元余生闇精霊は元彼にあう
うーん、シグさん、
やっぱり過剰反応してるのかも知れない。
「レーギュウス・ムーラア陛下ようこそおいでくださいました。」
ニコニコとシグさんは言った。
完璧に私、レイの死角だよ。
「快く迎えていただきありがとうございます。」
レイが言った。
相変わらず綺麗だよね。
シグさんより線が細いくて
美貌の皇帝のくせに
行動は案外がさつなの知ってる。
……思い出にかわってる?
うん、そのほうがいいや。
「シグルト殿下の婚約者の姫君は私のか…。」
レイが言ったとたん随行の
外交官の女性に足を蹴られたのが見えた。
うん、この位置いいな。
「クレシア芸術国をゆっくり見ていってください、この者が案内します。」
シグさんが言った。
「エーシア商会のカイト・エーシアです。」
カイトの若旦那が言った。
なるほど、カイトの若旦那なら
いいガイドだよね。
王都中知ってるもんね。
でも、役人じゃなくて良いのかな?
「お願いがあります、相川千嘉様に案内してもらえませんか?」
外交官が言った。
「ちかは王都に詳しくないのです。」
シグさんが言った。
うん、たしかにね。
私はシグさんの手を握った。
不安そうに見えたから。
私はべつにレイと話すことないもん。
「千嘉様と陛下は明正和学園で同級生でして、陛下もリラックスして見学できると思うのです。」
外交官がニコニコ言った。
なに?この人抜け目ない。
「アルシード外交官、良いことを言ってくれた、ぜひ千嘉いや、千嘉に案内してもらいたいのです、エーシア殿と一緒に。」
レイが言った。
アルシードの家の人?
そりゃぬけめないよ。
代々ムーラア皇帝の懐刀だよ。
「検討いたします。」
ニコニコシグさんは言った。
シグさんは益々私を死角に隠した。
うーん、シグさん、私大丈夫だよ。
直接会ってセンカはレイって喜んだけど。
千嘉は全然心が動かないんだよね。
私、ほとんど千嘉だし。
「千嘉顔が見たい。」
レイが言った。
「ちか。」
シグさんが私の顔を見た。
「シグさん、挨拶だけするね。」
私は言った。
逃げちゃダメだよね。
「ちか、裏切るなよ。」
カイトの若旦那が言った。
私、二人の後ろにいたんだよね。
「うん、大丈夫だよ。」
私は微笑んだ。
……大丈夫だよね?私?シグさん大好きだもん。
「久しぶり、レイ、元気そうでよかったよ。」
私は顔を出して言った。
「千嘉変わらないな、相変わらず綺麗だ。」
レイが言った。
ここがレイの恐ろしいところだよ。
綺麗だなんてさらっといってさ。
「千嘉様、初めまして、エリア・アルシードと申します、千嘉様に案内していただけるのを楽しみにしておりますわ。」
アルシード外交官がニコニコと言った。
わー、さすがアルシード家ぬけめないよ。
それ決定ですか?
し、シグさん落ち着いて。
そんなに私を抱え込まなくてもどこもいかないからね。




