余生闇精霊は療養中2
あー、退屈だよ。
仕事したいな...。
シグさん過保護過ぎです。
「ちか様、お茶でごさいます。」
マリオンさんがお茶を出してくれた。
「ありがとうございます、一緒にのみませんか?」
私は言った。
「いいえ、結構です。」
マリオンさんが言った。
なんかマリオンさんも他の人のよそよそしいんだよね。
なんか、私したかな?
「今日は、先王陛下がお見えになるそうです。」
マリオンさんが言った。
先王陛下って前の王様の事だよね。
…わー、無理、絶対無理。
「私、調子悪いから…。」
と言う事でお断りしよう。
「そうなんだー、大丈夫ー?黒髪の綺麗なお嬢さん。」
扉のほうから金髪の美老人が入って来た。
「シャルル様。」
マリオンさんが綺麗なクレシアの礼をした。
「マーちゃん、御苦労さま、ちょっと、彼女とお話したいから下がっていてね。」
先王陛下が言った。
「かしこまりました。」
マリオンさんはそういって下がった。
マーちゃんはスルーですか?
「僕はシャルル・クレシア、シグルトの祖父だよ。」
先王陛下が明るく言った。
シグさん…シグルト殿下は王子様だったのか…。
通りで育ちがよさそうなはずだよ。
「はじめして、相川千嘉です。」
私はお辞儀をした。
「うーん、ズバリ聞くけど、君、シグの事もてあそんでる?」
先王陛下が言った。
「…もてあそべるほどの魅力はないと思いますが…。」
私は言った。
もてあそぶ?なんでそんな発想になるのさ。
「…そうか…うん、じゃ、いいや、僕の事はグランパ・シャルルでおねがいね。」
急にニコニコと先王陛下が言った。
「そんな恐れ多い事いえません。」
言ったとたんに不敬罪で投獄とかいやだし。
「うーん、君たち明正和次元人は、一人をのぞいて遠慮深いなぁ。」
先王陛下が言った。
一人を除いて?まさか松本さんじゃないよね。
「ルナちゃんはすごくフレンドリーだったのに…。」
先王陛下が言った。
やっぱり、松本さんらしい。
「すみません。」
一応謝っておこう。
「うん、僕、遠慮深い方が信用できて好きだからいいよ、本当にグランパ・シャルルって呼んでよ、ちーちゃん。」
先王陛下が言った。
ちーちゃんですか?…小学校以来です。
「グランパ・シャルル陛下、私別にシグさん、シグルト殿下と付き合ってません。」
これ聞きに来たんじゃないの?
「うん、知ってるよ、シグが一方的に熱あげてるんでしょ?」
グランパ・シャルル陛下が言った。
熱あげられてる?おばちゃんだから労られてるだけだと思うけど…。
「おばちゃんだから、優しくしてくれてるだけだですよ。」
私は言った。
「わー、報われないね、まあ、僕はシグはミニクロウサちゃんといい感じになってもらいたかったけどね。」
グランパ・シャルル陛下が言った。
ミニクロウサちゃん?
たぶん、女の子なんだろうけど
「いいんじゃないですか?」
私は言った。
私は諸事情により、恋愛はしたくない。
シグさんの回りには多分若い女性ばかりだから
私みたいなおばちゃんが珍しいんじゃないかな?
「なんか、気が抜けてきた、君にシグをもてあそばないように言おうと思ってたよ。」
グランパ・シャルル陛下が言った。
「そうですか、誤解されたんですね、ここからでたほうがいいですよね。」
私は言った。
「いいよ、出なくて、むしろ好きなだけ滞在して、シグの癒しになってやってよ。」
グランパ・シャルル陛下が微笑んだ。
シグさんの癒し?
なれるかな?
「祖父上?なんで、ここに?」
シグさんが来たよ。
仕事はいいんかい?
「今、ちーちゃんと話してたところ、シグ、頑張って、僕は応援することにしたから。」
グランパ・シャルル陛下はそういって席をたった。
「じゃ、またね、ちーちゃん。」
グランパ・シャルル陛下は手を振って出ていこうとした。
「祖父上、ありがとうございます。」
シグさんが言った。
「うーん、いい言葉だね。」
グランパ・シャルル陛下は微笑んだ。
「あの、ご足労おかけしました。」
私は言った。
「いいんだよ、じゃーね。」
今度こそ、グランパ・シャルル陛下は出ていった。
「ちか。」
シグさんは私を抱き締めた。
...なんで抱き締めるのさ。
ああ、もう、グランパ・シャルル陛下といい、
シグさんといい、
わけがわかんないよ。
応援ってなに?