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余生闇精霊は療養中1

体力戻りづらいな。

オバチャンだからだよね。

あー、疲れた。


シグルト・クレシアさんは

クレシア芸術国の王族そうです。

そしてここは王宮の一室を占領してます。

いいのかな?


シグさんの詳しい地位は聞く気力もないし

私にはあんまり関わりない事なので聞いてません。


「忙しいのにまめに来てくれていい人だよ、本当に。」

窓際に寄りかかって外を見ながら呟いた。

風が気持ちいい。


「ちか様、危ないですよ。」

マリオンさんは言った。

ま、最近すぐよろけるしね。

「大丈夫ですよー。」

私は安請け合いした。

様ってつけないでほしいな。

「庭が綺麗だなぁ。」

屋敷だか、お城だか知らないけど

部屋はかなり奥にあるらしく静かだ。

しかも4階以上らしい高い位置にあるらしく

芸術的に整えられた庭がよく見える。


「ちか、落ちないでくださいね。」

シグさんがやって来たみたいだ。

忙しそうなのにまめに見に来てくれる。

そんなに重病じゃないよ…多分。

「大丈夫です、見てるだけですから。」

せめて顔向けるかね。

よっこいしょっと。

椅子がら立ち上がると少しよろけた。

「ちか!」

シグさんやいちいち抱き寄せなくてもいいんだよ。

「あなたは、どうしてそう無茶を。」

シグさんが目を合わせて言った。

無茶してません。


なんですか?その責めるような目は?


「重病人じゃないんだから過保護にしないでください。」

私は言った。

いずれここから出て自活しないといけないし。


「ちか、あなたは弱っているんです、無理しないでください。」

何かますます抱き締められた。

悪いね、オバチャン過ぎて回復が遅くってね。

「大丈夫ですよ、早く自活しないとね。」

私は言った。


事情により私は明正和次元では自分的には、もう余生だったんです。

お金たまったらお祖母ちゃんのいる、

『紫世界』の闇精霊の里行こうと

思ってたのになぁ…。


ああ、闇精霊が種族的に強いんですよ、私。

だから看護師なんです。(機能訓練師は看護師持ってないととれないんですよ。)

闇は癒しの力ですから…。

だから余計に身体の組織が緩いのかな?


まあ、久しぶりにやる気でたよ。

自活してシグさんに迷惑かけないようにしないとね。


「ちか、あなたには、ずっとここにいてもらいたいです。」

シグさんが言った。

なんて優しい若者だ、クレシアの未来は明るいよ。


「そういうわけにもいかないよ…。」

私は言った。

迷惑かけっぱなしだし。

縁もゆかりもないのに。

「まだ、顔色が悪いですよ。」

シグさんが私の頬を触った。

わー、相変わらずスキンシップ過多だな。


「おい、シグルト、いつになったら紹介してくれるんだよ。」

部屋の外から声がした。

「カイト、気が利かないな。」

シグさんが言って扉を開けた。


そこには、茶色の髪の元気のよさそうな男性がたっていた。


「入ってきてくれ、カイト。」

シグさんが親しそうに言った。

「おい、荷物運んでくれ。」

カイトさんが言うと沢山の荷物をもって

何人かの人が入って来た。


「おまえの注文通りもってきたけどよ、服はサイズを測らないとちゃんとしたのは無理だぜ。」

カイトさんが言った。

「ああ、すまなかった、カイト。」

シグさんが言った。

「あの、何事ですか?」

私は目を丸くした。


「ああ、彼はカイト・エーシア、エーシア商会の若旦那で私の友達です。」

シグさんが言った。


「あなたがシグルトのお姫様だね。」

カイトさんが言った。

「単なるおばちゃんですよ。」

私は言った。

お姫様ってなにさ。


「ちかが私のお姫様だ、カイト。」

シグさんが臆面なく言った。

「そうか、やっぱりな、お姫様、オレはこいつとマルティウス魔法使いの所で学んだ兄弟弟子ですよ。」

カイトさんが言った。

そうなんだ…でも、残念ながら私は単なる

居候のおばちゃんだよ。


「この荷物はこいつがお姫様のために注文したもんですよ。」

カイトさんが言った。

荷物を運んできた店員さんが荷物をといてる。

…あの華やかなドレスどこに着てくんだろう?


「ありがとうございます、必要ないのでもちかえってください、お気持ちだけで十分です。」

私は言った。


「おい、本当に異世界人かよ、ルナならすぐ、飛びついたぜ。」

カイトさんが言った。

「ちかはルナと違うんだよ、ちか、受け取ってもらわないと困ります。」

シグさんが言った。

「別に着ていく所ないし…それより就職しないと…。」

私は言った。


「わー、お前がハマった理由分かった。」

カイトさんが言った。

「もちろん、こういう人だからだよ、守ってあげないと…。」

シグさんが微笑んだ。


まもられるいわれはありませんよ。

それよりこの多量の荷物なんとかしてください。

普通のおばちゃんにはいらないものばかりだしね。

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