16話 負けず嫌い
放課後、帰っている途中に携帯が鳴った。水嶋だ。学校でナチュラルに番号を交換させられた。(ちなみに羽島たちも交換させられていた。羽島は凄く喜んでいた。)
『もしもーし!』
「なに?」
『君の声が聞きたくーーーー』
なにをしたって?きっただけだよ。
もう一度鳴った。
『すみません。』
「で、何の用だ?」
『球技大会のダブルス、組んでくれる?』
「その前に、なんで自分と組もうとしてるんだ?」
『君ってさ、実は運動神経いいよね。隠れ鬼の時も凄く速かったし。』
「....そうか?」
『まあ、なんと言うか君がどんな人か知りたいんだよ。好奇心好奇心。』
なんだその理由。
「正直やりたくないんだけど。」
『なんで〜この私とダブルスできるなんてありがたいと思うんだけど。』
確かに水嶋とダブルス組みたいと言う人はごまんといるだろう。でも自分は....
「目立ちたくないんだよ。自分はだからーー」
『組まないと、学校の人たちに有る事無い事言っちゃうよ。』
「....脅すなよ。」
『てへ♪』
なにそれ腹立つ。言わないけど。
「.........」
『な、なんか言ってよ。恥ずかしい。』
「でも、組んだら組んだでそれこそ有る事無い事言われそうだけど。」
『それは大丈夫。私の権力を使えばみんな信じるから。』
その言葉に納得してしまう。確かに水嶋が言えばみんな信じるだろう。立場様々だな。
『と言うことで、組んでくれるよね?』
「...............はぁ、わかったよ。やるよ。」
いくら言っても多分水嶋は誘ってくるだろう。折れたほうが早い。面倒くさいけど。
『本当?ありがとう!』
「もう一度聞くけどなんで自分と組むんだ?」
『さっきも言ったけど、ただの好奇心。君がどんな人間か知りたいの。それに....』
「それに?」
『私だけキャラ見破られて悔しいの。だから春祇くんがどんな人か見極めるの!』
「負けず嫌いだな。」
『春祇くんもね。じゃあね!』
そう言うどんな人通話が切れた。
「.............負けず嫌いか。」
そんなんじゃない。
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「あーアッツ!」
羽島が呟く。
今は球技大会に向けてクラスで自分たちはサッカーの練習中だ。ちなみにポジションは、羽島はフォアード、平山はディフェンダー、自分はミットフィルダーだ。
「エースがそんな調子じゃどうするんだ。」
「わかってるよ、奏。俺はエースとして頑張るよ。」
キャプテンは部活でもエースの羽島がやる事になっている。少し不安だが。
「それはそうとお前、水嶋さんとダブルスなんて羨ましいぞ!」
「.....そういえばそうだったな。」
「忘れてたのか!?」
だって練習もそんなにやってないし。やらないのかと水嶋に聞いたら、「各自で練習でお願い」とのこと。水嶋も忙しいらしい。
「そんなんで勝てるのか〜?」
「わからん。」
「おいおい、しっかりしろよ。水嶋さんにあまり迷惑かけんなよ。」
迷惑かけられたのはこっちだけどな。




