにきて、それじゃ。』


紗羅はそういうと電話を切った。


「はぁ.....」


紗羅の家か.....遠く無いからいいけど、なんでそこまでするのだろう。その理由が自分には分からなかった。








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー









一時ごろ、自分は紗羅の家の前にきた。

紗羅の家は富豪と言うほどでも無いが少し金持ち感が溢れる家だ。おそらく親はそれなりに稼いでいるのだろう。

インターホンを鳴らすと紗羅の声が聞こえた。


『奏、鍵は空開いてるから入って。』


言われた通りに家の中に入る。紗羅の家の中は、廊下が広くなかなか豪勢だった。


「こんにちは、奏。」

「ああ。」


紗羅は階段の前に立っていた。服は普通の部屋着だったが、その割には黒と白がベースのなかなかオシャレなものだった。


「とりあえず二階の私の部屋に行こ。」

「分かった。」


紗羅についていき、階段を上がる。


「そういえば、両親はいないのか?」

「今日はどっちも仕事で夜遅くまで帰ってこない。」


そんな時に年頃の男子を家にあげていいものなのか気になったがそんなに気にしてないのだろう。まあ、自分のことを男として見ていないのだろうが、それはそれでどうなんだろう。

紗羅の部屋は、特に何もなく最低限の家具があった。


「....ねぇ。」

「なんだ?」

「私の今の服とか部屋とかって変じゃ無いよね....。」

「なんでそんなこと聞くんだ?」

「私って友達とかいないから、今時の女の子の部屋とか服とか分からなくて、…おかしいかな?」


紗羅は少し恥ずかしげに言う。紗羅は学校でも自分たちとしか喋らないからそういう知識が無いのだろう。まあ自分もあまり知らないけど。


「確かに今時の女子は流行やらなんやらに乗ってオシャレとかしてるかもな。」

「やっぱり?」

「でも、自分はこの部屋や紗羅の服とかシンプルでいいぞ。それに流行よりも自分らしさがある紗羅のほうが好きだぞ。」

「……ん、ありがと。」


紗羅は顔を赤らめながら言う。

周りの空気や雰囲気に流されて自分自身を出せないような人よりも、どんな時でも自分の意志を持って行動できる奴の方が好感を持ってる。


「そろそろ勉強しよ。」

「ああ、そうだな。」


そう言い自分たちはテーブルに座り、勉強を始める。

この時、何故家にまで呼んで勉強を教えてくれるのか、それを聞くのを忘れていた。

まあそれはまた別の機会に聞いておこう。








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー









勉強を始めてからもう何時間が経ち、気付けば夕方になっていた。その時、家の玄関からドアの開いた音が聞こえ、女の人の声が聞こえた。


「紗羅〜帰ったよ〜」

「お母さん?なんでこんな早く?」


お母さん?紗羅が確か夜遅くまで帰ってこないと言っていたが、何故こんな時間に?

紗羅のお母さんらしき人が部屋に入ってきた。


「あら、....まさか、紗羅の彼氏?」

「違う!」

「またまた〜照れちゃって!」

「違うから!」


紗羅と紗羅のお母さんが言い合っている。一応自分も否定しておこう。


「自分は勉強を教えてもらうために来ただけで、彼氏とかじゃありません。」

「あらそうなの〜ざんねん。」

「もう…」


なんか紗羅とは違ってってなんかテンションとか雰囲気とかが全然違う。髪の色とかは紗羅と同じ銀色だから親子には見えるが。


「夜に帰って来るんじゃなかったの?」

「あー今日の仕事は早く終わっちゃって、早めに帰って来ちゃった♪」

「「………………」」


紗羅のお母さんはてへ、みたいな感じで言うが歳的にどうだろう。見た目は若々しくとても美人で二十代にも見える。実際は知らんけど。


「………でも、良かったわ。」

「何がですか?」


その言葉が引っかかったのでつい聞いてしまった。


「愛華って今まで友達とかいらないとか言って全然同年代の子と遊んだりしなかったの。でもあなたは誠実そうだし、愛華も家に入れたりするほど信頼している人だから安心して愛華を頼めるわ。」

「お母さん…」


どうやら、紗羅のお母さんは紗羅がいつも一人でいることを心配していたらしい。


「別に自分は誠実でも無いですし、紗羅にそんなに信頼されているわけじゃ無いと思いますけど。」


紗羅のお母さんに言われた、『誠実そう』だとかは自分には正反対の言葉だと思っているのでそう言う。


「あら〜そういうところがますます気に入ったわ〜。愛華の婿に来てもらいたいぐらいだわ〜。」

「お母さん!変なこと言わないで!」

「も〜愛華だってまんざらでも無いくせに〜」

「!!…もう!!」


それから二人は十分くらいなんともいえない話で言い合っていた。紗羅にはさぞかし嫌だろう。自分が婿になるとか。

というか紗羅も家ではこんな感じなんだな。学校とは大違いだ。

まあ、そんなことより、早く帰りたい。

今回は2.5章ということで、少しラブコメっぽい話を入れてみました。こんな感じでしょうか。

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