99話 赦さない
自分は墓に積もった雪を除け、しゃがんで墓を眺める。
去年も来た、同じ日に、同じように。
…いや、同じようにじゃないな。
「…なあ、詩歌、聞いてくれないか。」
手を合わせ、目を瞑る。
…自分はどうすれば良いんだ?
自分はお前を救えなかった。幸せにできなかった。あんな言葉を言わせてしまった。それを悔やんだ。自殺してやろうとも何度か思った。だが、それは違うと、一番やってはいけないことだと。
だから、
もう一人で過ごそうと。誰とも深く関わらず、静かに、ひっそりと、それが罪を償うことになるかは分からないけれど、ただ逃げてるだけかも知れないけれど。それで良い。もう誰かのあんな顔を、言葉を聞きたくないから。
なのに、
増えていく。いろんな人が、出会いが。誰とも関わらないように…いや、それは違うか。関わりたくないと思っていたのに、勝手に増えていく。ついには告白なんてされたが。もちろん断った。そんな資格ないから。
なんだったんだ、あの時の決意は。一人で、独りで生きていくなんて思ったくせに。自分で自分が嫌になる。元々好かないが。
人生はやり直せない。それは分かっている。なら、どうすれば良いんだ…なあ…
「……………」
返事は、来ない。当たり前、だが。
…………………………………。
………自分なりに、考えるしかない。苦しいけど、辛いけど。
ただ、二つ分かっていることがある。
一つ、自分はこんなことを思っているが、誰かと関わりたいと本心はいっていること。
二つ、そんな自分を赦さない。自分は、俺は、そんなこと、誰にも許されてないから。
自分は、傘を差し帰るために歩き出した。
だが、まだ終わらなかった。
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