元余生闇精霊は令嬢たちと話す
朝日が顔に当たった。
暖かい人肌の温もりに嬉しくなった。
「シグさん。」
私はシグさんに抱きついた。
「ん…。」
シグさんが私を抱き締めた。
ああ、ずーっと続けばいい。
私は朝の幸せを思い出した。
昨夜は、センカに遠慮してもらって
色々…まあ、いいじゃないですか。
大人なんだし。
「ちか様、お疲れですの?」
シャルリーヌさんが言った。
お見舞いに来てくれたんだよね。
コンスタンスさんと言うご令嬢と。
コンスタンスさんが目撃者なんだそうだ。
まあ、内密になったので表に出ることはないけど。
「まだ、少し疲れているみたいです。」
私は微笑んだ。
本当は昨夜ちょっとシグさんと
愛し合ったせいで寝不足なんです。
なんて言えないしな。
シグさんは警護士を私の周囲に多量に配置して仕事に行った。
過保護だよ、でも、安心は安心かな。
「そういえば、ちか様、王妃様作の『闇の乙女のまどろみ』が異世界のムーラア帝国所有になったそうですわね。」
コンスタンスさんが言った。
なんでも、油彩をされてるそうで、お礼言ったらモデルを頼まれました。
私みたいなおば…まあ、いいや。
美意識は人それぞれだしね。
「……というか、レイ、さわりまくるんじゃないでしょうね、困るよ。」
私は呟いた。
「ちか様?どうかなさいましたか?」
シャルリーヌさんが言った。
「大丈夫です。」
私は言った。
ご令嬢たちが突然礼をした。
「ちか、大丈夫ですか?」
仕事のあいまにシグさんが顔を出したかららしい。
「うん、大丈夫だよ。」
私は言った。
「イェーヤラヌ嬢、オルティアス嬢、よくきてくれた。」
シグさんは早速私を膝の上に抱き上げながら言った。
人がいるのにいいんか?私?
「ありがとうございます。」
シャルリーヌさんが言った。
「光栄に存じます。」
コンスタンスさんが言った。
なんか緊張してる?
そういえば、令嬢たちって
シグさんの冷たい態度で撃沈したんだっけ?
想像つかないな。
「シャルリーヌさん、そういえば、、お祖父様のリハビリは進んでますか?」
私は話題を変えたくて言った。
「はい、ちか様の対処がよかったお陰か、予後もよくて、持ち前の頑固さですこしづつ歩けるようになってきましたわ。」
シャルリーヌさんが言った。
「オルティアス老もおげんきそうでなによりだ。」
シグさんが言った。
少し冷たい?
私になんか言ったからかな?
「はい、ありがたございます。」
シャルリーヌさんが言った。
「ちか、先程議会で、私たちの結婚式の日にちが決まりました。」
シグさんが笑った。
「本当?嬉しい。」
私も笑った。
「おめでとうございます。」
コンスタンスさんがクレシアの礼をした。
「よかったですね。」
シャルリーヌさんがクレシアの礼をした。
「ありがとうございます。」
私は言った。
「ちか。」
シグさんが私に口づけした、
ああ、なんか嬉しくなってきた。
あんなことがあったあとだけに
すごく、すごく、うれしいよ。
ああ、踊れないけどおどりたい気分だよ。




