24話 幼馴染
「やったな、奏!」
「ああ。」
試合が終わりベンチで休憩しようとすると羽島が拳を突き出したので、その拳に合わせる。
「というかいつ赤城とポジション交代したんだよ。」
「時間が無かったんだよ。」
「ま、赤崎が最後に焦ってミスってくれてよかったよ。」
「お〜い。」
羽島と話していると、トイレから戻って来た平山が来た。よく見るともう一つ小さな影が見えた。体格から見るに女だった。
「和也〜妹さんが「お兄ちゃ〜〜ん!!」....え。」
「グハァーー!!なんだよ、南!」
「えへへ〜頑張ったお兄ちゃんを労おうと思って〜。」
「暑苦しいから離れろ!」
........みんな思っただろう。自分も呟く。
「「「「「なんだ、これ........」」」」」
この場にいた全員がそう呟く。みんな目が点になっていた。柏木が未だ抱きつかれている羽島に聞きに行く。
「なあ、和也。それ妹なのか?」
「あ、ああそうだ「血は繋がってない義理の妹です!」.........」
「お、おうそうか。名前は?」
「高校一年、将来の就職先はお兄ちゃんの嫁の予定です、羽島南です!」
「そ、そうか。頑張れよ。」
「なにを頑張るでしょうかね、鷹よ?てかいい加減離れろ!」
そういうと南という人物はやっと羽島から離れた。あの誰にも話せる柏木もなにやら置いてきぼりな感じだった。
「もう、せっかく嫁がきたのに、なんなのその反応!」
「いつからお前の夫になったんだ!」
「なんでよ、小学校の時に約束したじゃん!結婚してくれるって!」
「そんな昔のことは関係ないだろ!」
「関係あるよ。浮気したら許さないからね!」
羽島と南はそれからも色々言いあっていた。それを見て平山と柏木が何かを悟った感じで喋った。
「なあ、春祇、平山。」
「なに?」
「なんだ?」
「愛って、凄いな。」
「そうだね。」
あえてもう一度言おう。
「なんだこれ。」
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「じゃあ、またあとでね〜お兄ちゃん!」
しばらくして南が同級生のところに戻った。
「ったく、なんであいつがきたんだろうな。....ってなんだお前ら、その目。」
「おい、なんだよあの子は、めちゃくちゃ可愛いかったぞ!」
「妹なのか、やけに仲が良かったぞ。」
「血の繋がってない妹なんて、どんなラノベだよ!羽島よ!」
「だぁーもううるせ!」
うるせーなこいつらは。あいつがきただけで騒ぎ過ぎだろう。
「ねぇ和也。血の繋がってない妹って.....」
「ああ、言ってなかったか?あいつとは幼稚園の頃からの幼馴染でさ、小学校の時に南の両親が交通事故で亡くなってさ。それでうちの親が南を引き取ったんだよ。」
「そうなんだ。」
俺の親と南の親は仲が良く、あの時のあいつを見たらほっとけなくて俺が頼んだ。よく考えたらけっこうむちゃだったな。
「にしてもあいつはいつまで俺にひっついてるんだろうな、可愛いんだからさっさと彼氏でもつくってほしいもんだな。それなのにあんな冗談ばっか言うんだよ。」
あいつはいつも俺にあんなこと言ったりしてくるし、夜とか「夜這いだー!」とか言いながらベッドに入ってくるし困る。
「あれを冗談と思ってんのか?」
「冗談以外になにがあんだよ、なに?南が俺のことを好きだとでも思ってんのか?鷹よ。」
「和也も奏と同じだね〜。」
「なんで自分が出てくるんだ。」
奏からツッコミがきた。なにが奏と似てんだろうな。
「なあ羽島。」
「なんだ?」
「幼馴染いたんだな。仲良かったのか?」
「ああ、まあそこそこ。」
「そうか。」
奏はそれを聞いたあと、一瞬だけ表情が変わった。羨むような、虚しそうな。俺にはよく分からなかった。




