余生闇精霊は仕事中2
今日はシグさんのところで
アルバイトだよ。
ダメージがな...。
「シグさん、お茶です。」
私は言った。
「ありがとう、ちか」
シグさんが微笑んだ。
本当はシグルト王太子殿下って
言わないといけないんだけど。
シグさんが、シグでいいと言い張ったので
そのままです。
エーシア商会のバイトに比べれば。
楽すぎです。
やりがいはエーシア商会の方がありますけどね。
「やっぱり、グーレラーシャ式、執務室運営法は正しかった。」
秘書官のビエラ・デアーチィエさんが
言った。
グーレラーシャ式執務室運営法?
なにそれ?
「シグルト殿下に使えないって言ってましたよね。」
ニコニコとシルベール・ファエウ内務官
が言った。
「ええ、早く寝所にはべってもらいたいです、どのくらい効率が上がりますかね。」
デアーチィエ秘書官が言った。
寝所にはべるってなにさ?
おばちゃんをからかわないで欲しいです。
それ私の仕事に含まれませんよ。
「...ちかが引いている。」
シグさんが冷たく言った。
「殿下、正直じゃないですね♪」
デアーチィエさんが
ニヤニヤしながら言った。
からかっていいんかい。
「...仕事に戻れ、デアーチィエ秘書官。」
ますます冷たくシグさんが言った。
「はい。」
デアーチィエ秘書官は
隣の部屋に出ていった。
わー、冷凍王子?ってこういうこと?
...ちがった、えーと、寒そうなあだ名だったんだけどな。
「冷凍王子じゃなくて、北極王子だっけ?雪国王子?」
私は呟いたらしい。
「冷凍王子...北極王子...雪国王子?」
ファエウ内務官の肩が揺れてる。
シグさんも額に手を当ててる。
「ああ、ゆきんこ王子?」
私は言った。
とたんファエウ内務官は爆笑した。
「それいいですよ、今度からゆきんこ王子で決定ですよ!吹雪の王子より数倍良いですよ。」
ファエウ内務官が言った。
ああ、そうか、吹雪の王子だ。
「ハア、まあ、ちかならなんと呼んでも構わないけど。」
シグさんが微笑んだ。
なんか、ため息つかれたよ。
「ごめんなさい、シグさん。」
私は言った。
おばちゃんだから関係無いこと忘れるんだよね。
「いいんです、少し休みましょうか?」
シグさんが応接セットの方に出てきたので
お茶を入れ直してもらって、ローテープルにおいた。
しまった!油断した!
「膝の上にのせないでください。」
私は言った。
「癒しなので嫌です。」
シグさんが微笑んだ。
「僕は仕事に戻りますね。」
ファエウ内務官が逃げた。
おーい、頼むよ。
おばちゃんをこのゆきんこ王子の
お茶介助から救ってから
仕事に戻っておくれー。