25話 懐かしく
サッカーで優勝したあと、みんな教室で優勝を祝っていた。
「よっしゃーー!このままバスケでも勝ってやら!」
「やったれー羽島!」
すぐ横で羽島を中心に盛り上がっている。うるさい。
「はぁ.....」
「どうしたの?疲れた?」
「いや、明日もあるんだなって。」
「テニス?」
「ああ。」
自分は隣で同じように暇そうな紗羅と喋っていた。
「なんで、水嶋とテニスやることになったの?」
「あっちから頼まれたからな。」
「....そんなに仲よかったっけ?」
紗羅たちには水嶋のことは特に伝えてないので、誘われた理由などに疑問が残るだろう。
「....まあ色々あったんだよ。」
「色々って?」
「色々は色々だ。」
「むぅ.....」
少しむくれながらも引き下がってくれた。と思いきや小声で「色々ってなによ、少しぐらい言ってくれても....」など呟いていた。どんだけ気になってんだよ。
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トイレに行き、出てきたら何故か赤崎がいた。偶然にもほどがあるし、誰か待っていたのか。
「やあ春祇、偶然だね。」
自分かよ。
「偶然の割にはよく今日は出会うな。」
「あ、ばれた?」
「バレバレだ。」
赤崎はそういうと笑った。
「で、何の用だ。」
「いや、活躍したエースを労おうと思って。」
「うちのエースなら教室にいるぞ。」
「とぼけるなって、あの最後の試合のエースは春祇だろ。」
「どこが?」
「あの羽島と連携したプレーもあったけど、俺がシュートしようとした時春祇の足がボールに当たってシュートがずれた、ほとんどの人は当たったことすら気づいてなかったけど....」
「.........」
「はなから俺を止める気なかっただろ。どうせわざとぬかせてシュートをずらす気だったとかなんだろ。」
....さすが、赤崎にはばれてたか。
あの時、自分は赤崎からボールを奪う気なんて最初からなく、シュートしようとする瞬間にボールに触ってゴールを防ぐのが最初からの作戦だった。
「....買いかぶり過ぎじゃないか?」
一応とぼけておく。
「否定はしないんだな。買いかぶられてるかは春祇自身が分かるだろう。」
「はぁ....話はそれだけか。」
こいつのペースに乗せられたらめんどくさいので、早々に切り上げる。
「いや、もう一つ聞きたい事があって。」
「なんだ。」
「なんであの水嶋とダブルスを組むんだ?」
またこの質問か。どんだけ有名なんだよあいつ。今までにも、何人かの男子に聞かれた。まあ興味本意からや、嫉妬などもあったが、赤崎はそのどちらでもなさそうな雰囲気だった。
自分は何度も他の人に言っていたことを言う。
「水嶋に言われたんだよ。テニス経験者とやってみたいんだと。」
「....なんとも言えない返しだな、そんなので他の人たちは納得したのか?」
「さあ。」
正直自分も強引な言い分だと思う。けどまあ、これでいいだろう。
そう思っていると赤崎から少し予想外の質問がきた。
「春祇....いや奏はなんで組む気になったんだ?」
「.................。」
....なぜだ?そう言われても分からん。
「別に水嶋のことが好きってわけでも無さそうだし、俺にはそこが謎なんだ。」
「........」
多分水嶋じゃなくても頼まれたら『テニスのダブルス』を組んだろう。それは、自分にも分からない。いや、分かり、たくない。
「....さぁな、分からん。」
「そうか、それは残念だ。」
「じゃあ戻るから。」
これ以上考えるのも虚しくなるので、その場を去る。
「あ、ちなみに俺はバスケにでるから、暇だったら見ていってよ!」
「.....ああ、そうか。」
そう言うと笑いながら赤崎は戻って言った。
自分にはそれが何故か『?????』見えた。




