15話 ダブルス
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(「奏くん!一緒に帰ろ!」)
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(「奏くん起きて。次移動だよ。」)
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(「たまには遊ぼうよ、奏くん!」)
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それは消えた。
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「.....朝か。」
目が覚めた。醒めたくなかったかもしれない。
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「球技大会何にでるー?」
平山が言う。
今は五月中旬。この頃になるとうちの高校は球技大会が2日に分けて始まる。この球技大会に向けて授業も減って、体育が多くなる。学生にとっては嬉しい限りだが、球技大会の二週間後はテストが始まる。辛い。
「俺はサッカーだな。あとはバスケにでようかな。紗羅と奏はどうすんの?」
「私はサッカーだけでいい。」
「自分もサッカーだけでいい。」
「なんだよー奏。活躍してモテたくないのか?」
なんでそっちにいくかね。羽島は。
「和也こそテニスやったら、一番目立てるんじゃないの?」
「それを言うなよー赤城。俺がラケットを使う競技苦手なの知ってるだろ。」
「まあね。」
球技大会はサッカー、野球、バスケ、テニス(ダブルス)があり、サッカーか野球のどちらか一つは必ずでなければならない。バスケとテニスは出ても出なくても自由だ。
「ねぇねぇ春祇くん!」
「うぉ!み、水嶋さん?!」
なんで羽島が驚いてんだ。まあ、自分も少し驚いたけど顔にださなかった。
「私とテニスのダブルス組まない?」
「.....なんで自分なんだ?」
「いやー自己紹介の時春祇くん、テニスをやっていたって言っていたよね。せっかくだし、経験者とやってみたくて。」
水嶋がそう言うと『ちょうど』チャイムが鳴った。
「あ、鳴っちゃった。また後で返事よろしく。」
水嶋は席にもどる。まあとなりだけど。
羽島は「なんで奏なんだ!」と言っており、自分たちはそれを見て呆れてた。
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「へー水嶋さんに誘われたんですね。」
「知ってるのか、水嶋を?」
「水嶋さんは有名ですよ。知らない人はいません。」
そんなに有名なのか。じゃ今まで知らなかった自分はなんなのだろう。
最近は昼休みにたまに浦澤と屋上で喋ることが多くなった。屋上で会うたびお菓子を貰ってる。
「クッキーどうでした?」
「味はいいけど、もう少し焼いてもいいと思う。」
「分かりました!いや〜春祇先輩のアドバイスは的確ですね。クラスの人たちは『美味しいね!』とかしか言わないですよ〜。」
浦澤はメモをしながら色々喋る。
「それで、水嶋さんと組むのですか?」
「わからん。」
「私と組んでもいいですよ?」
「遠慮しとく。」
「つれないですね〜」
テニス、バスケは学年、男女問わず組める。サッカー、野球はクラス内、男女で別れている。
そうこうしているうちに予鈴が鳴った。
「次はマカロン作ってきます!あと次は友達連れてきます!」
「ああ、わかった。」
「それじゃさよなら〜。」
自分は浦澤と別れ、屋上を後にした。




