余生闇精霊は仕事中1
カイトの若旦那に
到着した荷物のデータを送信っと
「ちか、荷物が届いたみたいだな。」
カイトの若旦那がわざわざやって来た。
「オスペナ知識国から家具類が届いたようです。」
私は言った。
エーシア商会は貿易をはじめ
その他、食料品や衣料品、
果ては、医療品まで扱ってる
総合商社のようです。
「ちか、使えるな♪なかなか、通信機と大型通信機を今まで使ったことがないなんて信じられないな♪」
カイトの若旦那が言った。
「こう言うの元々好きなんです、端末に似てるし。」
私は言った。
大分体力が戻ったので『エーシア商会』で
アルバイトをしています。
シグさんは大反対です。
何したいんだろう?
アルバイトに出るようになったら、
マリオンさんたち王宮の人たちの
態度が軟化しました。
やっぱり、松本さんがなんかやらかしたらしいです。
週に3日ほど、いまのところ
エーシア商会の商品管理室で
働かしてもらってます。
現場な人だったので
一日大型通信機の前って新鮮です。
「まあ、無理せず、やってくれ。」
カイトの若旦那が言った。
「はい。」
私は言った。
「アイカワさん、悪いんだけど、カイト坊っちゃんと品物チェックしてきてくれる?」
ハーシェル管理室長が言った。
なにくれと面倒みてくれていい人なんだよね。
「はい。」
私は笑いをこらえて言った。
カイト坊っちゃんって言われてるんだ。
「ハーシェルのおばちゃん、坊っちゃんはやめてくれよ。」
カイトの若旦那が言った。
「失礼いたしました、つい。」
ニコニコしながらハーシェル管理室長が言った。
「まあ、親父が若い頃から勤めてるおばちゃんからすると坊っちゃんに見えるかもだけどよ。」
カイトの若旦那がぼやいた。
ふーん、昔からいる人なんだ。
貿易用の商品倉庫には
オスペナ知識国からの家具類が
並べられていた。
螺鈿細工が美しい机や
エキゾチックなソファー等
高級品ばかりだ。
「いいもん、仕入れられたみたいだな♪」
カイトの若旦那が言った。
「はい、良い家具職人を見つけまして。」
仕入れ担当者さんが言った。
きっと、目玉が飛び出るくらい高いんだろうな。
沢山の家具類を通信機を使って
チェックしながら思った。
「シグルト王子からのあずかりものって、あの人ですか?」
仕入れ担当者さんが言ってるのが
聞こえた。
「あずかりものって言うか、うちのアルバイトだ、使えるぞ。」
カイトの若旦那が言った。
なんか、認められたみたいで嬉しいな♪
シグルト王子のあずかりものじゃ
過保護な子供みたいだしね。
「シグルトの想い人なのは確かだがよ。」
カイトの若旦那が面白い事を言った。
「へー、シグルト王子は女性に冷淡なのに...変わるもんですね。」
仕入れ担当者さんが言った。
シグさんの事知ってるんだ。
え?女性に冷淡?
シグさん、すごい甘い人だけど?
なんか、油断すると膝の上に乗せて
お茶とか飲ませようとするし。
食事介助されるまで、おばあちゃんじゃないです。
「ワソラン、機会があってら見てみろ、悶絶するほどあめーぞ、ちか限定だが。」
カイトの若旦那が言った。
「そうなんですか?」
仕入れ担当者ワソランさんが言った。
まあ、おばちゃんを
いたわってるだけですよ。
「カイトの若旦那、チェックしてください。」
私は言った。
一人じゃ終わんないもん。
「おお、わかった、シグルトが迎えに来るから見てみろよ。」
カイトの若旦那は
ワソランさんにそう言って
チェックし出した。
まあ、忙しい癖に
シグさん迎えにくるもんね。
エーシア商会の寮借りようとしたら
超反対されたもん、
マリオンさんにもだよ。
週の残りは実はシグさんの
執務室でお茶汲みバイトです。
お茶専門の侍女さんがいるので
お茶をシグさんに出す位なんです。
そこで膝の上抱っこされたり。
ああ、ダメージだよ。
エーシア商会オンリーにバイトしたいけど
シグさんに恩あるしな...。